犬がおもちゃをブンブン振り回す心理
犬が遊んでいる時に、お気に入りのおもちゃをブンブンと振り回している姿を見かけることがあります。勢いよく振り回しすぎて目が回らないか、またどこかにぶつけてケガをしたり何か壊したりしないかと心配になりますよね。
では、犬はなぜ大好きなおもちゃをブンブンと振り回すのでしょうか。その心理について探っていきます。
1.狩りの真似が楽しい
大好きなおもちゃを噛んだり追いかけたりしているうちに、犬は楽しさで興奮状態になっていきます。不規則な動きをするおもちゃや、動物に見立てたぬいぐるみなどを追いかけているうちに、おもちゃを狩りの獲物のように感じていくようなのです。
捕まえた獲物の首をくわえてブンブンと振り回す行動は、野生の動物が獲物の頸椎を脱臼させるなどして動かなくさせる技の一つです。つまり、おもちゃを振り回すという行動は、狩りという本能的な動きなのです。野生だった頃の名残りでこの行動をしていると考えられます。
おもちゃを追いかけて捕まえ、そしてブンブンと振り回しながら歩いているときの犬は、本能的な欲求が満たされ非常に楽しんでいる状態のようです。
2.遊びに誘いたい
犬がおもちゃを見せびらかすように高く掲げ、飼い主が見ているところで勢いよくブンブンと振り回している時は、「遊ぼうよ!」と誘っている状態です。「いいものを持っているでしょ?」と見せびらか、し飼い主の興味を引きたいのですね。
そこで飼い主が遊びに乗ってあげると、犬は「こうすれば遊んでもらえる」と学習します。
また、飼い主がおもちゃを投げる様子を見ていて、犬も振り回しながら口を放しておもちゃを放り投げることを覚える場合もあります。放り投げられたおもちゃは不規則な動きをするため、それを面白く感じていることもあるようです。
3.ストレスを解消したい
おもちゃをくわえて激しく振り回した挙句、唸ったりおもちゃを壊してしまうことが多いようでしたら、それはストレスがたまっている表れかもしれません。振り回しているときに楽しそうな様子ではなく、本気で壊そうとしている場合は要注意です。
唸り声をあげながらしつこく振り回していたり、飼い主がおもちゃを受け取ることを拒否して威嚇したりする場合はかなり興奮しているか、ストレスで破壊欲求が高まっているかということが考えられます。
また、与えたおもちゃをすべて破壊してしまうようなら、壊すことが遊びになっているとも考えられますね。
おもちゃを破壊までしてしまう犬の場合、エネルギーを持て余していることも多いため、散歩や運動の時間を長めにとってあげるなど、上手く発散させてあげることが大切です。
おもちゃをブンブン振り回す犬に対して注意すべきポイント
そもそも愛犬におもちゃを与える場合は、「犬は興奮するとおもちゃを振り回してしまうこともある」ということを前提にして選びましょう。犬の性格によってそのような仕草をするしないのレベルの違いはありますが、ブンブン振り回しても大丈夫という条件で選ぶと安心です。
ポイントは、「大きさ」と「壊れにくさ」です。
ゴールデンレトリバーなどの大型犬は、特におもちゃをくわえて持ち歩いたりすることが大好きです。しかし、口の大きさに対しておもちゃの大きさが小さいと、あっさりと飲み込んでしまうことがあります。
また、柔らかめのボールなどは、口の中ではへこんで一瞬小さくなりますが、食道に入ると大きく膨れて気道を圧迫し、窒息させてしまう危険があります。そのため、原則として噛んだりくわえたりはできるけれど、一口では飲み込めない大きさのおもちゃを選んであげましょう。
さらに、ぬいぐるみや人形型のおもちゃの場合は、必ず犬専用のもので、部品が外れにくく壊れにくいおもちゃを選んでください。壊れやすいものの場合、縫い目などからすぐ中をほじくってしまったり、小さな部品を飲み込んでしまう危険性があります。
いずれの場合でも、愛犬がおもちゃを振り回している時は何が起きても素早く対応できるように、しっかり見守っていてあげることをおすすめします。
まとめ
犬がおもちゃを振り回すのは、いたって普通の、彼らにとっては楽しい遊びの一環です。極端な破壊行動などがない場合は見守ってあげてください。
また、犬用のロープのおもちゃや音が鳴るおもちゃなどは、くわえやすく振り回しやすい形でもあるため人気です。振り回し始めたら一緒に引っ張りっこ遊びをしたりするともっと楽しくなりますし、犬も飼い主さんと遊べて大満足してくれます。
ストレス解消が目的のような様子であれば、散歩や運動等でしっかりとエネルギーを発散させてあげてくださいね。