犬が壁をぼーっと見つめる時の理由とは
ふと振り向いた時などに愛犬が何もない壁をぼーっと見つめていた、という経験を多くの飼い主が持っています。それは何かを探しているようだったり、ただ一点を見つめ続けたりとさまざまです。
壁ではなく天井を見つめているパターンもありますよね。犬の視線の先を追ってみても何があるのかわからず、不思議な気持ちになったという人もいらっしゃるかと思います。
「人間には見えない何かが犬には見えるのでは?」とちょっぴり怖くなる犬の行動には、どんな意味があるのでしょうか?犬が壁をぼーっと見つめる時の理由をご紹介します。
1.音を探っている
犬が何か一点を見つめているのは何らかの音を察知している時が多いです。犬は人間の4倍ほどの聴力を持つので、人間には聞こえないごくわずかな音もキャッチできます。
何もない壁を見ている時は、たまたま壁の方から音がしたからなのでしょう。その音が犬にとって嫌いな音であれば、不安や警戒心から執拗に音を探ろうとします。
犬は音の正体を知るために、耳の角度を変えながら探ります。壁に向かって首を傾げる犬の行動は何だか不思議なものですが、犬が苦手な雷や大きな音が近付いていないかぜひ一緒に探ってみてください。
2.何かを見ている
何もないはずの壁を目で追うような行動があれば、何かが見えているのかもしれません。「もしかして霊感があるの!?」と怖くなるかもしれませんが、ほとんどの場合は虫やホコリなどを目で追っていたりしています。
ただ犬はとても視力が弱いため、前項でお伝えしたようにまず犬は耳で音を聞き取ることから始めます。小さな虫が飛んでいる音をキャッチして、たまたま壁の方を見つめているように見えることも多いです。
また犬は嗅覚も大変優れているので、気になる何かがあれば耳と鼻を使って正体を探ろうとするでしょう。近所から美味しそうなにおいが漂ってきたのかもしれません。
愛犬が壁の方を向いてぼんやり何かを見つめているように見える時は、そちらの方に小さな音やにおいの元がある可能性が高いです。慌てることなくぼーっとしたようすで見つめているなら、とくに犬が苦手な何かがあるわけではないのでしょう。
犬によっては霊感があるという話もありますが、多くの場合は物音に反応しているケースばかりです。あまり深く考えると怖くなってしまうので、時々壁を見つめていても考え過ぎない方がいいですね。
3.病気の可能性がある
最後にお伝えしたいのが病気の可能性についてです。犬が何もない方を向いて一点を見つめている、このような機会が増えた場合はちょっと注意してください。
よく考えられる病気としては「水頭症」や「てんかん」があり、老犬であれば「認知症」も疑われます。水頭症なら視覚障害や情緒不安定のような症状が見られ、てんかんであれば急な発作によって震えるような症状が出ることが多いです。
認知症を発症した場合は、壁を見つめたり壁に向かって吠えたりといった異常行動が見られることもあります。もし犬が壁に頭を押し付けていたなら、ただちに病院へ連れて行ってください。脳の神経がトラブルを起こした時に見られるヘッドプレスという症状かもしれません。
ただし、犬によって病気の症状はさまざまですので、もし犬の行動に違和感を感じたら自己診断をせずに獣医師に相談しましょう。
まとめ
犬が壁をぼーっと見つめる行動はちょっぴりシュールで、ちょっぴり怖いものでもありますよね。「おばけが見えているのでは?」と気になっている方は、犬が見ている方向から物音やにおいがないか、ぜひ一緒に探ってみましょう。
中には病気が隠れていることもあるので、少しでも異変を感じたら獣医師へ相談してみることをおすすめします。