愛犬とドライブしたことのある人へのアンケート調査
季節が良くなってくると愛犬と車に乗ってお出かけする機会も増えますね。愛犬とのドライブは心踊る楽しいものですが、安全対策は万全でしょうか?
先ごろアメリカの保険会社セレクティブ・インシュランスが18歳以上の2,044人を対象にして、オンライン世論調査を実施しました。このうち約半数の992人の回答者が、過去1年の間に犬と一緒にドライブをしたことがあると答えました。
ここから先の回答は、この過去1年の間に犬と一緒にドライブをしたことがあると答えた人たちへのアンケート結果です。
聞くとゾッとする犬連れドライバーの行動
犬を同乗させて車を運転する頻度は「月に2〜3回またはそれ以上」と答えた人が74%、「少なくとも週に1回」と答えた人が65%でした。自動車社会のアメリカらしいですね。
運転中に何らかの形で犬と関わり合ったと答えた人は91%にも上りました。比較的危険度の低いものでは「運転中犬に話しかけた」40%という回答がありましたが、だんだん危険度が高くなって「犬を撫でた」50%、「おやつや水を与えた」36%、「振り返って後部座席の犬を見た」33%という行動が報告されました。
さらに危険度が高いのは「運転中に犬の写真や動画を撮った」27%、「窓から顔を出そうとする犬を止めた」20%という行動でした。
犬といっしょにドライブをしたと回答した人の70%は、クレートや犬用シートベルトを使用せずに犬を車内で自由にさせていました。82%の人が「走行中の車内で犬が自由にしていると気が散る」と回答しているにも関わらず、です。
アメリカでは州によっては、走行中の車内では犬を何らかの形で拘束することが法律で定められているのですが、このような法律があることを知っていると答えた人は24%しかおらず、このような法律があることを知らなかったと答えた人は34%に上りました。
犬を車内で拘束していない場合、少なくとも慎重に運転しそうに思うのですが、何と40%の人がその状態で無謀な運転をしたことがあると回答しました。16%の人は「犬に気を取られてしまったせいで」と答えています。そして9%の人は実際に事故を起こしてしまったと回答しています。
愛犬の車内安全対策は犬と自分と周囲の全ての人のため
回答を見ていくと、犬を乗せた自動車を見かけたら速やかにそばを離れようという気持ちになりますね。これはアメリカでの調査ですが、日本でも犬が運転席の窓から顔を出していたり、車内で自由に動き回っている光景を目にするのは珍しくありません。
犬のせいで気が散って安全運転ができない、犬のせいで視界が遮られるような状態になることは道路交通法違反です。犬を膝に乗せて運転するなどは完全に道交法違反です。
犬を助手席に乗せたり、助手席の人が抱いているとしても、’急ブレーキや衝突によって犬が車内で天井や窓に打ちつけられたり、場合によっては外に放り出されることもあり得ます。
たとえ犬用シートベルトなどを使っていても助手席に犬を乗せると、衝突時などにエアバッグが作動すると圧迫されて命を落とすこともあります。助手席にチャイルドシートを設置してはいけないのと同じ理由ですね。
車内の犬に気を取られて車線をはみ出したり、歩行者に気が付くのが遅れたりすると、他の人の命を危険に晒すことになります。これらのことを考えると、車内での愛犬は後部座席、またはカーゴスペースで拘束しておくことが必須だと言えます。
車内での愛犬の安全対策は犬のためであることはもちろん、運転者自身のためでもあり、歩行者や他の自動車に乗っている人々など周囲のすべての人の安全のためと言えます。
まとめ
アメリカの保険会社が実施した調査から、犬を自動車に乗せた人々がかなり危険な行動をしているという実態をご紹介しました。
上記では犬用シートベルトという言葉を何度か使いましたが、日本では犬用シートベルトの安全基準はないので自動車での移動はクレートやケージ、これらが大き過ぎて搭載できない場合は、シートベルトで固定できるタイプのソフトクレートやキャリーバッグが良いかと思います。