「癌になりやすい犬種」5選 死因として最も多いガンは犬種によっても罹患率に違いがある

「癌になりやすい犬種」5選 死因として最も多いガンは犬種によっても罹患率に違いがある

最近では人間と同じように「癌(がん)」になる犬が増えています。癌は致死率も高く、治りにくい恐ろしい病気ですが、実は癌になりやすい傾向がある犬種が存在します。今回は人気犬種のうち、癌になりやすいといわれている犬種5つをまとめました。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

癌になりやすい犬種とは

診察されるゴールデンレトリバー

犬の死因で最も多いとされている癌(悪性腫瘍)。犬種に関わらず、どの犬でもかかる可能性のある病気ですが、特に癌の発生率が高い犬種も存在します。

今回は人気犬種の中でも、比較的癌を発症しやすいとされている犬種をご紹介します。

1.ゴールデン・レトリバー

大型犬は比較的癌にかかりやすい傾向があるとされていますが、その中でもゴールデン・レトリバーは癌を発症するケースの多い犬種の1つです。

ゴールデン・レトリバーは悪性リンパ腫や組織球肉腫、血管肉腫、肥満細胞腫、骨肉腫、悪性メラノーマなどの発症頻度が高いといわれています。

癌になるのはシニア犬というイメージがあるかもしれませんが、骨肉腫の場合は若い犬でも発症することがあり、注意が必要です。

2.ラブラドール・レトリバー

盲導犬や介助犬など、使役犬としてもよく知られているラブラドール・レトリバー。組織球肉腫、血管肉腫、肥満細胞腫、骨肉腫、悪性メラノーマの発生率が高いとされており、先ほどご紹介したゴールデン・レトリバーとかかりやすい癌が類似しています。

扁平上皮癌は、シニア犬ならどの犬種でもかかる可能性のある病気です。特に爪の下の扁平上皮癌は黒い被毛を持つ大型犬に発生しやすい傾向にあり、その1つの犬種として黒いラブラドールレトリバーも含まれています。

3.ミニチュア・シュナウザー

ミニチュア・シュナウザーも比較的癌に注意が必要な犬種です。先ほども登場した悪性メラノーマの好発犬種(発生する頻度が高い犬種のこと)とされています。

またこの犬種は、乳頭腫や皮脂腺腫などのいわゆるイボができやすい傾向にあります。問題ないイボだと思い込んで癌を見逃してしまう可能性もあります。イボを見つけたら受診して確認してもらうようにしましょう。

4.フレンチブルドッグ

マズルの短い愛嬌のある顔立ちと愛らしい性格が魅力のフレンチブルドッグ。皮膚疾患になりやすいためこまめなケアが必須の犬種ですが、実は癌の発生率が高いといわれています。

フレンチブルドッグは先ほども登場した肥満細胞腫のほか、原発性脳腫瘍という脳から発生する腫瘍の好発犬種です。原発性脳腫瘍はぐるぐると一定方向に回る旋回運動やふらつきなどの運動失調、眼振、痙攣など腫瘍のできたところによってさまざまな症状が見られます。

5.パグ

ぺちゃっとしたユニークな顔とくるりとした尻尾が特徴のパグ。日本では根強い人気ですよね。

パグは他の犬種に比べて肥満細胞腫の発症率が高い犬種です。特に多数の肥満細胞腫が同時期にできる傾向にありますが、比較的予後は良好だといわれています。

癌になりやすい犬種を飼う上で気をつけたいこと

抱っこされているパグ

ここまでは癌になりやすい犬種と、なりやすいといわれている癌をご紹介しました。もちろん犬種に関係なく、犬がかかることの多い癌は他にもあるので、ご紹介した癌以外も注意が必要です。

では、癌になりやすいといわれている犬種を飼う上で、何に気をつけるといいのでしょうか。

しこりや炎症などの症状がないか、シャンプーやブラッシングなどのケアや日頃のスキンシップで全身をチェックするのは大切です。普段あまりじっくりとは見ない口周りや口の中の確認も忘れずに。自己判断せず、気になるところがあったなら早めに動物病院を受診してください。

体内の癌は見た目ではわかりませんし、早期の癌だと症状にあらわれないケースも多くあります。早めに発見し治療するためにも、こまめに健康診断を受けさせるよう意識しましょう。

乳腺腫瘍や精巣腫瘍、肛門周囲腺腫というような癌は、早期に避妊・去勢手術を受けることで発生確率が下がります。早めに検討してください。

まとめ

芝生に寝そべるシュナウザー

今回は癌になりやすいといわれている犬種を5つご紹介しました。

犬種によってそのような傾向が見られるというだけで、必ずしも癌になるとは限りません。

どの犬種の犬にも癌にかかる可能性はありますから、犬種に関係なく日頃から愛犬の小さな変化に気づき、こまめな健康診断を心がけることが大切でしょう。

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