犬が失明してしまう「危険な病気」4選 普段から意識すべき"予防するための対策"とは?

犬が失明してしまう「危険な病気」4選 普段から意識すべき"予防するための対策"とは?

この記事では、犬が失明してしまう「危険な病気」を紹介します。予防するための対策についても解説していますので、参考にしてくださいね。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬が失明する「危険な病気」4選

チワワの顔のアップ

犬がかかる病気には「失明」を引き起こすものがあります。

どんな病気が失明の原因となるのか紹介しますので、参考にしてください。

1.白内障

白内障は目の水晶体が白く濁ることで視力が落ちる病気です。

人間の白内障は加齢が主な原因だといわれていますが、犬の白内障の主な原因は加齢ですが、一般的に6歳までに発症する白内障については遺伝であることが多いでしょう。

白内障は濁りが小さければ日常生活にさほど影響はありませんが、水晶体がすべて濁ってしまうと失明状態になり、犬は物にぶつかったり動きが鈍くなったりします。

治療は点眼薬や飲み薬で進行を遅らせる方法と、外科手術で人工眼内レンズを犬の目に入れる方法があります。

2.進行性網膜萎縮症

「進行性網膜委縮症」は、目の網膜が薄くなることで視力が落ちていく病気です。遺伝性の病気だといわれており、多くの犬種で発症が確認されています。

症状は両側の目で起き、だんだんと進行して最終的に失明に至ります。初期段階では暗い場所で物が見えづらくなりますが、昼間は普通に生活するため飼い主も病気に気づきにくいようです。

今のところ確立された治療法はなく、サプリメントなどで進行を遅らせる手段が取られることがほとんどです。

3.水頭症

脳の病気である「水頭症」も犬が失明する原因の一つです。チワワなど小型犬が発症することが多いといわれています。

水頭症は脳内に脳脊髄液が過剰に分泌・溜まることで起きる病気です。溜まった脳脊髄液が脳本体を圧迫して発作など神経系の症状が現れます。失明もその一つです。

治療は原因が先天性か後天性かによっても異なりますが、進行を遅らせる内科治療と、高度な技術が必要となる外科治療があります。

4.緑内障

「緑内障」は目の眼圧が高くなることで視神経が損傷する病気です。発症すると数時間~数十時間で犬は失明してしまいます。

痛みが出る病気であり、失明後も眼圧が下がらないため犬は痛みを感じ続けてしまいます。痛みを取り除くには、眼球摘出などの処置が必要です。

緑内障は遺伝性、もしくは白内障など眼圧が上がる他の病気が原因だといわれています。緑内障は進行がはやいため、特に早期発見・早期治療が重要です。

犬の失明を予防する対策

目の診察を受ける犬

犬が失明する病気は、遺伝性のものが多く予防が難しいのが現状です。

愛犬の視力を守るためには、目の病気にいち早く気づき、治療を素早く行うことが何よりも大切です。治療を早期に行えば、失明を防ぐ可能性がぐんと上がります。

目の症状は進行がはやいため、愛犬に次のような異常を見つけたらすぐに受診しましょう。

  • 目が赤い
  • 目が白っぽい
  • 涙が出る
  • 目ヤニが出る
  • 前足で目を掻く
  • 物にぶつかるようになった
  • 暗い場所で動きが鈍くなる

また、目に傷がつくことで病気になることもあります。犬の目の周りの毛を短くカットして清潔に保つこと、枝で目を傷つける恐れがある藪や草むらに犬を入らせないなど、愛犬の目に傷をつける恐れがあるものに気を付けましょう。

まとめ

ビーグルの目

犬が失明する「危険な病気」をご紹介しました。

犬は一度失明してしまうと視力を取り戻すことはできません。白内障では外科手術をすることも可能ですが、費用も高額ですし、全身麻酔が必要な大がかりな手術となります。眼の手術は対応できない病院もありますので、他府県に行かなければならない場合もあります。

失明する原因となる病気には遺伝性のものが多く予防が難しいため、早期発見・早期治療が何よりも大切です。愛犬の視力を守るため、日頃から健康チェックを欠かさずに行うようにしましょう。

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