アメリカの動物保護団体が開設した画期的な動物病院

アメリカの動物保護団体が開設した画期的な動物病院

アメリカの動物保護団体が設立した動物病院が注目を集めています。ちょっと羨ましくなってしまう内容をご紹介します。

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大規模動物保護団体が設立した動物病院

診察を受けている犬

アメリカにはいくつかの大規模な非営利動物保護団体があります。コロラド州デンバーにあるザ・ダム・フレンズ・リーグもそのような大規模団体のひとつで、年間数千頭の犬、猫、ウサギの保護の他、数百頭の馬も受け入れています。

1910年に設立され今年で113年の歴史を持つ同団体はザ・リーグという愛称で親しまれており、保護動物に新しい家族を見つける活動の他に、犬猫の不妊化手術をはじめとする動物医療にも力を入れています。

そのザ・リーグが2022年に開設した動物病院のシステムが画期的であると注目を集めています。

困っている飼い主や動物のための獣医療提供

小型犬の手術をする獣医師

ザ・リーグはコロラド州立大学と提携して、同大学キャンパス内にダム・フレンズ・リーグ獣医科病院を開設しました。

この病院は高度な設備を備えた最新鋭の施設で、寄付金によって運営されています。経済的な理由で愛犬や愛猫に十分な獣医療を受けさせることが困難な人のために、低料金で手術や治療処置を提供しています。開設初年度の2022年には6,000頭以上の動物が治療を受けました。

また、犬猫のための不妊化専門クリニックも併設されており、地域猫のTNRのための不妊化手術は無料で、飼育されている犬猫の手術は低料金で提供されます。

手術室はガラス張りになっており、飼い主または一般の人が手術を見ることができます。手術室で行われていることを理解してもらうため、見ている人の側で質問に答える説明員も常駐しています。

飼い主の希望があれば、もちろんその意思が尊重されて手術は非公開になります。また医療上の理由で見学者の受け入れが望ましく無い場合には、手術室のカメラによる画像が公開されます。

治療だけでなく教育の場としての動物病院

猫と犬と獣医師

ダム・フレンズ・リーグ獣医科病院は動物の治療施設というだけでなく、次世代の獣医師養成、地域の青少年への啓蒙活動といった教育の場としても機能しています。

同病院では、提携しているコロラド州立大学獣医学部の学生が参加する短期プログラムを設けており、現場での処置や動物福祉について学ぶことができます。また、新卒者を対象にした1年間のインターンシップも実施しており、診断、手術、クライアントのケアなど実践的な経験を授けています。

動物保護団体との提携は、通常の獣医学部では学ぶ機会の少ないシェルター・メディスン(保護施設の動物に特に必要とされる獣医療)の教育の面でも大きなメリットです。

実際に大学で獣医療を学んでいる学生だけでなく、同病院は獣医師の重要な仕事について地域の人々に知ってもらい、子どもたちが獣医師という仕事に具体的な興味を持つことも見据えています。

手術の一般公開などはその一環でもあります。また獣医師以外の動物医療に携わるさまざまな職業に関する情報も提供しています。

この病院は近隣の学校からの遠足や社会見学も受け付けており、ペットの世話の仕方、犬や猫のそばで安全に過ごす方法、動物への敬意と思いやり、動物福祉、動物保護などについての指導も行なっています。

まとめ

ボランティアのTシャツを着た男女と犬

アメリカのコロラド州で動物保護団体と州立大学が提携して設立した動物病院について紹介しました。

うらやましくなるような内容ですが、アメリカにおいてもこれほどの施設は稀であり、注目を集めているのも他にはあまり例がないからです。

地域の子どもたちへの教育など、未来を考える時に何が大切かなどは国が違っても参考になる点です。

《参考URL》
https://www.ddfl.org/locations/veterinary-hospital-at-csu-spur
https://csuspur.org/dfl/

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