1.歯周病
口臭に直結する病気として想像しやすいのが、口腔内の疾患でしょう。その中でも最も一般的な疾患が歯周病です。人間でも成人の8割が歯周病を患っているというデータがありますが、実はわんこも同様で、3歳以上のわんこの8割が歯周病だと言われています。
わんこの歯周病の代表的な症状とも言えるのが今回のテーマでもある「口臭」。その特徴は「腐敗臭」です。歯周病の症状がひどくなるにしたがってにおいも強くなります。放置しておくと歯が抜けてしまったり、顎に穴が空いてしまったりとQOLにも大きく影響しますから、気づいたらすぐに対処することが重要です。
放置しておくと歯が抜けてしまったり、顎に穴が空いてしまったりとQOLにも大きく影響しますから、気づいたらすぐに対処することが重要です。
2.腸閉塞
わんこの口臭が「うんち・オナラのような匂い」だと感じたら、腸閉塞を起こしている可能性があります。
腸閉塞は腸そのものの機能に異常が生じている場合もありますが、腸管内に物理的な支障物があることがほとんど。支障物は誤飲・誤食してしまった異物であることもあれば、腫瘍・ポリープ、重度の便秘であることもあります。
3.肝臓・腎臓疾患
口臭が酸っぱい匂い、もしくはアンモニアのような匂いに感じるという場合には、肝臓や腎臓といった消化器官の疾患の可能性が強まります。酸っぱい匂いは胃酸過多の疑い、すなわち胃の不調が疑われます。
一方、アンモニア臭の場合には、本来アンモニアを分解する役割を果たしている肝臓が機能していない肝機能障害や、腎臓の機能低下により老廃物の排出が正常に行われなくなる腎不全や尿毒症が考えられます。
いずれも症状が出始めたときには重症化している場合も少なくないため、少しでも異常を感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。
口臭予防に!改善すべきポイント
1.歯みがき習慣を身につける
口臭予防に最も重要なのは言わずもがな「歯みがき」習慣です。定期的な歯磨きで歯垢を落とし、歯石を予防することが歯周病予防に繋がります。
歯みがきを嫌がるわんこは多いですが、少しずつ慣らしていくことが大切。市販の歯みがきシートや歯みがきガムなどの便利グッズもありますが、歯と歯茎の間に沈着する歯垢を確実に落とせるのはやはり歯ブラシを使った歯みがきだけです。
2.定期的な口臭チェックと健康診断を
愛犬の健康状態を把握するためにも定期的な口臭チェックは大切です。元々の口臭の強さや種類は犬種や個体によっても大きく異なりますから、愛犬の通常の口臭がどんなものなのかを把握しておくことはとても大切になります。
またすでにご紹介したように、肝臓・腎臓等の疾患は症状が出始めた頃には重症化していることもあります。ドッグドックなどの定期的な健康診断を受けることで、早期発見のチャンスを増やすこともとても大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?「どんなに口が臭くても愛犬が可愛いことに変わりない」のはもちろんですが、愛情だけで受け入れていると恐ろしい病気を見逃しているかもしれません。
今まで臭くなかったのに急に気になるようになった、匂いの質が何だか変わってきたなど、気になることがあった場合には動物病院を受診するようにしましょう。