高齢飼い主が先立ってしまい愛犬が孤独になるケースが相次ぐ
近年、飼っている愛犬よりも先に飼い主が亡くなってしまい、愛犬が孤独に陥るケースが相次いでいます。高齢の飼い主が先立ってしまったり、入院に伴いお世話できなくなる事例はもちろん、一人暮らしの若い飼い主に起こることも度々あります。
今やすべての飼い主が他人事ではない「万が一」の事態は、事前に飼い主が愛犬にとって幸せに生涯を送れるような準備を整えておくことで、最悪の事態を回避することにつながります。
愛犬より先に飼い主が亡くなったらどうなるの?
もしも愛犬より先に飼い主が亡くなった場合、一般的に行政や地域で活動している愛護団体によって、愛犬が一時的に保護されるケースが多く見受けられます。
ただし、一時的に保護されるからといって必ずしも安全とは限りません。特に保健所に連れて行かれてしまった場合、シェルターに収容してもらえる期限が決まっているため、その期限内に新たな家族に見つからなかった場合、殺処分対象となってしまう危険性があるのです。
大切にしていた愛犬が自分の死後、殺処分対象となってしまう可能性を考えただけでゾッとしますよね。そのような最悪の事態に陥らないためにも、生きている今のうちに愛犬のためにできる準備を整えておきましょう。
飼い主の万が一に備えてすべき4つの準備を解説
ここでは、飼い主の万が一に備えてすべき準備を紹介していきます。高齢の飼い主さんはもちろん、まだ若い健康的な飼い主さんでも、いつ何が起こるかわかりません。今日から少しずつ「もしも」に備えて準備していきましょう。
1.知人や家族に万が一の時のことを頼んでおく
もしも自分が先に亡くなってしまい、飼い主が何も対策を取っていなかった場合、愛犬は保健所に連れて行かれてしまう可能性があります。これを避けるためにも、信頼できる知人や家族に頼んでおくことは重要です。
「もしも自分に何かあったら、愛犬のお世話をしてもらいたい」と伝えておくことで、いざという時にも愛犬が生活に困るリスクを下げることができます。
2.頼れる人がいない場合は団体やペットホームを探しておく
飼い主によっては、周りに犬を飼える環境に住んでいる知人がいない、頼れる人がいないという人もいるでしょう。その場合は、地域の愛護団体やペットをお世話してくれる施設を探しておくことを提案します。
最近は、飼い主に先立たれてしまうペットが多く報告されているため、それを懸念して事前に申し込んでおくことで、飼い主の死後もお世話してくれる施設や団体が設立されています。
ご自身が住んでいる地域に前述したような施設や団体がないかチェックしてみましょう。見学会を行っているところもあるので、気になる施設がある場合は、ぜひ見学会に参加してみてください。
3.公正証書遺言書や信託契約書の作成
飼い主の死後、あるいはお世話できなくなった後に、法的に「この人にペットを託したい」「ペットをお世話してもらう費用を預けたい」という意思を残す方法として、公正証書遺言書や信託契約書を作成しておく手段があります。
例えば、「自分の死後、ペットの〇〇を知人の〇〇(A)に託し、資産の中からペットのお世話代として、Aに対し多めに相続金を渡したい」という旨を記載しておきます。
これにより、財産分与の際に勝手に分配されることなく、また他者から不満を出さずに飼い主の意思に基づき財産分与やペットの預かりをお願いすることが可能です。
4.愛犬の情報を記載したノートの作成
飼い主の死後、愛犬をお世話する上で必要となる情報を残しておくことはとても大切です。今現在の健康状態や通院している病院、服用している薬、普段食べているドッグフードの種類など、できる限り細かく記載しておきましょう。
また、愛犬の日課や性格、好きなこと、苦手なことなども記載しておくと、次に引き取ってくれた飼い主が愛犬に配慮しやすくなります。
愛犬のためにも、そして愛犬のお世話を引き継いでくれる次の家族のためにも、ノートなどに情報をまとめておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。飼い主が先立ってしまった場合、愛犬は自分でしてほしいこと、必要なことを伝えることができません。愛犬に自分の死後も幸せに暮らしてもらうためには、生前にしっかり準備を整えておくことが大切です。