犬が警戒心を持つシチュエーション
犬は様々な感情を持つ生き物です。恐怖心を抱いた時や嫌なことが起りそうな予感がした時には、警戒心を持つこともあります。
警戒心を持っている時の犬の行動や仕草で代表的なのは「警戒吠え」。警戒の対象にむかって激しくワンワンと吠え続ける犬もいますよね。
体の動きとしては、耳やシッポはピンと立っていることが多くなります。シッポに関しては、不安感が強い時は下を向いていることもあるようです。また目は見開いたまま、姿勢を低くして警戒している方向をジッと見つめていることも多いでしょう。
犬はどんな時に警戒心を持つ?
ご自宅の中で犬が警戒するのは「音」に関すること多くなります。インターホンや雷の音は代表的ですよね。
また、犬の聴力は人間の耳には届かない周波数の音も届いているため、壁の中の排水管を流れる水の音や、離れた廊下の足音などでも警戒することがあります。音以外だと窓からチラッと見える歩く人に対しても、警戒してワンワンと吠えてしまうこともあると思います。
お散歩中であれば、知らない人に声をかけられたりジッと見つめられた時、人や自転車とすれ違う時、遠くにいる犬の存在に気づいた時など警戒することが多くなります。
個体の性格によって警戒心を抱く対象は異なりますが、恐怖心や不安を感じた時に警戒心を持ち吠えてしまうこともあるでしょう。
犬が警戒心を持っている時にしてはいけない行動2つ
1.慌てて叱る
犬が警戒心を持っている時は吠えてしまうことが多くなります。うるさく吠える愛犬につい叱ってしまいそうになるかと思いますが、このしつけは逆効果になります。
飼い主さんの慌てている気持ちが愛犬にも伝わりストレスを与えてしまううえに、声をかけたことで「構ってくれた!」と勘違いしてしまうことがあるのです。「吠えると構ってもらえる」と学習してしまった犬は警戒吠えがクセになってしまう可能性があるので注意しましょう。
また叱るのではなくても「どうしたの~?」と、声をかけるだけでも勘違いすることがあるので要注意です。犬が何かに対して警戒吠えをしている時は、吠えるのを止めるまで無視をして静かになってから褒めてあげましょう。
2.恐怖心に同調する
犬が警戒心を持っている時は何かに対して恐怖心を抱いていることが多くなります。怖がっている犬の気持ちを落ち着かせようと「怖いよね…」と声をかけてしまったり、一緒になって怖がってしまってはいけません。
怖がっている気持ちに同調してしまうことは、励ましているようでもありますが、犬の恐怖心を更にあおってしまいます。犬の心理としては「飼い主さんが怖いと言っているから本当に怖いことなんだ」と認識してしまうからです。
愛犬が警戒心を持っている時にこの対応を続けてしまうと、「怖い」と感じてしまう対象がどんどんと増えていき、警戒心を持ちやすくなってしまう可能性もあります。犬が何かに対して警戒している時には、冷静沈着な態度で「何でもないんだよ」ということを教えてあげましょう。
警戒心を持ちやすい犬にしてあげたいこと
犬が警戒してしまう理由は社会化不足や縄張り意識、また退屈な時間を過ごしているからなどになります。頻繁に警戒してしまわないよう工夫をしてあげましょう。
1.社会性を身につける
当然ですが犬と人間は違う種族の生き物です。家族として人間社会で安心して過ごしてもらうためには、社会性を身につけてもらうことが一番。
本来、犬の社会期は生後3~4ヵ月ごろ。この時期に多くの人や犬と触れ合い、色んな場所に行き、初めての経験を沢山することで社会性が身に付いていきます。多くの物事に慣れてもらうことで警戒心を抱きずらくなると言われているのです。
可能であれば子犬のうちに社会性を身につけるのが一番ですが、成犬になってからでも遅くはないので色んな場所に連れて行き、無理のない範囲で多くの人や犬と触れ合ってもらいましょう。
2.環境を整える
縄張り意識が強い犬、また退屈している犬は外の環境をいつも気にしているもの。窓から歩く人が見えただけでも警戒して大きな声で吠えてしまうことがあります。
外の気配を感じやすい窓の近くにハウスを設置しているのであれば、場所を変えてみましょう。また外が見えにくくなるように窓にガラスフィルムを張ったり、カーテンを閉めておくのも有効です。
お散歩中にすれ違う人や犬に警戒してしまう場合は、人通りが多い時間帯や場所、また道幅が狭い場所を避けてお散歩コースを選びましょう。お散歩中はリードを持つ飼い主さんの気持が愛犬に伝わりやすいものです。飼い主さん自身もリラックスした気持ちでお散歩できる場所を選んで歩きましょう。
まとめ
犬が警戒心を持ってしまうのは「知らないものだから」「慣れていないから」という理由が多いと思います。人間でも未知の物に対して不安感を持つので一緒ですよね。
愛犬が警戒心を持った時、飼い主さんは落ち着いた気持ちで接して「大丈夫なんだよ」ということを教えてあげましょう。また愛犬が警戒してしまう対象から遠ざけるような工夫と環境を整えることも一緒にやっていきましょう!