老犬の「超危険な症状」に要注意!
一般的に大型犬は5歳頃から小型犬と中型犬は7歳頃から、老犬の仲間入りと言われています。老犬になると見た目の変化だけでなく、体力や免疫力、内臓の機能なども衰えてくるため、若かった頃よりも病気になりやすく症状も悪化しやすいです。処置が遅れると、死に至ることもあります。
愛犬がシニア期に入っている飼い主さんは、愛犬の命に関わる「超危険な症状」を見逃さないように十分注意しなくてはいけません。そこで今回は、老犬が亡くなる「超危険な症状」をご紹介していきたいと思います。
老犬が亡くなる「超危険な症状」は?
1.何度も吐く
犬は吐きやすい動物で、食べ過ぎたときや空腹時に吐くことが多いです。一度吐いただけで、そのあと元気で食欲もあるのなら様子を見ても大丈夫です。
しかし一日に何度も吐く場合は、何らかの病気の症状である可能性があります。急性膵炎や肝不全塞、尿毒症など緊急処置が必要なケースもあるので、早急に動物病院を受診しましょう。
老犬の繰り返しの嘔吐は脱水症状や体力低下を引き起こしやすく、急激に衰弱して命に関わる恐れがあるため特に注意が必要です。
何度も吐こうとするものの吐けずに苦しんでいる場合は、胃拡張胃捻転症候群(胃が膨張してねじれた状態になること)が疑われます。こちらも早急に処置をしないと、死に至る危険があるのですぐに動物病院へ。
2.下痢を繰り返しぐったりしている
犬の下痢の原因は、消化不良や感染症、ストレス、寄生虫、病気などさまざまです。どの原因であっても下痢を繰り返していてぐったりしているときは、脱水症状を起こしている可能性が高いです。すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
体力のない子犬や老犬は、急性の下痢から急激に状態が悪化して命の危険にさらされることがあるので「たかが下痢」と侮ってはいけません。
3.大量の血便
犬の正常な便は薄い茶色や濃い茶色など茶色系統の色をしていますが、便の色が赤かったり、黒いタール状なら血便です。血便は便に血液が混ざった状態のことを言い、消化器官のどこかで出血しているサインです。
大量の鮮血を伴った便をした場合は、直腸や結腸など肛門から近い場所からの大量出血、黒いタール状の便をした場合は、食道や胃、十二指腸など肛門から遠い部分からの大量出血が疑われ、どちらも緊急性が高く命に関わります。
特に子犬や老犬は状態が悪化するスピードが速く急死してしまうこともあるので、様子見をせずにすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
4.おしっこがほんの少ししか出ない/全く出ない
尿路結石や膀胱炎、前立腺肥大などが原因で排尿困難になると、排尿姿勢を取るのにおしっこがほんの少ししか出ない、あるいは全く出ないという症状が出ます。
また老犬に多く見られる慢性腎臓病は、腎機能の低下に伴って多飲多尿の症状が見られますが、末期になると反対に全くおしっこが出なくなります。
おしっこが出ない症状が続くと、体内に毒素が溜まり命に関わります。おしっこがほんの少ししか出ていなかったり全く出ていないことに気づいたら、その時点ですぐに受診しましょう。丸1日おしっこが出ないと危険な状態になります。
まとめ
今回は、老犬が亡くなる「超危険な症状」を4つご紹介しました。ご紹介した症状は犬の年齢に関係なく危険な症状ですが、体力がない老犬にとっては「超危険な症状」と言えます。もしもシニア期の愛犬にご紹介した症状が見られたら「今すぐ病院へ連れて行くべきサイン」と思ってください。
「超危険な症状」はいつ発症するか分かりません。夜間でも迅速に対応できるように、夜間救急動物病院を何件か探しておきましょう。かかりつけ医と夜間救急動物病院の連絡先をスマホに登録しておくと、いざというときにすぐに連絡をすることができます。
嘔吐や下痢、血便の症状があるときは受診する際に、嘔吐物や便を持参するかスマホに撮影したものを獣医師に見せると診察の一助になるでしょう。