1.グルーミングしている
わんこに限らず動物が自分の体をペロペロと舐め回すのは、「セルフグルーミング」と呼ばれる行動の1つです。汚れや体についた異物を舐め取ったり、毛並みを整えたりするための行為で、人間で言えばお風呂に入ったり髪をとかしたりするようなもの。
多くの場合、わんこがお尻を舐めるのはその一環の行動であり、本能的なものなので止めることはできませんし、むしろ止めなくても何の問題もありません。あまり潔癖にならずに見守ってあげましょう。
2.うんちが残っている
セルフグルーミングの一環とも言えなくはないですが、あまりにお尻にこだわって舐め続けている場合や、トイレをした後にやたらと舐めている場合はうんちのキレが悪かったり柔らかかったりして、お尻にうんちが残ってしまっている可能性があります。
特にシニア犬の場合には肛門周辺の筋肉が衰えるため、うんちのキレが悪くなりがちです。
衛生面はもちろん皮膚炎のリスクも
うんちが残ったままになっていると汚いのはもちろんですが、かぶれてしまって皮膚炎を発症してしまうリスクも考えられます。
もし頻繁に気にしているような仕草が見られる場合には、お散歩やトイレでうんちをした後にウエットティッシュなどでお尻を拭いてあげましょう。最初は嫌がるかもしれませんが、おやつやご褒美を活用しながら習慣化してしまえばスッキリします。
3.虫刺されや寄生虫がいる
次に考えられる理由としては虫の影響です。わんこの体は大部分が被毛に覆われていますが、お尻の周りは皮膚が露出している数少ない部分。そこを蚊やダニといった虫に狙われて刺されてしまい、痒みや痛みを感じているのかもしれません。
また体外からの影響だけでなく、体内にいる虫の影響の場合もあります。わんこの腸内に寄生する寄生虫としては条虫(サナダムシ)や回虫などが有名ですが、これらがうんちと一緒に運ばれ、肛門まで達することがあります。
「お尻の穴から糸が出ている?」と思って引き抜いてみたら寄生虫だった、なんてこともあるので要注意です。(ひも状異物の可能性もあります。ひもの場合は無造作に引き抜いてしまうと腸が切れてしまうことがありますので、何かがおしりから出ている場合は引っ張らないで動物病院へ行きましょう。)
虫を見つけたら早急な対処を
虫刺されの場合は、腫れていたり虫が食いついていたりしたら除去してあげましょう。そのままにしておくといじり過ぎてしまい、炎症を起こしてしまったり、アレルギーや感染症を発症する可能性もあります。
また、寄生虫を認めた場合には下痢や体調不良の原因にもなりますので、早急に動物病院を受診して薬の処方など適切な処置を受けましょう。
4.肛門腺が炎症を起こしている
お尻の健康トラブルで多いのが肛門腺にまつわるトラブルです。肛門腺とは肛門の左右にある器官で、マーキングやわんこ同士の挨拶の際に必要な匂いの元となる分泌物を作っています。
トリミングサロンのコースメニューに「肛門腺絞り」が含まれているので、何となく受けているという人も多いでしょう。肛門腺絞りが足りないと分泌物が肛門腺に溜まってしまい、肛門腺がぷっくり膨らんで炎症を起こしてしまいます。
放置していると悪化の可能性も
適切なタイミングで肛門腺絞りを行わずに放置していると、肛門腺の炎症が進行した肛門嚢炎や、肛門嚢が破裂してお尻に穴が空いてしまう肛門嚢破裂に至る恐れがあります。
ここまで悪化してしまうと最悪の場合には、外科手術によって肛門嚢を摘出しなければならない可能性も。愛犬にかなりの負担を課すことになってしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?わんこがお尻を舐める行為自体はそれほど気にすべきものではありませんが、しつこく舐めている場合には何らかの異常が隠されている可能性もあるため注意が必要です。気になる様子があったらお尻を確認してあげるようにしましょう。