愛犬の食物繊維が不足している時のサイン
犬が食物繊維が不足している時に見せるサインにはどのようなものがあるのでしょうか。
1.便秘がちになる
愛犬の食物繊維が不足している時、便秘になることがあります。
犬が不溶性食物繊維を摂ると、便の量が増え、排便しやすくなります。不足している場合、便の量が少なくなり、排便の回数が2日に1回になるなど、毎日は排便されなくなってしまうことがあります。
逆に、犬が不溶性食物繊維を摂り過ぎてしまっている場合では、便が硬くなりやすく、排便に時間がかかったり、自力で排便できなくなったりすることがあります。
犬が水溶性食物繊維を摂ると、便が水分を含みやすくなり、排便しやすくなります。不足している場合、便が硬くなり、排便されにくくなったり、力いっぱい踏ん張らなければ出なかったりすることがあります。
逆に、犬が水溶性食物繊維を摂り過ぎてしまっている場合では、便が緩くなりやすく、排便の回数が増えたり、軟便や下痢をしやすくなったりすることがあります。
2.満腹感を得られにくくなる(肥満の原因になる)
愛犬の食物繊維が不足している時、満腹感を得にくくなることがあります。
食物繊維の不足によって満腹感を得られず、ごはんやおやつのおかわりをおねだりすることがあります。
愛犬の要求に応えて必要以上にごはんやおやつを与え続けていると、確実に肥満にさせてしまいます。
犬用のダイエットフードには食物繊維が多く含まれているのですが、これは、少量のドッグフードでも満腹感を得られやすくすることが主な目的です。
一時的なダイエットが必要だった犬がダイエットフードを食べていた場合、普通のドッグフードに戻した時、食物繊維の摂取量が減ったことで満腹感を得られなくなることがあります。
3.腸内環境が整いにくくなる
愛犬の食物繊維が不足している時、腸内環境が整いにくくなることがあります。
犬が食物繊維を摂取する時、不溶性食物繊維にも水溶性食物繊維にも共通して、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整える、という働きがあります。
どちらの食物繊維が不足してもよくありません。腸内環境を整えるためにはバランスよく摂取する必要があります。
4.血糖値が急上昇しやすくなる(糖尿病の原因になる)
愛犬の食物繊維が不足している時、血糖値が急上昇しやすくなることがあります。
犬が食物繊維を摂取する時、水溶性食物繊維には、血糖値の急上昇を抑えるという働きがあります。消化管で糖質が吸収されるスピードを緩やかにする作用によるものです。
糖尿病などの病気の予防を目的とする場合、糖質が高めのおやつを与える時には、水溶性食物繊維を一緒に与えるのがおすすめです。
犬の1日の食物繊維の摂取量目安
食物繊維は犬にも必要な栄養素ですが、必須栄養素ではありません。基本的には、ドッグフード(総合栄養食)に含まれている食物繊維で十分に摂取できています。
そのため、米国飼料検査官協会では、食物繊維の摂取量基準値を定めていません。食物繊維を多く含んだダイエット用のドッグフードの場合でも、食物繊維の含有量は13%程度です。
「最近ちょっと便秘気味だから食物繊維を与えたいな」という場合には、りんご・ブロッコリー・キャベツ・きゅうり・さつまいもなど、野菜や果物をドッグフードにトッピングして与えるとよいと思います。
便秘が続く時や便の状態に異変を感じた時は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
まとめ
愛犬の食物繊維が不足している時のサインを4つ解説しました。
- 便秘がちになる
- 満腹感を得られにくくなる(肥満の原因になる)
- 腸内環境が整いにくくなる
- 血糖値が急上昇しやすくなる(糖尿病の原因になる)
いつも食べているドッグフードには、犬に必要な食物繊維が十分に含まれています。他に食材から食物繊維を摂取する必要性はほとんどありません。
愛犬の便秘・軟便・下痢・体調不良・肥満・病気の症状などを気にされる場合には、食物繊維の不足ではなく、他の原因があるかもしれないということを考えるべきだと思います。