犬には苦手な「柄」があるって本当?
犬は視覚よりも嗅覚や聴覚が発達しているため、基本的には嗅覚や聴覚を頼りに生活しているといわれています。しかし、もちろん視覚も重要な感覚器官であり、周囲の物事を判断する重要な要素です。
そんな犬たちにとって、実は苦手な「柄」があることをご存知でしょうか。私たち人間も「この柄の洋服が好き」「この柄の洋服はあまり好みじゃない」といった柄の好き嫌いはあります。
しかし、犬たちはある理由によって「この柄は大丈夫!」「この柄はなんだか怖いな…」と好き嫌いを感じることがあるようです。
犬は「ボーダー柄」と「ストライプ柄」が苦手!?
犬は柄の中でも「ボーダー柄」と「ストライプ柄」が苦手だといわれています。これは犬が自然界で培ってきた動物的本能に基づいた考えと、ある研究結果によって判明した結果が影響しています。
1.ある実験で犬の苦手な「柄」検証が行われた
ある実験において、男性と女性がそれぞれ男性は5パターン、女性には3パターンの柄の服を着てもらい、囲いの中に入った22頭の犬たちにゆっくり近づき、8秒間静止するという実験を行いました。
- 1cm幅のボーダー柄の服
- 1cm幅のストライプ柄の服
- 4cm幅のボーダー柄の服
- 幅の太さが異なるストライプ柄の服
- 無地
そして女性には、「1cm幅のボーダー柄の服」「直径1cmの水玉柄の服」、そして「無地の服」を着てもらい、実験を開始してもらいました。
すると男性側の実験では、「1cm幅のボーダー柄の服」に犬たちが最も反応し、警戒するような態度を見せたのです。さらに「1cm幅のストライプ柄の服」と「4cm幅のボーダー柄の服」でもある程度警戒心を見せたといいます。
女性側の実験でも「1cm幅のボーダー柄の服」に強い警戒心を見せ、「直径1cmの水玉柄の服」には反応するものの警戒は見せず、「無地の服」には無反応だったそうです。
この結論から、犬は「ボーダー柄」と「ストライプ柄」、特に「ボーダー柄」に警戒心を抱きやすく苦手意識を持っていることが判明しました。
2.「ボーダー」「ストライプ」は自然界で警告色
では、なぜ犬は「ボーダー」と「ストライプ」の2つの柄に警戒心を抱きやすいのでしょうか。
まず自然界において、「ボーダー(横縞模様)」と「ストライプ(縦縞模様)」はあまり見られない柄です。そのため、本能的に警戒心が働いてしまうという理由が挙げられます。
さらに自然界において、「ボーダー」や「ストライプ」のような柄を持つ生き物には、毒蛇やスカンクなど、自然界で危険とされている生き物が多く挙げられます。そのため、本能的に「逃げろ」「近づくな」という意識が働くのでは、と考えられています。
特に「ボーダー」はストライプ柄よりも自然界で見ることの少ない珍しい柄です。そのため、より犬たちの警戒心が強まりやすいのでしょう。
初対面や慣れていない犬と会う時は苦手な柄を避けて
上記の研究結果により、犬は「ボーダー柄」と「ストライプ柄」に対し、本能的に警戒心や苦手意識を抱きやすいことがわかりました。
したがって、初対面の犬やまだ慣れ親しんでいない犬と会う時は、なるべくボーダー柄の服やストライプ柄の服を避けていくと、余計な警戒心を抱かせずに交流できるのかもしれません。
愛犬であれば、飼い主は安全で信頼できる人であることをすでに理解しているので、そこまで大きなストレスや影響はないと思われます。
まとめ
いかがでしたか。犬は視覚にあまり頼らないと言われることが多いですが、今回紹介したように視覚から情報を得て、警戒心を強く抱くことも多々あります。こうした情報を上手く活用し、より犬たちを仲良く交流できるよう配慮してみましょう。