犬が突然「ギャン」と大声で鳴く理由は?
愛犬の「ギャン」という鳴き声を聞くと、驚いてしまう飼い主さんは多いでしょう。犬は吠え声や鳴き声で自分の気持ちを伝えますが「ギャン」と鳴くときは、一体どんな気持ちを伝えようとしているのでしょうか?犬が突然「ギャン」と大声で鳴く理由をご紹介していきます。
1.驚き
犬は急に体を触られたりして驚いたときに「ギャン」と大声で鳴くことがあります。私達が驚いたときに「うわ!」とか「キャッ!」と声を上げるのと一緒で、反射的に声が出てしまうのです。
聴覚や視覚が衰えてきている老犬は、いきなり体に触られると驚いてしまうことが多いです。声をかけたり視界に入るようにしたりして、こちらの存在に気づかせてから、ゆっくりと近づいて触るようにするといいでしょう。
2.恐怖
恐怖を感じたときにも「ギャン」と鳴くことがあります。このときの「ギャン」には「怖い!」だけでなく「こっちに来ないで!」「嫌だよ!」という気持ちも込められているのかもしれません。
大きな声で「ギャン」と鳴いてから、逃げ出そうとすることもあるでしょう。尻尾を後ろ足の間に挟み込んでいるのなら、かなりの恐怖を感じています。
3.痛み
特別驚くようなことも怖がるようなこともなさそうな場面で、犬が突然「ギャン」と鳴くのは、痛みが原因かもしれません。
例えば人に尻尾や足先を踏まれたり、犬同士で遊んでいて相手の噛む力が強かったりした時などに「ギャン」と鳴いて「痛い!」と伝えます。「ギャン」と鳴いたあとにケロッとして動き回っているのなら、心配ないことが多いです。
しかし念のため外傷や腫れなどはないか、触って嫌がったり痛がったりする箇所はないかなど、愛犬をよくチェックしましょう。
注意が必要なのは「ギャン」と大声で鳴いたあとにうずくまったり、「ギャン」と鳴くのが頻回だったりするときです。強い痛みを感じていたり、痛みを伴う体の不調を訴えていたりする可能性があります。愛犬を触りながら全身をチェックして、動物病院を受診しましょう。
痛みを伴う体の不調はケガだけでなく、病気が原因であることもあります。どのような病気が考えられるかは後述で詳しくご紹介します。
犬が「ギャン」と鳴くときに考えられる病気は?
犬が「ギャン」と鳴くときに考えられる病気を2つご紹介します。
1.椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板が飛び出して、脊髄を圧迫する病気です。遺伝が主な原因のハンセンⅠ型と加齢が原因のハンセンⅡ型があり、犬に多いのはハンセンⅠ型です。
ハンセンⅠ型の好発犬種は、ミニチュアダックスフンド、ウェルシュコーギーペンブローク、シーズー、ビーグル、トイプードル、ペキニーズなどです。
椎間板ヘルニアになると、痛みや足の麻痺、排尿障害といった症状が出ます。痛みのせいで、抱っこしたときに「キャン」または「ギャン」と鳴いたり、段差の昇降を嫌がったり、背中を丸めて歩いたりします。あまりにも痛みがひどいときには唸ったり、噛んできたりしますので注意してください。
2.膵炎
膵炎は膵臓が炎症を起こす病気で、嘔吐や下痢、食欲不振、腹痛などの症状が見られます。膵炎を発症する原因ははっきりとは分かっていませんが、高脂血症やホルモンの病気、脂肪の多い食事、ストレスなどが発症リスクを上げる要因とされています。
急性膵炎と慢性膵炎があり、犬に多く見られるのは急性膵炎です。急性膵炎は強い腹痛を伴うため、抱っこをしたりお腹を触ったりすると「ギャン」と鳴くことがあります。
また上半身を伏せて前足を伸ばし、お尻を高く上げる「お祈りのポーズ」をすることもあります。犬がお祈りのポーズをするのは、強い腹痛があるサインです。
まとめ
今回は、犬が突然「ギャン」と大声で鳴く理由を3つご紹介しました。犬が「ギャン」と鳴くときは、痛みを伴う体の不調を訴えていることもあるので見過ごさないようにしましょう。
犬の「ギャン」という鳴き声は、いわば犬の悲鳴です。愛犬が驚きや恐怖の悲鳴を上げないように、日頃から行動に気をつけたり、環境を整えたりしてあげたいですね。