犬が寝たきりになってしまう病気
では、犬が寝たきりになってしまう病気にはどのようなものがあるのでしょうか。
1.関節炎
犬が寝たきりになってしまう病気には、関節炎があります。
関節炎の主な原因は、肥満・老化・過度な運動によって、関節に炎症・腫れ・痛みが起こることです。
初期症状では、以下のような様子が見られることがあります。
- 散歩中の歩くスピードが遅くなる
- 寝ている時間が増える
- 起き上がりや立ち上がりがつらそう
- 手足に触れられることを嫌がる
これらは関節炎だけの特徴的な症状ではないため、飼い主が気づけないこともよくあります。そしてその「気づけなかった」ために犬の関節炎が悪化してしまい、寝たきりの状態を引き起こす場合もあります。
予防策は、関節炎の原因を作らないことです。過度な運動をさせること、おやつの与えすぎで肥満にさせることは絶対にNGです。
なお、老化によって関節に炎症が起こることは老化現象であると言えます。愛犬が中高齢になった時、関節の健康診断を受けることで、さらなる悪化と寝たきりを防ぐ予防策につなげることができます。
また、適度なお散歩を続けて筋肉量を維持することで、関節の健康を守ることに役立てることができます。
2.癌(ガン)
犬が寝たきりになってしまう病気には、癌があります。
犬に発症しやすい癌は以下の通り様々な種類があります。
- 乳腺腫瘍
- 肥満細胞腫
- 悪性リンパ腫
- 骨肉腫
- 脳腫瘍
- メラノーマ(悪性黒色腫)
- 扁平上皮癌
- 腺癌
- 肛門周囲腺腫
中でも、乳腺腫瘍は犬の癌の5割を占め、高齢のメス犬がかかりやすいとされています。
犬が癌によって寝たきりになるのは、末期を迎えた時です。その原因は様々で、ストレス・ホルモン・遺伝・ウイルス・科学物質などを挙げることができます。犬の癌も人の癌も、原因は基本的に同じと考えてよいと思います。
予防策ですが、まずは癌の原因になる可能性のある環境を作らないということです。
犬の癌の5割を占める乳腺腫瘍では、乳頭付近にしこりができます。しこりの有無を定期的に確認することが予防策になるでしょう。稀ではありますが、オスにも発症することがあります。
3.心臓病
犬が寝たきりになってしまう病気には、心臓病があります。
ペット保険を取り扱う会社が行った調査では、犬の死因の5割以上が癌であり、続くのが心臓病です。2割ほどを占めています。
犬に最も多い心臓病は「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)」です。
僧帽弁閉鎖不全症を発症した後も治療を受けながら元気に暮らす犬もいますが、合併症である心原性肺水腫を引き起こした場合、寝たきりになったり、命を落としたりすることがあります。犬が僧帽弁閉鎖不全症になる原因は明らかにされていません。そのため、予防策を考えることも難しいです。
僧帽弁閉鎖不全症による寝たきりを防ぐための方法は、悪化させないこと、合併症である肺水腫にならないようにすることです。
一般的な血液検査では、心臓病を発見することは難しいです。我が家の愛犬には心不全の症状がありますが、レントゲン検査を受けていなければ発見されなかった心臓病です。
日頃、どのような健康診断を受けていますか。年1回の血液検査がほとんどかと思います。愛犬が中高齢になった時は、より精密な検査を受けることをおすすめしたいです。
愛犬がどのような病気を発症しやすい犬種なのか、事前に知っておくようにしましょう。健康診断を受けやすくなります。
まとめ
犬が寝たきりになってしまう病気を3つ解説しました。
- 関節炎
- 癌
- 心臓病
愛犬が寝たきりになった時、床ずれ防止のために数時間おきに寝返りを打たせること、お漏らしをする前に排泄をさせることが、とくに大変だったと感じました。
老犬だったため仕方のないことだったのですが、病気が原因で寝たきりになってしまうことは、もっと大変なんだろうと思います。
病気による寝たきりは、病気の種類によっては予防できないことではありません。初期段階で発見されれば、悪化を防ぐことができる可能性は高いと言えるでしょう。