犬が病気の時の舌の状態
愛犬の舌の状態を毎日のボディチェックで確認できていますでしょうか。体調の悪さが、舌の色やニオイにあらわれていることがありますので注意が必要です。
1.舌が赤く腫れあがる
犬の舌が赤く腫れあがるのは、「舌炎(ぜつえん)」の症状である可能性を考えることができます。
舌炎を発症した犬のうち、大型犬と小型犬を比べた時、『小型犬の方が発症する割合が高い』という報告があるようです。
歯周病が原因で発症することがよくあり、大型犬よりも小型犬の方が歯が小さく、歯石が付着しやすいことなどが関係しているのではないかと思われます。
舌炎の原因は様々で、治療を始めるためには、原因を探るための検査を受ける必要があります。血液検査では、糖尿病や肝疾患などの病気による二次的な舌炎の発症である可能性を探ることができます。
ほとんどの犬の場合で歯周病が深く関係しており、舌炎と合わせて歯周病の治療が必要になることがよくあります。歯石の除去や抜歯など、全身麻酔を使用した治療が必要になる場合もあるでしょう。
舌炎を予防するためには、毎日の口腔内ケアが欠かせません。愛犬にも毎日の歯磨きを習慣化しましょう。
2.舌の色が赤紫や青白くなる
犬の舌の色が赤紫や青白くなるのは、「チアノーゼ」の症状である可能性を考えることができます。
血液中の酸素が不足している状態を示しており、興奮しすぎた時、体温が著しく低下した時、心身的なショックを受けた時、恐怖心を感じている時などに起こることがあります。
我が家の愛犬の場合では、食事の時の大興奮し、一時的にチアノーゼを起こし、舌が赤紫になることがあります。落ち着きを取り戻せば、すぐに舌の色は正常に戻ります。
同じような状況では、病院が怖くて興奮している時や爪切りが大嫌いで嫌がっている時などに起こることがあります。
心臓病や呼吸器の異常、熱中症や誤飲誤食など、他の病気やトラブルが原因でチアノーゼを起こすこともあります。愛犬の舌の色が長期的に赤紫や青白くなっている時は、すぐに病院へ行くことをおすすめします。
3.舌の色が白くなる
犬の舌の色が白くなるのは、「低血糖」の症状である可能性を考えることができます。
栄養が不足している子犬や糖尿病の治療中の成犬に起こる可能性のある低血糖ですが、膵臓に腫瘍があること、ホルモンの病気であること、肝臓の機能が低下していることなどからも低血糖になることがあります。
子犬の場合は長引く下痢が原因で低血糖を起こすこともありますので、下痢を起こした場合は早めに動物病院を受診してください。
低血糖の治療にはブドウ糖の投与が用いられることがよくあります。よく低血糖を起こす犬の場合では、食事の回数を増やすという方法もおすすめできます。
4.口臭がひどくなる、舌に赤や白の腫れがある
犬の口臭がひどくなり、舌に赤や白の腫れがある時、「口腔内腫瘍」という病気の症状である可能性を考えることができます。
口腔内腫瘍は、犬の口の中のどこに発症するか分かりません。口腔内に発症すると言われている悪性の腫瘍には、「メラノーマ」「扁平上皮癌」などがあります。
腫瘍が良性なのか悪性なのか、しっかり検査を受けなければなりません。犬の口の中は独特なニオイがしますが、あまりにも口臭がひどい場合、すぐに病院で口腔内の診察を受けることをおすすめします。
まとめ
犬が病気の時の舌の状態を4つ解説しました。
- 舌が赤く腫れあがる
- 舌の色が赤紫や青白くなる
- 舌の色が白くなる
- 口臭がひどくなる、舌に赤や白の腫れがある
愛犬の舌の異常や病気の有無を確認するためには、普段の健康状態が良好な時の愛犬の舌の色や状態を知っておかなければなりません。
犬の舌の色は、1日の間でも様々な色に変化します。愛犬の舌の色はどんな時にどんな色に変化するのか、日頃からよくチェックしておくとよいと思います。