飼い主の接し方が犬の性格を変えてしまうことも
犬の性格は、先天的な要因と後天的な要因によって形成されます。先天的な要因とは犬種や親犬からの遺伝、性別などです。後天的な要因とは育った環境のことで、飼い主さんの育て方や接し方、子犬の頃からの経験などが含まれます。
犬の性格形成に与える飼い主さんの影響は大きいのです。そして飼い主さんが間違った接し方、つまりNG行為をしてしまうと、犬の性格を変えてしまう可能性があります。
愛犬の好ましい性格が好ましくない性格になってしまうことがないように、NG行為には十分気をつけたいものです。そこで今回は、犬の性格を変えてしまう「飼い主のNG行為」をご紹介します。
犬の性格を変えてしまう「飼い主のNG行為」は?
1.社会化を怠る
犬の生後3〜12週齢頃までを社会化期と言います。社会化期の子犬は恐怖心よりも好奇心が勝り、さまざまな刺激に慣れやすいため、この時期にさまざまな経験を積むことが大切です。
他人や他犬、生活音、外の刺激など、さまざまな刺激に慣れさせ、順応させることを社会化と言います。社会化期にきちんと社会化を行うことは非常に重要で、犬の性格に大きく影響します。
社会化期にきちんと社会化された犬は、刺激に対して過剰な反応をせずに落ち着いた性格になれる可能性が高いです。反対に社会化が不十分な犬は、少しの刺激にも反応して吠えるなど、臆病な性格になってしまう可能性が高いです。
社会化は、一生継続して行っていく必要があると言われています。社会化期後も、新たな刺激に遭遇する機会はたくさんあるからです。飼い主さんは、愛犬の社会化期はもちろん、それが過ぎてからも社会化を怠らないようにしましょう。これを怠ってしまうと、愛犬の性格が変わってしまうかもしれません。
2.甘やかしすぎる
「しつけをするのはかわいそう」としつけをしない、愛犬のおねだりを聞いてばかりいるなど、愛犬を甘やかしすぎるとわがままな性格になってしまうといいます。わがままになった犬は自分の思い通りにならない時、噛みついてでも言うことを聞かせようとする攻撃的な性格になってしまう可能性があります。
愛犬を可愛がるのは大事なことですが、メリハリが必要です。きちんとしつけを行い、おねだりには応じないようにしましょう。愛犬が吠えたり飛びついたりしておねだりをしてきたときは、無視をして応じないというのが基本です。
3.体罰を与える
体罰は絶対にNGです。愛犬が言うことを聞かないからといって、叩いたり蹴ったりしてはいけません。犬は叩かれたり蹴られたりしても、どうしてそうされているのか理解できないため、ただ恐怖と痛みを感じるだけです。
そして恐怖心から萎縮してしまったり、自分の身を守ろうとして攻撃的になってしまったりすることがあります。飼い主さんの体罰によって、穏やかだった愛犬の性格が変わってしまう可能性があるのです。
犬のしつけに体罰は全く必要ありません。たった1回の体罰が信頼関係を壊してしまうこともあるので、絶対にやめましょう。
4.ほめずに叱ってばかりいる
愛犬のいいところよりも悪いところに目がいってしまって、叱ってばかりになっていませんか?あまりほめられずに叱られてばかりいると、犬は自信をなくしてしまいます。そして、卑屈な性格や消極的な性格になってしまうことがあります。
叱ることよりもほめることを意識して、愛犬をたくさんほめるようにしましょう。指示に従えたとき、落ち着いて過ごせているとき、玄関のチャイムに吠えなかったとき、トイレで排泄できたときなど、ほめるチャンスを逃さないようにしてください。
時間が経ってからほめられても犬は混乱してしまうので、その場ですぐにほめることがポイントです。叱られるよりもほめられることが多いと自信がつき、意欲的な性格になれるでしょう。
まとめ
今回は犬の性格を変えてしまう「飼い主のNG行為」を4つご紹介しました。飼い主さんが愛犬の性格形成に与える影響は大きく、接し方によっては愛犬の性格を変えてしまうこともあります。
ご紹介したNG行為をしてしまうと、穏やかで落ち着いた性格だった愛犬が臆病な性格や攻撃的な性格になってしまう可能性があるので注意が必要です。
性格を形成する先天的な要因は変えることはできませんが、後天的な要因は飼い主さん次第と言えます。そのことをしっかりと心に留めて、愛犬に適切な接し方をするようにしましょう。