米国フロリダ州で提出された、犬が車窓から顔を出すことを禁止する法案

米国フロリダ州で提出された、犬が車窓から顔を出すことを禁止する法案

アメリカのフロリダ州で動物福祉法改正の法案が提出され、犬を自動車に乗せる際の規制が話題を呼んでいます。

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フロリダで議論になっている動物福祉法改正案

ミラーに映った顔を出す犬

動物福祉に関する法律の改正は世界のさまざまな地域で行われています。この度、アメリカのフロリダ州で提出された動物福祉法の改正案が大きな話題を呼び議論となっています。

テレビなどのメディアが取り上げて話題を呼んでいるのは、犬が移動中の車の窓から頭を出すことを禁止するという部分です。他にもいくつかの項目が挙げられており、その内容をご紹介していきます。皆さんはどう思われるでしょうか?

犬を自動車に乗せる際の規制案

クレートに入ったホワイトシェパード

この法案では、犬を自動車に乗せて移動する際の規制がいくつか提案されています。そのひとつが先にも挙げた「人が公道で自動車を運転している間、犬が自動車の窓の外に頭やその他の体の一部を出すことを禁止する」というものです。違反者には交通違反切符が切られることになります。

他には、運転中に犬を膝の上に乗せることの禁止、車のステップ、フェンダー、ルーフ、トランクを使って犬を運ぶことの禁止という項目があります。

ステップやフェンダーを使って犬を運ぶというのは、これらの部分に取り付ける犬用ケージが販売されているので、それを指すのだと思われます。

上記のような行為を規制すると同時に、犬を自動車に乗せて移動する際には適切なサイズのクレートかペット専用シートベルトを使用して、車内での犬の動きをコントロールすることを求めた項目も設けられています。

動物を守るための法案が議論になっている理由とは?

ギャベルを前にして座った犬

この法案ではさらに、猫の抜爪手術の禁止(家具などを傷つけないよう指の爪がある部分から先を切除する手術。治療目的以外で手術を行なった獣医師の資格剥奪や罰金が提案されている。)、化粧品のための動物実験禁止、監督なしで犬をつないでおくことの禁止が含まれています。

また、アメリカでは性犯罪で有罪判決を受けた人物のデータが公開されていますが、それと同じように動物虐待で有罪判決を受けた人物の登録データを公開することも法案に含まれています。

登録された人物は裁判所が許可しない限り、動物を所有したり動物に関わる仕事に就けないと定められています。

どれも動物の福祉を守るために必要なことのように思えるのですが、車の窓から犬が顔を出すことを禁止するという項目に不満の声が寄せられました。

不満の声には「犬だって車内で楽しむ権利がある」「犬が車から顔を出すことよりも、経済などもっと重大な問題がある」などがありました。

アメリカ獣医師協会はこの法案の「車窓顔出し禁止」の部分について歓迎する意思を示しています。犬が窓から頭を出すことは車内で適切に拘束されていないことを意味し、窓から落ちたり事故の際に投げ出されるリスクを高めることになります。また風や砂粒などで目や耳を傷つけることにもつながるからです。

まとめ

車窓から顔を出している犬

アメリカのフロリダ州で提出された動物福祉法の改正案についてご紹介しました。この法案はまだ提出されたばかりで、法律として成立するには議会を通過して州知事の署名を受けることが必要ですので、今後の動向が注目されます。

自動車の窓から頭を出している犬の姿はたしかに可愛らしく見えますが、大きなリスクをはらんでいることを飼い主は知っておく必要があります。

犬の安全は言うまでもなく、犬が車内で自由に動き回れることで、運転者の注意がそがれて大きな事故につながる可能性もあります。それは車内の人間だけでなく、走行している他の自動車の中の人、通行者をもリスクに晒すことになります。

外国の法案のことですが、多くの飼い主さんが人と犬の安全を考えるきっかけになればと思います。

《参考URL》
https://www.cnn.com/2023/02/25/us/florida-bill-dog-car-window-trnd/index.html

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