犬が人の手を怖がってしまう「ハンドシャイ」のサイン
「ハンドシャイ」とは、『犬が人の手を怖がる状態』のことを指します。実際、怖がっているわけではないけれど苦手な様子の犬もいます。
犬の手を怖がる犬には、日常生活の様々な場面で支障が出てしまうことがあります。普段は何事もないけれど、こんな時に困ったな…という経験を持つ飼い主もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、ハンドシャイである犬が手を怖がっている時に出しているサインを見逃してしまうこともよくあります。人の手に怯えながら暮らすのは、犬にとって苦痛ですし、寂しいことだと思います。
ハンドシャイの犬がどのようなサインを出すのかを知ることで、もし愛犬がハンドシャイであるならば、少しずつ克服するためのサポートをしてあげてほしいです。
1.頭を下げる
触れようとする手を避けるようにして犬が頭を下げるのは、ハンドシャイのサインです。
人の手に触れられることに恐怖心があるのでしょう。乱暴に撫でられたことがあったり、頭を叩かれたことがあったりしたことで、人の手は怖いものだと感じてしまったのだと思います。
それを克服する方法は、飼い主や家族以外の複数の人に優しく触れてもらうことです。人の手に撫でられることに幸せを感じてもらえるよう、身近な人に協力してもらうとよいです。
身近な人の手に触れられることに慣れてきたら、他人の手にも優しく触れてもらうという経験をさせてみましょう。犬が喜ぶ撫で方を知っている、犬の飼い主が適任だと思います。
2.甲高い声で鳴く
犬の手が近づいただけで甲高い声で鳴くのは、ハンドシャイのサインです。
「やめて~!」という恐怖心が込められた声で鳴きます。その鳴き声は悲鳴のようにも聞こえるかもしれません。傍から見れば、虐待を受けているのでは?と思えてしまうほどです。
まだ触れてもいないのに、ただ人の手が近づいただけなのに、恐怖心から鳴いてしまうのは、痛い思いをしたことがあるからです。
よくあるのは、注射を打とうとしている獣医師が近づいただけで鳴いてしまうということです。注射って痛いですよね。病気の予防のためだよ、と言われたところで犬には理解できません。
過去に暴力を受けていた保護犬の中にも、人の手を怖がって甲高い声で鳴いてしまう犬がいます。克服することが最も難しいケースだと思います。
克服するための方法としては、「おやつ作戦」をぜひ試してみてほしいです。『人の手は痛みを与えるものではなく、大好きなおやつをくれる手だ』と覚えてもらう方法です。
初めは食べてくれない犬もいると思います。手を咬まれてしまわないよう注意しつつ、根気強く続けることが大事です。
3.しっぽが下がる
撫でられている時に少しずつしっぽが下がるのは、ハンドシャイのサインです。
撫でられている時の犬のしっぽは、嬉しそうに大きく振られているイメージですよね。人の手を怖がる犬は、撫でられても嬉しいと感じません。怖いという気持ちがしっぽに表れてしまうんです。
しっぽの下がり具合では、どれくらい怖いと感じているのか、ということを知ることもできます。やや下がり気味のしっぽと、足の間に巻き込まれたしっぽとでは、どちらの方が怖がっているか…分かりますよね?
克服するためには、人の手に撫でられることの喜びを知ってもらうことが必要だと思います。最も大事なことは「犬を信じる」ということです。
犬に触れる人が、不安・緊張・恐怖といった気持ちである時は、その気持ちが犬にも伝わります。(咬まれたらどうしよう…)と思う時は、犬に触れないようにしましょう。
まとめ
犬が人の手を怖がってしまうハンドシャイのサインを3つ解説しました。
- 頭を下げる
- 甲高い声で鳴く
- しっぽが下がる
余談ではありますが、幼い子供がハンドシャイな犬と触れ合うことは、非常に難易度が高いです。幼い子供は力加減を知りません。撫でたつもりが叩いてしまうことがあります。どんな行動をするか、大人にも予測することが難しいです。
愛犬がハンドシャイである時、幼い子供との触れ合いは控えた方がよいでしょう。犬に不慣れな大人が触れ合うことも難易度が高いと思います。
子供が犬を触りたいと言った時、飼い主に断られてしまうことがあるかもしれません。ほとんどの場合、何等かの事情を抱えています。残念に思ったり、悪く思ったりしなくて大丈夫です。