シニア犬になると見られる体の変化
まずは、7歳以上のシニア犬になると、以下のような体の変化が見られるようになります。
- 目が白く濁る
- 口の中のトラブル
- 肥満
- 毛のつやが減る
- 筋肉が衰える
- 耳の聞こえがよくない など
口臭や以前より疲れが見られるなど、体の変化は少しづつ出てきます。元気そうに見える愛犬のちょっとしたサインはいち早く気づきたいですね。
では、そのようにシニア世代に突入した犬の健康維持のためには、どのような栄養素に注意した食事を心がけるべきでしょうか。
1.タンパク質
犬も年齢と共に筋肉に衰えが生じます。犬が7歳以上になったら、筋肉の元になるタンパク質をしっかり接種するようにしましょう。
食事量が減っていくシニア犬には、できるだけ良質なタンパク質を選んであげることが大切です。アミノ酸が豊富な動物性タンパク質の肉や魚、あるいは植物性タンパク質の納豆や豆腐などを適切な量と与え方で取り入れてみてください。
2.ビタミン
犬もシニア期に入ると疲れが出やすく、「以前より元気がない」と感じてしまう瞬間が増えてきます。7歳以上の犬が積極的に摂りたいのが、ビタミン豊富な食事です。
βカロチンや食物繊維が豊富なニンジンやカボチャなどの緑黄色野菜、葉酸が摂取できるほうれん草、ビタミンAが豊富な鶏レバーや豚肉や鶏卵、ビタミンCが含まれるブロッコリーやイチゴなどをおすすめします。
血や骨さらに皮膚や被毛など、体の内部から健康維持につながる食事がとても大切になってきます。うまく摂取できない場合は、サプリメントの利用も取り入れてみてください。
3.必須脂肪酸
必須脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。7歳以上のシニア犬には、後者の不飽和脂肪酸を積極的に摂取して欲しいです。
その理由は、不飽和脂肪酸は食事からしか摂取できない栄養であること、肥満予防やアレルギー症状を緩和するから、さらに神経や心臓や皮膚によいからです。
オメガと呼ばれる不飽和脂肪酸の代表的なものとして、オメガ9脂肪酸にオリーブオイル、オメガ6脂肪酸にひまわり油、オメガ3脂肪酸にアマニ油があります。適切な量を与えて、犬の健康維持につなげていきましょう。
4.ミネラル
犬が7歳以上になると、歯や関節などの衰えが気になってきますよね。そこで摂取したいのが、ビタミンと並ぶ五大栄養素のひとつである「ミネラル」です。
ミネラルには、カルシウム・リン・マグネシウム・ナトリウム・カリウムの主要ミネラル5種と、鉄・亜鉛・銅・マンガン・セレン・ヨウ素の微量ミネラル6種の合計11種類があります。
ここで重要となるのがバランスよく与えることです。とくに食べられる量が減ってきているシニア犬は、豊富なミネラルを含む食事を心がけたいですね。全てのミネラル類を食材だけで摂取していくのは大変なので、必要に応じてサプリメントなどを利用してみてください。
5.炭水化物
炭水化物は脂質・タンパク質と並ぶ三大栄養素のひとつで、犬の食事に欠かせません。ブドウ糖として分類される炭水化物は、体を動かすためのエネルギーになります。
肥満の元とされやすい炭水化物ですが、炭水化物には食物繊維も含まれており消化にも役立ちます。適切な量を与えることで、犬の健康維持につながります。
シニア犬に食事を与える時の注意点
犬も年齢とともに、食べ方やスピードあるいは量に変化が出てきます。もし、愛犬が食べる姿に違和感を感じる時は、それをひとつのサインとして、次のような与え方に変えてみてください。
- 食べやすいサイズにする
- 硬さに気を付ける
- 水分をしっかり取らせる
- タンパク質の量を年齢に合わせた量にする
- 塩分を抑える
7歳以上のシニア犬になると、噛む力や飲み込む力が衰えてきます。年齢とともに水分量を増やした食事に変えていき、床にかがむのがつらそうな様子であれば台の上に食器を置くなど工夫をしてあげましょう。
今ドライフードを利用しているのであれば、水やスープなどでふやかすだけでも食べやすくなります。犬の体重や持病などに適した食事を考えるのは難しいので、お悩みであれば獣医師に1度相談してみるといいですね。
新しい食材を加えるときには、少しずつ増やしていくことをお勧めします。アレルギーを起こしてしまい、痒みや嘔吐下痢の原因になる可能性があります。心配な場合は、獣医師に確認してください。
まとめ
犬も加齢に伴い、食事内容や趣向が変わっていきます。愛犬が7歳以上のシニア犬になったら、体に優しい食事内容に変えていきましょう。
愛犬の健康と長生きを願って、美味しくて栄養たっぷりの食事をぜひ心がけてみてください!