「しつけが簡単な犬種」とは
「犬のしつけが簡単」と言われている犬種として代表的なのが「プードル」です。
「毛が抜けない、頭がいい犬種なので初心者にもおすすめ!」と言われていますが、犬のしつけとそれとは関係ありません。
もし「頭がいいからしつけが簡単」なのであれば、プードルを抜いて高いIQを誇る犬種のボーダーコリーはどうでしょうか。「頭がいい=しつけが簡単」が正論なのであれば、ボーダーコリーのしつけで困っている飼い主さんが多い傾向にはならないはずです。
つまり、犬の頭がいいからしつけがしやすいのではなく、「犬のしつけが簡単な犬種」というものがそもそも存在するわけでもないのです。
「犬のしつけ」を人間の都合で判断すべきではない
そもそも『犬のしつけができているかどうか』という判断基準は、その犬が人間にとって困った行動をしているかどうかでしかありません。
例えば、「吠える」という行動も、Aさんにとっては「元気な証拠!犬は吠えるのが仕事だから問題ない」といえばそれは問題にはならず、しつけができていない犬とはなりません。
しかし、Bさんにとって「吠える」という行動は「うるさい、迷惑だ」となればそれは困った問題となる行動であり、吠える犬はしつけができていない犬として認定されます。
このように、一般的に言われている犬のしつけとはあくまでも人間の都合を基準にした判断でしかなく、その環境によってどちらにもジャッジされてしまうのです。そのため、犬のしつけとして教えるべきものは何かを考えることには意味がありません。
ただし、人間社会で共に生活をする以上、問題となりうる行動というのはできれば減らしていきたいですよね。
また、犬自身が困っているために、あえて人間から問題と判断されてしまうような行動を選択することで、今の環境を変えようとしている可能性も十分にあります。そのような場合には、犬の環境の不備をすみやかに見つけて対策し、またその犬の社会化を十分にすることをおすすめします。
しつけが簡単な犬種なんて存在しない
冒頭でお話しましたが、そもそも犬のしつけが簡単な犬種というのは存在しません。
なぜなら、それはその犬種が頭が特別いいかどうかとは関係なく、人間がどのような環境を提供し、どのような接し方や関わり方をしているかによって大きく変化するからです。
それでも「この犬種は頭が良くてしつけがしやすく飼いやすい!」と言われているのは、ただのラベリングであり、それを言うことで需要が高まるからに過ぎないと思います。
ただし、実際にIQが高いと考えられる犬種というのは存在します。
ですがそれは、あくまでもその犬に対して適切に接することができた場合。どんなにIQQが高い犬種であっても、人間が間違った接し方をすれば非常に大きな問題に発展しやすいことを忘れてはなりません。
頭がいい犬だからしつけがしやすいのではなく、どんな犬でも提供する環境と接し方を意識する必要があることを覚えておきましょう。
まとめ
犬のしつけが簡単な犬種というものは存在しませんが、IQが特別高いと考えられる犬種は存在します。
それをしつけが簡単な犬種と勘違いしてしまうと、トラブルのもとになってしまいかねません。さらには、最悪の場合その犬を迎えたことを後悔してしまう可能性だってあります。
そうなってしまわないように、まずは「犬のしつけ」の在り方について、一度ぜひじっくり考えることをおすすめします。犬をどうにかコントロールしようとするのではなく、犬の暮らしやすい環境を整えることで、自然と問題を起こす必要がなくなるようにアプローチしてあげてほしいです。