1.最長寿犬の記録を塗り替えた ボビ
世界最高齢の犬の記録が更新され話題をさらっています。この記録が認定されるほんの数週間前に、アメリカのチワワミックスのスパイクが23歳で世界最高齢としてギネス世界記録に認定されたのですが、この記録が塗り替えられました。
新しい最長寿犬の年齢はなんと30歳と266日齢。ポルトガルに住むラフェイロ・ド・アレンティジョという犬種でボビという名の犬です。これまで世界最高齢の記録は1910年に生まれた、オーストラリアンキャトルドッグのブルーイーで29歳5ヵ月でした。
ラフェイロ・ド・アレンティジョはポルトガルのとても古い犬種で、マスティフ系の牧畜犬として飼育されて来ました。
ハーディングをするだけでなく、家畜泥棒やオオカミから牛や羊を護るという役割を担っており、家畜の放牧が少なくなった現代では警備犬として飼育される例が増えています。
マスティフ系ということからもわかるようにボビは大型犬です。それだけに30歳という年齢はさらに驚異的な数字であることがわかります。
2.ボビののんびりした生活
ボビはポルトガルのコンケイロスという村で生まれ育って来ました。ボビが生まれた時、飼い主のコスタさんは8歳でした。ボビの兄弟たちはコスタさんの父に捨てられてしまったのですが、ボビは小屋の丸太の影に潜んでいたそうです。コスタさんと兄弟はボビを隠して目が開くまで秘密にしておくことに成功しました。ボビは犬生の最初から運の強い犬だったようです。
コスタさんはチワワミックスのスパイクのニュースを聞いた後に、ボビの公式記録とともにギネス世界記録に問い合わせ申請を行いました。その後世界中のメディアから取材を受けて、長寿の秘訣について質問されています。
コスタさんは「味付けしていない人間の食べ物を与えていること、ボビが育った静かな田園地帯をいつも自由に歩き回っていること」をあげています。そしてもちろん、ボビの生涯を通じて注いでいる愛情も。
こちらはギネスが取材したボビののんびりした生活の動画です。
https://youtu.be/SIwcB56x2ek
3.長寿家系のボビ
ボビが本当に30歳を超えていることは、ポルトガル政府認可の獣医師連合ペットデータベースの公式記録によって確認されています。
ラフェイロ・ド・アレンティジョの平均的な寿命は12〜14歳です。ボビはその2倍以上の年月を生きています。コスタさんによると、ボビは長寿の家系だということです。母犬は18歳まで生き、ボビの親戚には22歳まで生きた犬もいたそうです。
カリフォルニア大学デイビス校の獣医師はボビについての取材を受け、「これは本当にあり得ないようなすごいことです」と述べています。
多くの飼い主さんが「どうしたら愛犬をできるだけ長生きさせてあげられるの?」と尋ねるそうですが、生き物の寿命は非常に多くの要素によって左右されるので、簡単に答えることはできないとしています。
過去の長寿犬の学術研究では長寿に関連する遺伝子について言及されているので、ボビのような犬は遺伝子レベルでラッキーなのだと言えそうです。そしてボビと同じくらいラッキーなのは、こんなにも長い間愛犬と一緒に過ごすことができる飼い主さんですね。
まとめ
30歳という年齢で史上世界最高齢の記録を更新したポルトガルのラフェイロ・ド・アレンティジョのボビをご紹介しました。
のんびりあるくボビのビデオを観ていると、口元がほころぶのに少し泣きそうになります。できる限り元気で長く生きてほしいと心から思います。
《参考URL》
https://www.guinnessworldrecords.com/news/2023/2/oldest-dog-ever-record-broken-by-30-year-old-bobi-from-portugal-736224
https://www.reuters.com/world/europe/take-bow-wow-meet-bobi-worlds-oldest-dog-record-2023-02-04/