犬が強いニオイに惹かれる理由
愛犬を見ていると、お散歩中であろうと家の中であろうと「なんでそんなもののニオイが好きなの?」と思うほど、クンクンと強いニオイを嗅ぎ続けていることはありませんか?
犬が私たち人間にとって「クサイ」「汚い」と感じる強いニオイに惹かれる理由は、有機物にあります。
犬は基本的に有機物のニオイを好む生き物です。有機物とはタンパク質や糖質、核酸、脂質など動植物体を構成している物質のこと。具体的には肉や血液、またそれらの腐敗臭のニオイを好みます。
肉や血液に含まれる有機物は、生きている動物のニオイのもとでもあります。犬にとって有機物は獲物のニオイになるのです。決して「クサイから好き」と感じているわけではなく、獲物のニオイである有機物のニオイに反応しているのです。
犬が大好きな「クサイものランキング」トップ4!
1.汗のニオイ
犬は人がかく汗のニオイが大好き。汗は有機物のニオイが非常に強く感じられるものになります。
もともと好きな汗のニオイが飼い主さんのものであれば尚更大好き!飼い主さんの足のニオイを嗅ぐのが好きだったり、使用済みの靴下がお気に入りな理由も有機物のニオイが関係しているようです。
2.ゴミ箱
愛犬がゴミ箱の周りをクンクン嗅いでいることはありませんか?ゴミ箱も犬が好きなクサイもののひとつ。
生ごみが入っているゴミ箱であれば、その腐敗臭は特に魅力的に感じているはず。誤飲や誤食を防ぐためにもゴミ箱周りは綺麗にお掃除しておきましょうね。
3.排泄物
犬は他の動物や自分自身のウンチやオシッコのニオイも好みます。犬には排泄物が「汚いもの」とう概念はもちろんありません。
お散歩中に運悪く他の犬のウンチを見つけてしまうと、積極的に嗅ぎに行ってしまうので注意しましょう。ウンチは有機物のニオイに誘われ、オシッコは強いアンモニア臭に惹かれているようです。
4.ミミズ
ミミズのニオイが大好きな犬はかなり多いよう。ミミズを見つけると体をスリスリと擦りつけてしまう犬もいるのではないでしょうか。飼い主さんとしては止めてほしい行動のひとつかと思いますが、犬にとってミミズのニオイは良質なたんぱく質のニオイ。
特にミミズが死んで少し時間が経過したものが一番お好みの。干からびてカラカラになったミミズよりも、腐敗し始めたばかりのミミズのニオイが大好きなんです。ミミズに体をこすりつけてしまうのは、ニオイを自身の体につけようとしている行為です。
犬が好きなニオイと苦手なニオイ
実際に犬は「クサイもの」のニオイも好みますが、それ以外にも好きなニオイはいくつもあります。犬が好きなニオイ、また苦手なニオイとはどんなものでしょう?
1.犬が好きなニオイ
まず信頼している飼い主さんのニオイが大好きな犬はとても多いはず。単純に汗のニオイが好きと言うだけでなく、飼い主さんのニオイを嗅ぐと嬉しい気持ちになって心がリラックスできるよう。
またお肉などのタンパク質のニオイも大好きですが、食べ物であれば果物やサツマイモなど、甘さを察知できるニオイに惹かれる犬も多くいます。
犬はあまり味覚は優れていませんが、甘味は感じ取りやすく甘い食べ物が大好きです。甘いニオイを察知した時は「甘くて美味しいものが食べられる!」とワクワクしていることでしょう。
2.犬が苦手なニオイ
犬が苦手と感じているニオイは一般的に柑橘系やお酢、また化学物質のニオイと言われています。甘い果物ではありますが、オレンジやミカンの皮のニオイの成分が犬にとっては少々刺激が強いよう。
犬が苦手と感じるニオイの代表的なもののひとつが「お酢」になります。嗅覚が優れている犬にとって、お酢の独特な刺激臭は強烈すぎるようです。
また芳香剤や洗剤、スプレー類など化学的なニオイも嫌います。お薬も化学物質を含むものが多いため、上手に嗅ぎ分けてなかなか飲み込んでくれないこともあるかと思いいます。
その他、お酒やタバコ、香水のニオイも苦手と言われていますので、飲酒に喫煙、また香水を使用する飼い主さんは気をつけてあげましょう。
まとめ
犬が強くてクサイもののニオイに惹かれるのは致し方ないですが、腐敗したものや排泄物を丹念に嗅ぐことは感染症などの恐れもあるため危険です。また間違っても誤食してしまわないよう注意したいところですね。
犬にとって「ニオイを嗅ぐ」という行為は、好奇心を満たしストレス発散にも繋がります。危険なもののニオイを嗅いでいないか注意深く見守ってあげましょう。