犬と一緒に飼ってはいけないペット
犬は家族を大切にし、小さな子どもに対しても愛情深く接してくれる動物です。そのため他の動物を一緒に飼ってもきっと大丈夫と思われがちですが、犬の習性・個性と他の動物の習性をよく見極める必要があります。
もともと犬たちは猟犬や牧羊犬として仕事をするように改良されています。動く小さな動物を追いかけたり、獲物を攻撃したりするのは、もはや本能といっても良いでしょう。そのため、そのような対象となりえる動物は、犬と一緒に飼うことが難しいと言えます。
1.両生類・爬虫類
両生類や爬虫類は、ケースで飼育するのが一般的です。
犬はその気がなくとも、ひょいと立ち上がった拍子にケースを落としてしまったり、ふたをこじ開けてしまったりなどの事故が起こる可能性が高いので、両生類・爬虫類は一緒に飼うのは難しいと言われている動物です。
また、これらの動物は暖かい地方に生息しているため、日本では季節問わずライトや保温器具でケースを温める必要があります。特に冬の季節は日照時間が短くなるため、保温と紫外線の照射のためのライトを用います。
このライトや保温器具は熱を持っているので、犬が触れれば火傷を負う危険があるのです。
必ず見守って居られる環境にない限り、両生類・爬虫類と犬は一緒に飼育することが難しいと言えるでしょう。
2.鳥類
特にレトリバーやセッターなどの鳥猟犬と相性が悪い動物です。
小鳥の場合は特に体が小さく、ちょっとした衝撃で骨が折れたり羽が曲がったりしてしまいます。犬はじゃれているだけのつもりでも、鳥にとっては大ダメージでしょう。
動きが小刻みでいざとなれば飛んで逃げられるのですが、逃げ回る鳥を見て犬がさらに興奮してしまい、最終的には捕まえるために歯を立ててしまうなどのリスクも考えられます。
3.うさぎ・ハムスター
うさぎは一般的に、ストレスに大変弱い生き物として知られています。
同居している人間の物音にさえ敏感に反応するので、犬の吠え声は大きなストレスになるでしょう。またテリアやダックスフンドといった猟犬は、古くからうさぎなどの小動物を狩るように改良されているため、うさぎと一緒に飼育すると始終追い掛け回してしまいます。
成犬である程度落ち着いてからうさぎを迎える場合であれば、別室で飼育しながらゆっくり慣らしていくことができるかもしれませんが、うさぎを先に飼っている場合にあとから子犬を迎えるのは難しいと思われます。
またハムスターの場合は夜行性のため、昼行性に近い犬にとっては存在自体がストレスになるかもしれません。夜中にハムスターが活動していれば犬はゆっくり眠れませんし、においも気になる事でしょう。
犬と一緒に飼えるペット
では、犬と一緒に飼うことができるペットにはどのようなものがあるのでしょうか。
猫
犬と猫の相性は、実はそれほど良くありません。群れで生活することを好む犬と、単独行動を好む猫では生活習慣が大きく異なるからです。
しかし、お互いの年齢やどちらが先住者かなどの関係性を調整することで、この相性をよくすることは出来るといわれています。特に相性が良くなる(一緒に飼育しやすい)のは、犬を先住者として子猫を迎え入れた場合です。
一緒に飼育する場合、単独行動ができるよう猫の逃げ場所として背の高いキャットタワーなどを設置してあげましょう。
フェレット
フェレットは肉食動物なため、うさぎやモルモット、ハムスターなどといった小動物にくらべ犬に対して神経質にならないと言われています。そのためお互いに少しずつならしていけば一緒に飼育することは可能なようです。
しかし地面を這うような細かい動きをする動物なので、テリア、レトリバーなどの犬種はその動きで興奮しやすくなる可能性が高いです。
犬の個性を考え、別室での飼育をするほうが良いかもしれません。
まとめ
犬はフレンドリーなのでどんな動物も家族に迎えられると思ってしまいそうですが、体格差や生活習慣、習性を考えると、別の動物を迎えるのはなかなか難しいようです。同じ犬同士でさえ体格差や性格がかみ合わなければ、どちらかの犬にとって相手が大きなストレスになります。
異なる動物を一緒に飼う場合、飼育部屋を別にしたり、必ず見守ってあげられたりする環境を整えてあげましょう。