1.離れている時間が寂しいから
犬が飼い主さんと再会したときに喜ぶのは、やはり離れている時間に寂しさを感じているからだと考えられます。
犬にとって飼い主さんは、「人生のすべて」と言っていいほど大きな存在です。私たち人間は、外に出て友人に会ったり、テーマパークに遊びに行ったり、仕事や学校に行ったりと、犬と過ごす時間以外にもたくさんやることがあります。
楽しいことでもそうではないことでも、生活においてやるべきことがある状態で犬と離れている場合、寂しさを感じる時間はそう長くないのではないかと思います。
もちろん、愛犬のことはとても可愛がっていて、いつも一緒にいたいと思っていても、ほかのことを考えなくてはならない時間もありますし、娯楽もたくさんあるからです。
しかし、犬は「飼い主さんの知らない世界」を持って、知り合いや友人と有意義な時間を過ごすということはできません。飼い主さんが出かけた家の中で留守番をしているときも、短時間おもちゃで遊ぶほかは基本的に寝て過ごしていることでしょう。
どうしても飼い主さんがいない時間には退屈や寂しさを感じてしまいやすいため、飼い主さんに再会できたときは本当にうれしくて大喜びしてしまうのです。
2.飼い主さんが戻ってきたことに安心するから
犬は飼い主さんが外出しているとき、外で一体何をしているかということを知ることはできません。そのため、留守番に慣れていないうちは「どこに行くんだろう?」「いつ帰って来るんだろう?」と疑問に思ったり、不安を感じたりすることが少なくありません。
犬が留守番をしている場所は、基本的に飼い主さんの自宅だと思うので「出かけたらそこに帰る」というのは飼い主さんにとっては当然のことです。しかし、犬にとってはそれすらもわからないので、「もう帰ってこないかも」「会えないかも」という不安に陥ることもあります。
特に、普段の留守番時間よりも長くなってしまったときや、過去に飼育放棄などをされた経験のある犬は、そうした不安や恐怖を強く感じる傾向があります。
そのため、飼い主さんが帰宅したときは、「よかった!帰ってきた!」という安心感で、喜んでいるのかもしれませんね。
留守番に慣れていない犬や放棄のトラウマがある犬に、長時間の留守番を急にさせることは控えましょう。短い時間から練習して、「出かけたら必ず帰って来る」ということを覚えてもらい、安心して留守番をできるようにトレーニングしてあげてください。
犬が分離不安症にならないように注意!
可愛い愛犬が、再会するたびに大喜びする姿を見ると、うれしいような愛おしいような気持ちになることもあると思います。確かに喜んでいる様子は可愛いらしいのですが、再会したときに過度に興奮状態になっている場合や、帰宅時に留守番中にいたずらや粗相が続く場合は、少し注意が必要です。
飼い主さんと離れているときに、強い不安や恐怖を感じてしまう「分離不安症」に陥ってしまうと、犬の心身に悪影響を及ぼします。
分離不安症は、飼い主さんと離れることで、ストレスや不安を感じてパニック状態になる精神疾患です。不安やストレスを和らげるために、暴れたり吠え続けたりといった問題行動を起こしたり、自分の手足を噛んだり尻尾の毛をむしったりといった自傷行為をするようになったりします。
このような状態になると、犬を自宅に一人きりで置いていくことがむずかしくなります。犬の心身を蝕むだけでなく、飼い主さんの仕事や生活にも悪影響を与えてしまうので、小さな頃から留守番に慣らすようにして、一人の時間も落ち着いて過ごせるようにしてあげてください。
まとめ
犬が大好きな飼い主さんと会ったとき、はしゃいで大喜びする姿はとても可愛いですよね。
しかし、大きな喜びの反面、一人でいる時間に寂しさや不安、ストレスを感じている可能性もあるということを考えてみてください。
バラエティ豊かなおもちゃを用意したり生活環境を整えたりして、愛犬が一人での時間も安心して楽しく過ごせるように工夫してみるといいでしょう。
また、一緒に過ごせる時間にはスキンシップや遊びを通して、たっぷりコミュニケーションを取ってあげてくださいね。