犬の健康的な舌の状態は?
愛犬の健康状態を確認できるポイントはいくつもありますが舌もそのひとつ。舌の色や状態を確認することで、愛犬の体調管理に役立てることができます。
健康な状態の犬の舌は?
体調も良く健康的な犬の舌の状態は、綺麗なピンク色をしていて程よく湿った状態です。犬の舌の色は個体差があるため、やや赤に近い色でも心配のないことが多いです。
ただし、普段よりも濃い赤になった場合は体調に変化がある可能性も。いち早く異変に気づけるよう日頃から愛犬の舌の色をチェックするようにしましょう。
犬の舌の色や状態でわかる健康状態と危険な病気
1.赤色
いつもの舌の状態よりも赤みが強くなっている時は、体温が上昇していることが多いです。暑い季節に体温が急上昇すると熱中症を起こす危険性があります。
舌が赤い以外にも呼吸が荒い、心拍数が多いなどの症状がみられる時は至急体温を下げる処置を行いましょう。
また、ただれていたり腫れているように見える場合は舌炎になっている可能性も。舌炎とは、口腔内にできた傷や歯周病などにより舌が炎症を起こしてしまう病気です。
赤く腫れる以外にも、白っぽくただれることもあります。ヨダレの量が増え、口臭が強くなることも。炎症による痛みがあるため食欲不振がみられることもあります。
2.紫色
犬の舌が紫色っぽくなっている時はチアノーゼを起こしている可能性が高くなります。チアノーゼとは、血液中の酸素濃度が低下して舌や歯茎などの粘膜が紫色になる状態です。
チアノーゼが起きているということは呼吸器系や循環器の病気が疑われます。特に心臓に関する病気の危険性が高くなるよう。その他、喘息や肺炎、気管虚脱なども疑われます。
これらの病気によりチアノーゼを起こしている場合は、病状の進行が考えられます。重篤になる危険性も高いため早めに動物病院に連れて行きましょう。
3.黄色
犬の舌が黄色くなっている場合、黄疸の可能性が高くなります。黄疸とは、血液中のビリルビンと呼ばれる色素が増加して皮膚や粘膜が黄色っぽく見える状態です。
黄疸が起きる原因となる病気は溶血性疾患、肝胆道疾患、肝外性疾患など。具体的には中毒性のある物を食べてしまった時の中毒や肝硬変、膵炎や胆管炎などが考えられます。
黄疸は舌が黄色くなる以外にも、白目の部分や歯茎、皮膚などにも現れ、おしっこの色が濃い黄色になることもあります。その他、元気がなくなったり食欲不振、下痢や嘔吐などの症状がみられることも。
黄疸の原因となる病気は非常に多いため、しっかりと診断をしてその病気に対する治療を行っていくことになります。病気の進行度合いにより治療法も様々なので、気になる症状がみられた時は早めに動物病院を受診しましょう。
4.黒色
犬の舌にある黒いアザのようなものは、舌斑と呼ばれるもので心配のないケースが多くなります。舌斑とは人間でいうホクロのようなもので遺伝によるものが多いようです。
しかし舌斑が腫れていたり、しこりになっている場合はメラノーマと呼ばれる腫瘍の危険性が高くなります。メラノーマはメラニンを産生する細胞が腫瘍化したもので良性のものもありますが、もちろん悪性である危険性も。
犬の口腔内はメラノーマが出来やすい部位でもあるので、こまめにチェックして腫れやしこりを見つけた時はしっかりと検査を受けましょう。
5.白色
犬の舌が白っぽい場合は貧血や低血糖を起こしていることが多くなります。軽い貧血であれば舌の色が白っぽくなることはないので、色の変化が見られた時はすでに重度の貧血の可能性が高くなります。
重度の貧血は外傷による出血、また腫瘍からの出血が原因になることも。その他、貧血の原因として考えられるのは、白血病や骨髄の異常など重い病気である可能性も否定できません。
これらは命の危険もある恐い病気です。すぐにでも動物病院で診察してもらいましょう。
まとめ
愛犬の舌の状態をチェックするには「きちんと見せてもらうこと」が重要ですよね。口の中を見せることに抵抗がないよう日頃からコミュニケーションをとっておきましょう。
一番良いのは毎日の歯磨きで確認すること。子犬の頃から歯磨きを習慣づけると抵抗なく口の中を見せてくれると思うので、小さなうちから頑張って歯磨きしましょうね。