1.手
人の手を好む犬はたくさんいると思います。特に、飼い主さんや周囲の人に可愛がってもらった経験の多い犬は、このような傾向があります。
近づいたときに優しく手で撫でてもらったことがある犬はその手を好きになりやすく、また撫でてもらうために近寄ってきたり、手の下に頭や体を押し込んできたりすることがあります。
また、おやつをもらったりおもちゃをなでてもらったりすることもあるので、そのようなものを好む犬はますます手を好きになるでしょう。人の手を「自分の好きなものが出てくる場所」と認識した犬には、人の手の動きに注目する様子も見られます。
さらに、人は手を使って仕事や家事、遊びと様々なことをするので、複雑なにおいがします。料理をしたあとは食べもののにおいが強くしますし、洗濯をしたあとは洗剤のにおいがついていることもあるでしょう。
犬はにおいに敏感でとても興味を持つため、人の手から漂うにおいにつられて寄ってくる様子も多く見られることだと思います。
2.足
犬は飼い主さんの足を好んで近寄ってくることもあります。
犬が人の足を好きになる理由の1つが、においが強いことだと考えられています。犬はにおいに敏感で、慣れ親しんだ人のにおいを嗅ぐことで安心感を得たり情報収集をしたりしているのです。
特に、人の足の裏は靴や靴下を履いているため、蒸れてにおいが強くなりがちです。また、古い角質や垢が溜まり、雑菌が繁殖してしまうこともめずらしくありません。人間にとっては「クサイ」と感じてしまうような足のにおいも、犬にとっては魅力的なものになることも…。
そのため、犬が人の足の裏のにおいを好んで嗅いだり、脱いだ靴下や靴をくわえて自分のハウスに持ち込んでしまったり、ということもよく見られるものです。
それ以外にも、飼い主さんのひざの上で眠るのが好きな犬もいます。飼い主さんのぬくもりを直接感じながら、密着していられるので心地良さや幸福感を感じることができるのでしょう。特に小型犬の場合は、ひざの上でくるんと丸まって眠ると落ち着くということもあると考えられます。
3.口元
飼い主さんがしゃがんだり床に座ったりすると、口元のにおいを嗅いだり舐めたりする犬は少なくありません。
犬にとって口元を舐める行動というのは、親や兄弟など親しい関係の犬と行うコミュニケーションの一貫であり、親愛の情を示す行為ともされています。そのため、大好きな飼い主さんの口元を舐めるという行動は、多くの犬に見られるものなのです。
また、食べることが好きな犬は、飼い主さんの口元から食べもののにおいを感じ取っていることもあるでしょう。人間の口からはさまざまなにおいがしていて、犬は食事や飲み物のにおいだけでなく、歯磨き粉やマウスウォッシュのにおいに興味を持つこともあります。
4.お尻
犬が人に会ったとき、お尻のにおいを嗅ごうとすることがあります。人間にとっては少し恥ずかしさを感じるものですが、犬にとってはごく自然な行動です。
犬同士はお尻のにおいを嗅ぎ合ってあいさつをするため、犬は人間に対しても同じことをしていると考えられます。犬はにおいで相手の情報を得られるので、初めて会った人やあまり知らない人のことを知るために、お尻のにおいを嗅いでいるのです。
まとめ
犬が人の体を好きになる理由は、においやぬくもりなど感覚的なものを得られるからだと考えられます。大好きな飼い主さんの場合は、ぴったりとくっつくことで幸せな気持ちになったり、心地良さを感じたりできるので、ひざやお腹の上に乗ったり体に寄り掛かったりするのだと思います。
また、犬にとってにおいを嗅ぐことも安心感を得たり、情報収集をしたりするためにとても大切なことです。そのため、においの強い場所や気になるにおいがする場所に近寄ってくることも多いのです。
犬が飼い主さんの体に興味を持っているときは、無理のない範囲でスキンシップを取ってあげてくださいね。