「今は触らないでほしい」というサインとは
ここでは、犬が触ってほしくないときに飼い主にみせるサインについて解説します。
1.飼い主の手を避ける
犬たちも気分があるので、今は触ってほしくないというタイミングに飼い主に手を伸ばされると「嫌だな」と避けることがあります。顔を背けてみたり、耳を伏せたりすることもあります。また伸ばした手から逃げてわざと届かない遠くに行って座り込んだりすることも。
このように、飼い主から距離を取ることで「今は触らないで」と伝える子もいますし、触れようとすると身体を縮こませて撫でにくい体勢になることで「触らないで」と伝える子もいます。
いずれも気分的なものであれば特に問題はありません。撫でてほしくなれば自分から飼い主に近寄ってくるようなら大丈夫です。
しかし、いつまでたっても触れてほしくないという態度の場合、なにかトラブルを抱えている可能性もあります。
考えられるトラブルは、ケガ、病気による違和感や、人間の手に対する不信感などです。特定の部位に触れられることを嫌がる場合はケガなどの可能性が高いでしょう。
人の手が伸びてくると逃げたりするこの場合、まずは人間の手が怖いものではないということから慣らしてあげる必要があります。
2.触れたところを引っ込める、びくっと震える
犬の前足を触ろうとしたら(触ったら)引っ込めた、後ろ足を触ったらびくっと震えた、などという場合も「触られるとうれしくない」というサインです。
飼い主に不意に障られた場合、このようにびくっと引っ込めてしまうことが多いのですが、それ以外にも痛かったり違和感があったりする場合はこのようなサインを出します。
犬は痛みに強い動物なので、少し痛いくらいではうんともすんとも鳴き声を上げません。そのためケガや異変に気が付きにくいのですが、触れようとしたところや触れたところをびくっと引っ込める場合はその部分に触れてほしくない、違和感があるという状態であることが多いようです。
犬の動きをよく観察して、おかしいなと思ったら動物病院を受診しましょう。
3.唸る、歯を剥く
犬に触ろうとした時に唸ってきたり歯を剥いて威嚇してきたら、「触らないで」という穏やかなサインではなく、「触るな!」という強めの警告を出しています。
見知らぬ犬の場合は警戒心が強く、飼い主以外の人間に対して心を許していないときにこのサインを見せることがあります。
この時に無理をして手を伸ばすと、犬の警戒心と恐怖心を高め攻撃させてしまう危険があるので、犬の嫌がる気持ちを尊重して距離を取ってあげましょう。
自分の飼い犬がこのサインを出した場合、パニックになっているかよほど怖い目にあったか、あるいは飼い主が犬たちの信頼を損ねる行動をしたかなどが考えられます。興奮している状態でもあるので、無理強いせずに落ち着くまで静かな環境において様子を見てあげましょう。
無理矢理触るのは禁物
犬たちが「今は触ってほしくない」というサインを出したとき、それを無視して無理やり触るのはやめてあげましょう。
普段はOKな触れあいでも、嫌だという時に無理をさせると、犬は自分を守るために攻撃的な行動に出ることもあります。
威嚇行動だけでなく、しつこく触れようとすると興奮して本当の攻撃にエスカレートする場合も。
犬が嫌がっていたら、とりあえず落ち着くまでしばらくそっとしておいてあげましょう。
まとめ
犬たちにも感情があります。「触れ合いたい!」「遊びたい♪」という気分の時と、「今は触らず放っておいてほしい…」という時など、その感情は人間同様に様々です。
愛犬が「今は触らないでほしい」というサインを伝えてきた場合は、まずはそっとしておいてあげましょう。
そして、それが気分によるものなのか、あるいは身体のトラブルによるものなのかをよく観察して、必要があれば動物病院へ連れていくようにしましょう。