子犬は首輪を嫌がるもの
子犬が首輪の装着を嫌がるのは、至極当たり前の話です。それ自体は不思議でもなんでもありません。
例えば、1歳や2歳の幼児にマスクをさせようとしても、「これ嫌だ!」とすぐに外してしまったり、もしくは嫌がって装着すらさせてくれないことも多々あります。
これと全く同じで、世の中のことにまだまだ慣れていない子犬に、いきなり「これを着けなさい」と無理強いされたところで不快感や違和感が先に立ち、嫌がられるのは当たり前のことなのです。
首輪を無理強いしたら起こること
犬の飼い主がうっかりしてしまいがちなのは、「嫌がってもそのまましておけば、そのうち慣れるから」と放置しておく、というものです。
確かにその方法は、飼い主にとっては楽ではあります。しかし実際のところは、子犬自身が本当に「大丈夫」と思って受け入れているとは言い難い状態なのではないでしょうか。
また、子犬の時期に経験することは、その犬にとってとても大切で重要なことばかりなので、そのような大事な時期にネガティブな経験をさせるのはおすすめできません。この時期に経験した多くのことは、今後の人生ならぬ犬生を大きく左右してしまうからです。
つまり、首輪の装着を無理強いされたことで、もしその犬が首輪に対してマイナスな印象を強くもってしまうと、今後首輪やそれと似たものを見ただけで嫌悪感を感じてしまう恐れが生じてしまいます。
せっかくお迎えした大事な犬に、そのようなネガティブな経験をさせる必要は一切ありません。
子犬に首輪を装着する正しい手順とは
では、子犬に首輪を装着するには、どのような手順を踏むべきなのでしょうか。
子犬に首輪を装着するときは、嫌がらせないように、順番にステップを進めていく必要があります。
- 首輪を見せる
- 首輪を近づける(子犬自身が近づいてくるでもOK)
- 首輪で体に触れる
- 首輪を首に近づける
- 首輪を首に触れさせる
- 首輪を装着する
大きく分けて、このような手順で進めていきます。
それぞれの過程で子犬が受け入れ姿勢を示していたら、ご褒美となるものを提供しましょう。
そしてその中でも、とくに大切なポイントがあります。それは、子犬がもしも「嫌だ」と伝えてきたら、必ずそれを受け入れることです。
子犬が嫌がっているのに無理に装着しようとするのはもちろんNGですが、首輪を近づけたり触れさせたりしたときに、顔や目線をそらす・後退する・離れようとする…というサインを目にするかもしれません。これらのサインはすべて、子犬の「嫌だ」という感情を示しています。
子犬がこのようなサインを示したときは、決して無理をせずに、そのサインが意味する気持ちを汲み取ってあげてください。
大切なのは「嫌なときは拒否してもいい」という選択肢を用意し、それを受け入れることです。「嫌なことはしないよ、でももし協力してくれたら、喜んでくれるものを提供するよ」という丁寧なやり取りをすることが重要です。
そして子犬の時期はいろんなことをすぐに学習し吸収していくので、このような丁寧なプロセスとアプローチをしていけば、あっという間に首輪を受け入れてくれるでしょう。
まとめ
子犬の時期は「社会化期」といって、良いことも悪いこともすぐに学習していきます。
だからこそ、首輪を装着するにあたって無理やりそれを推し進めるのではなく、丁寧なプロセスとアプローチを経て、子犬自身が「これは悪いものじゃない、大丈夫なんだ」と思ってくれるようにすることが大切です。
また、もしも自分でやるには難しかったりうまくいかなそうだと感じた場合は、ドッグトレーナーに相談してみることをおすすめします。