そもそも犬は飼い主の休日を把握してるの?
飼い主さんの休日に、愛犬がいつもと違った行動を見せることはありませんか?
飼い主さんが寝ているベッドや布団にもぐり込んできたり、起きた途端におもちゃを持ってきて遊びに誘ったりする様子を見せたりして、まるで休日を一緒に楽しもうとしているようにも見えます。
しかし、犬は基本的に時間や曜日といったものの概念を持たないため、「日曜日だから朝から遊んでもらえる」「月曜日だから飼い主さんは仕事に行くんだな」といった理解の仕方をしているわけではありません。
犬はまるでカレンダーや生活サイクルを理解しているように見える行動を取ることがありますが、それは曜日そのものを理解しているわけではなく、あくまで「感覚」や「過去の経験」を頼りに判断しているのです。
休日は飼い主の行動の変化で判断する
では、犬が飼い主さんの休日を理解しているように見えるのはなぜなのでしょうか。
犬がそのような行動を取るのは、日頃の生活リズムを覚えていて、曜日によって変わるその変化(平日と休日の過ごし方の違い)などから判断していると考えられます。
また、犬は「仕事の日」「休日」といったものを理解しているわけではなく、「飼い主さんが家にいる日」「たくさん遊んでもらえる日」「ほとんど家にいない日」などといった感覚的な理解をしているのでしょう。
特に、飼い主さんが月曜日から金曜日までほぼ同じ時間に会社に出勤し、同じような時間に帰宅する、というような規則正しい生活をしているほど、その愛犬はスケジュールへの理解度が高まります。
「外に行く日」と「外に行かない日」では朝起きてから飼い主さんがする行動が異なるため、その違いが他の人の変化を感じることで、「いつもとは違う日=休日」と考えているのだと思います。
これは時間についても同じことが言えます。犬は時計を見て時間を理解しているのではなく、飼い主さんの行動や窓の外に見える景色や音を判断材料として、1日の生活リズムをつかんでいると考えられています。
飼い主の休日に犬が見せる行動
では、犬が(今日は飼い主さんの休日=いつもとは違う日だ!)と判断したとき、どのような行動を見せるのでしょうか。
散歩や遊びを要求する
飼い主さんが仕事に行くために慌ただしく準備をしているときは、特に何をするでもなくのんびりしていたり、飼い主さんをぼんやり眺めていたりする犬が、休日になると朝起きてすぐにおもちゃを持ってきたり散歩に誘ったりすることがあります。
これは、「休日=家にいる日」であれば飼い主さんがいつもよりも遊んでくれることが多いということを学習しているからだと考えられます。
飼い主さんが忙しくしている出勤日では、どれだけ遊びに誘ってもかまってもらえないということも理解しているので、はじめから誘おうともしていないのだと思います。
いたずらをして気を引く
飼い主さんが家にいるときに、洗濯物や靴をくわえて持ってきたり、トイレシートをビリビリに破いたりというようないたずらをすることがあります。これは、飼い主さんを困らせたいというわけではなく、飼い主さんの気を引いてかまってもらいたいと思っていることが考えられます。
遊びに誘うのと同様に、飼い主さんが「何してるの?」「どうしたの?」と声をかけてくれたり、そばに来てくれたりすることを期待しているのでしょう。
心配してもらおうとする
「犬が仮病を使う」というと、不思議に思う人もいるかもしれません。しかし、実際に飼い主さんの気を引くために、わざと心配されるような行動を取ることがあるのです。
特に多く見られるのが、ご飯を食べないという行動や「キャン!」と甲高い声を上げるという行動です。また、歩いているときにびっこを引くような仕草を見せることもあります。
これらは、過去に本当に怪我をしたり具合が悪かったりしたときに、優しくしてもらったことを覚えている犬が、また同じようにしてもらいたいという思いで行っていると考えられています。
まとめ
犬たちは、一緒に暮らしている飼い主さんの行動をよく観察しています。また、ちょっとした変化にも敏感に気がつく繊細な動物だと考えられています。
そのため、犬は曜日や時間という概念を持たないものの、飼い主さんの様子や行動の変化を見て、生活のリズムやスケジュールを大まかに理解しています。
飼い主さんがゆっくり過ごす休日についてもある程度把握できている犬が多く、そのようなときには一緒に眠ったり遊びに誘ったりする行動を取ることが少なくありません。
「少しでもかまってもらいたい」「遊んでもらいたい」という思いで、いつも飼い主さんのことを観察していると考えると、愛犬の存在をより一層愛おしく感じますよね。