やりがち!犬が怒る「飼い主の行動」
人間相手でもありうることではありますが、相手の気持ちを気にせずにグイグイ相手に向かっていくタイプの人って結構いますよね。
ご本人にとってはそれが愛情表現でも、受け取る側にとっては嫌がらせや圧力としか受け取れない場合も。
そして同じことが、飼い主と犬の間にも生じてしまう場合があります。飼い主側が良かれと思ってしていることでも、犬にとっては止めてほしい、怒りさえ生じる行動の可能性もあるため一方的な気持ちの押し付けは非常に危険なのです。
今回は、そんな愛犬が怒っている「飼い主の行動」について、解決方法とともに解説します。意外と(こんなことがっ?!)と驚いてしまうかもしれませんよ。
1.不意に頭を撫でる、抱きつく
不意に犬の頭を撫でたり抱き着く行動は、飼い主側からすれば愛情表現の一つで、ただ「犬をかわいがりたい」という気持ちだけですよね。
しかし、犬にとってはこのような不意の接触は、「いきなりなにをするの?」と驚いてしまう行動なのです。
犬の中には頭付近を撫でられることを嫌がる子もいますし、急に体の自由を奪われるハグなどをされることを嫌がる子もいます。ふれあいが苦手な犬に無遠慮に手を伸ばすと、突然のことにびっくりした犬が攻撃的な行動にでてしまうこともあるようです。
犬を抱きしめたり頭を撫でてかわいがりたい場合、子犬のころから「飼い主が身体に触れる」ことをちゃんと慣らしてあげ、成長したあとも犬の様子をよく観察して嫌そうな素振りがないかどうか見てあげることが大切です。
また触れる前に声をかけるなど、びっくりさせない配慮も必要でしょう。
2.足先、耳などの末端部をいじる
犬の手足の先や耳、尻尾などの末端部には細かい神経が通っていて、大変敏感な部位です。お散歩などで汚れてしまったり、爪が伸びたりして、ついつい握って綺麗にしようとしたりいじってしまったりしがちですが、犬たちはここに触れられることが嫌いな場合が多いでしょう。
また昔行われていたしつけのひとつなのですが、粗相をしたり無駄吠えをした際に犬のマズル(口もと)を掴んで叱る「マズルコントロール」という方法がありました。このマズルも犬にとってはとても敏感な部位です。掴んで叱っても犬に恐怖しか与えられませんので、犬のマズルを掴む行為はやめましょう。
3.目をじっと見つめる
犬同士が目を合わせてじっと見つめあうのは、相手への「敵意」を表す行動です。気持ちが弱い方、あるいは争いを避けたい方がそっと目線を外し、「あなたに敵意はないですよ」と伝えることで、犬同士は無駄な争いを避けて暮らしています。
しかし人間が愛情を伝えたいと思って見つめても、犬としては人間の意図をくみ取ることは難しいのです。犬にとっては「何なの?喧嘩をしたいの?」と怒りに感じてしまう行動にしか見えていないのです。
初対面の犬など、自分に慣れていない犬を相手にする場合は特に、じっと目を見つめるのは控えてあげましょう。
まとめ
今回ご紹介した行動の他にも、「散歩のときににおいを嗅がせない」「汚れたから、と手足の裏や肛門付近を拭きすぎる」という行動も、犬にとっては迷惑で怒ってしまう行動です。
リードを強く引けば首や背中のケガにつながりますし、においをかいで情報収集しようとする本能を邪魔することになります。また手足の裏や肛門付近はデリケートなので、強く拭きすぎると粘膜を痛めてしまうリスクもあります。
犬が良いと思っているか、嫌と思っているかは、飼い主さんが日ごろからよく表情や行動などを観察していないと分からないことかもしれません。一方的な愛情表現でストレスを与えすぎず、信頼される飼い主さんになれるように犬たちの行動や表情をよく観察してあげてくださいね。