突然のフリーズ!? 犬がピタッと止まる心理とは
楽しそうに遊んでいる最中やお散歩の途中、自宅でスキンシップの最中になど、愛犬が突然動きをピタッと止めてしまい、まるで電池の切れたロボットのようにじっと動かなくなってしまうのを見たことがないでしょうか。
何の前触れもない突然のフリーズに、そばにいたご家族は驚かれ、そして心配されてしまうと思います。しかし、どんな行動にも必ず何かしらの理由があります。愛犬が、突然何の前触れもなしにピタッとフリーズしてしまうのにも、意味があるはずです。
犬がピタッと止まる時、どのような心理なのでしょうか。体調、意思表示、葛藤、配慮という視点から見ていきたいと思います。
1.痛い(体調)
もしかすると、その時の動きに対して体に痛みが生じたために怖くなり、動きをピタッと止めてしまったのかもしれません。
その時の愛犬の動作を振り返り、思い当たる部位を確認してみましょう。触った時に嫌がったり鳴き声を上げたりした場合は、早めに動物病院で診てもらったほうが良いでしょう。
2.拒否したい(意思表示)
お散歩の途中で突然立ち止まり、テコでも動かないという場合などは、飼い主さんが行こうとしている方向には「行きたくないよ!」という意思を表明しているのかもしれません。
例えば、いつものお散歩のように家を出たものの、実は動物病院に向かっていたということはないでしょうか。
3.疲れた(体調)
いつものお散歩や遊びでも、その時の体調によっては疲れてしまい、「もういやだ」と動きを止めてしまったのかもしれません。
特にシニア期に入っている場合、見た目に変化が見られなくても少しずつ筋肉が落ち、疲れやすくなっていることがあります。様子を見ながら適切な運動量に調整するようにしましょう。
4.期待している(意思表示)
同じようにお散歩の途中で突然立ち止まり、動かなくなってしまったという場合、向こうから仲の良い犬やいつも可愛がってくれる顔見知りの人が近づいてくるのが見え、期待に胸を膨らませて待っているのかもしれません。愛犬の表情や視線の先を確認してみると良いでしょう。
また家の中でご家族の車の音や玄関に向かってくる足音などを耳にして、玄関を開けて帰宅するのを期待して待っているという場合もあります。
5.警戒している(葛藤)
お散歩の途中だけではなく、遊んでいる最中や家の中などでも、突然動きをピタッと止めてしまうことがあります。
一点を注視しながらその方向に耳を向けて集中しているようであれば、何か気になる音が聞こえたために警戒し、確認しようとしているのかもしれません。工事現場からの衝撃音や車の急ブレーキ音、犬が喧嘩をする声、苦手な顔見知りの人の声など、反応する対象はさまざまです。
もちろん気になるのは音だけとは限りません。いつもとは異なるニオイ、視界の隅にちらっと見えた物陰などということもあるでしょう。
6.迷っている(葛藤)
私たち人間も、(どっちにしようかな…)と悩む時には固まってしまっていることがありますよね。
同じように、犬も(どうしようかな…)などと迷っている時に、動きがピタッと止まってしまうことがあるようです。少し悩む時間をあげてみましょう。
7.飼い主への気遣い(配慮)
例えば、ドッグランや家の中などで自由に行動している時に、急に止まってじっと飼い主さんを見つめているときなどは、飼い主さんの様子を気にしているのかもしれません。
アイコンタクトや優しい声がけで、犬を安心させてあげてください。
8.恐怖を感じる(葛藤)
今いる場所や今聞こえる音、体験などをきっかけに、過去に経験した怖い出来事を思い出してしまい、その恐怖心によりフリーズしてしまっていることもあります。
子犬の頃から一緒に暮らしていれば、トラウマとなるような体験が分かっていると思います。しかし、保護犬などの場合は、思いもよらないことに恐怖心を示すかもしれません。
犬がピタッと止まった後に怖がっている様子であれば、何に対して反応したのかをみつけて対処してあげましょう。
まとめ
愛犬が何かをしている時に、急に動きをピタッと止めてじっと固まっているような場合、飼い主さんは何事かと驚き、同時に具合が悪いのかと心配されるかもしれません。体の痛みから止まることもありますが、それ以外にもさまざまな心理状態であることが推測できます。
その時の愛犬の様子や、動きを止める直前の状況などから原因を探り、悩んだり確認したりしている場合は少し時間を与え、怖がっている場合はその原因を取り除きましょう。
また、こちらを気にしてくれている場合はその愛情に応えてあげられるようになりたいものです。