寒い季節に嬉しい愛犬の添い寝、でも注意が必要
犬と飼い主が同じ布団やベッドで寝ることについては議論の的になりがちで、メリットとデメリット両方を調査する研究も数多く行われています。
実際には約半数の飼い主が愛犬といっしょに寝ているとアンケートなどで回答しており、犬と寝ることの楽しさや心の安らぎをメリットとして挙げています。
特に寒い冬にはポカポカ温かい犬の体はありがたく、犬にとっても人間の体温や毛布が恩恵となることもあります。
しかし寒い冬だからこそ、犬と寝ることについて注意が必要であるとイギリスの獣医師がテレグラフ紙に警告を出しています。
オーバーヒートに注意!
冬場に愛犬といっしょに寝る時、特に注意したいのはオーバーヒートです。ご存知のとおり犬の体温は人間よりも数度高くなっています。犬が掛け布団の上で寝る分には大丈夫ですが、分厚い掛け布団の下に入った場合、暑すぎてオーバーヒートになる危険があります。
中でも超小型犬、子犬、老犬、関節炎などで運動機能が落ちている犬は分厚く重い掛け布団の下にいると、暑すぎると感じた時に出口をみつけられない可能性があります。
フレンチブルドッグやパグなど短頭種の犬はオーバーヒートの危険性がさらに高く、布団から出られない場合呼吸ができなくなる可能性もあります。
また最近では、重みのある毛布が人間の安眠を促すと言われており、重量のある毛布が数多く市販されています。このような毛布を使っている場合は、絶対に犬を毛布の下に入れないようにと獣医師が呼びかけています。
電気毛布も犬に使ってはいけない寝具です。オーバーヒートの他に低温やけどの危険があること、電気コードを噛むと危険であるという理由からです。
犬は本当に人間といっしょに寝たいと思っている?
犬といっしょに寝る時に最も大切なことは、犬もそれを望んでいるのか?ということです。
もちろん飼い主さんといっしょに寝ることが大好きな犬もたくさんいます。けれど暑すぎると感じた時、夜中に飼い主さんの寝相が犬の安眠を邪魔した時、犬には他の場所に移動する自由はあるでしょうか?
犬といっしょに寝ると確かに気持ちが安らぎますが、それは犬の快適性が保証された上での結果であり、犬を安らぎの道具にしてはいけないということです。
超小型犬や子犬なら飼い主の枕元に犬用ベッドを置いて毛布をかけてあげる、掛け布団から抜け出すのが難しい犬なら、掛け布団の上に犬用毛布を置いて寝かせるなど、犬も人も幸せな対応を考えることが大切です。
そしてもちろん、飼い主さんの睡眠の質も大切です。過去の研究では、犬と飼い主が同じ部屋の別々のベッドで寝るのが双方の睡眠の質にとって最良だという報告もあります。
まとめ
寒い冬の季節、愛犬と同じ布団やベッドで寝る時にオーバーヒートにならないよう気をつけたい点をご紹介しました。短頭種の犬などでは命に関わることもありますので、くれぐれもお気をつけください。
犬も人も安全に、朝までぐっすり快適に眠れる状態を保ちたいですね。
《参考URL》
https://www.telegraph.co.uk/news/2022/12/17/why-shouldnt-snuggle-dog-covers-winter-nights/
https://www.iflscience.com/bed-sharing-with-dogs-can-be-dangerous-in-winter-warns-vet-67203