7~8歳の犬にしてはいけない『絶対NG行為』4選!シニア期に入ったわんこにすべき気遣いも解説

7~8歳の犬にしてはいけない『絶対NG行為』4選!シニア期に入ったわんこにすべき気遣いも解説

犬たちも人間同様、ある程度の年令になると老化が始まり、今までできたことができなくなったり、病気にかかりやすくなったりしてきます。しかしだからといって、ただ『シニア期の犬は、おとなしく安全に過ごさせていればよい』とだけ考えて誤った対応をしてしまうと、愛犬の老化を早めたり寝たきりにしてしまうかもしれません。シニア期に入った犬に対するNG行為や気遣いのポイントを解説します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬にとってのシニア期とは

甘える老犬

歳を取ると、次第に身体能力や好奇心、心の余裕などが低下していき、今まで簡単にできていたことも難しくなっていきます。それは、私たち人間も愛犬達も、同じだと考えて良いでしょう。

一般的に、犬のシニア期は「7〜8歳」だといわれています。大体7歳頃から、老化のサインが出始めることが多いからです。中小型犬の場合は人間の40代後半、大型犬の場合は50代中盤以降といった感じだと考えればよいでしょう。

犬もシニア期に入ると、五感の感覚が低下したり、筋肉が落ちたり、免疫力が衰えたりといった老化現象が出てきます。今まで苦もなく上れていたソファに上れなくなったり、ちょっとした段差に躓いたりして、ケガや病気にもかかりやすくなります。

そのため、飼い主さんがシニア期に入った愛犬にしてあげられることとしては、真っ先に生活環境を整えることだといえるでしょう。今まで以上に温度や湿度の管理に気を配り、室内の隙間を塞いだり、段差をなくしたりといった物理的な環境の見直しです。

ただ「安全」さえ確保すればよい、というわけでもありません。過剰な保護は、むしろ愛犬の老化スピードを早めてしまったり、寝たきり生活を招いてしまうかもしれません。またあまりにも刺激をなくしてしまうことで、認知症を引き起こしてしまうかもしれません。

老化していく愛犬の状態に合わせた保護やサポートはとても大切ですが、できるだけ愛犬の身体機能を維持し脳を活性化することも、愛犬の質の高いシニアライフには必要なことです。

7〜8歳の犬にしてはいけない絶対NG行為とは

粗相をして叱られる老犬

では、シニア期に入った犬にしてはいけない「絶対NG行為」とは一体どのような行為なのでしょうか。

1.何も変えない

シニア期に入ったばかりの頃は、老化が始まっていることに気付かないかもしれません。しかし、愛犬の老化をサポートするための環境の準備は、この「一見いつもと変わらない時期」から始めることが大切です。

犬たちも、歳を取ると視力や聴力、嗅覚が衰えてきます。視力低下や足腰の弱体に気付いてから生活環境を見直しても、新しい環境をうまく把握できず、いつまでも新しい環境に馴染めないことがあります。そのため、シニア期に入る少し前から準備を始める必要があるのです。

2.できなくなったことを叱る

足腰が弱くなると、立ったり歩いたりかがんだりすることが上手にできなくなってきます。愛犬の老化でよく見られるのが、「トイレに間に合わず粗相をする」ということです。その都度愛犬や床などをきれいにしなければならず、飼い主さんもイライラしてしまうでしょう。

しかし、粗相をしてしまっても決して叱らないでください。今までできていたことができなくなり、愛犬自身も自信がなくなり憂鬱な気分になっています。そこを叱られることで、愛犬はますます自信をなくしてしまうことでしょう。

3.無理強いする

今までできたことができなくても、決して「どうしてできないの?頑張ってみよう!」と無理強いするのもよくありません。

例えば、散歩に行きたがらなくなったり、散歩の途中で歩かなくなったりした場合も、今まで通りの散歩を強いるのではなく、愛犬の状態に合わせた散歩の仕方を工夫しましょう。

時間をかけてゆっくりと歩く、平坦なコースを選ぶ、1回の散歩を短くして回数を増やすなど、体調や様子に合わせて工夫していきましょう。

4.何もさせない

危ないからという理由で、散歩をさせない、自分の足で歩かせないという対応もよくありません。少しでも歩けるうちは、愛犬が歩ける範囲でできるだけ歩かせるようにしないと、本当に歩けなくなってしまいます。

また何もさせないということは、全く刺激のない退屈な生活をさせるということです。そんな生活では、愛犬も何の意欲も湧かなくなるでしょう。認知症が発症しても、何の不思議もありません。

シニア期に入った愛犬への気遣いポイント

カートで散歩する老犬

シニア期に入った愛犬に対する気遣いのポイントは、以下の3点です。

  • 安全な環境づくり
  • 快適性の保障
  • 刺激的な生活

「安全な環境づくり」は、バリアフリーにしたり、家具などの角を毛布などでカバーしたり、歩行補助として首輪をハーネスに変えたりというようなことです。愛犬の視覚、聴覚、嗅覚などの低下により、新しい環境にはなかなか馴染みづらくなっていきますので、先手先手で環境を整備するようにしましょう。

「快適性の保障」も、環境整備に関わる内容です。若い頃以上に気温や湿度の管理に気を使い、寝床やトイレなどの主な行動範囲をなるべく近づけ、安心してゆっくり休める寝床を複数用意しましょう。

また、食事の際の頭を下げた姿勢がつらくなるため、食器やウォーターボウルを台に乗せ、立った姿勢で食べられるようにすると良いでしょう。

「刺激的な生活」をさせることもとても大切です。例えば自力で歩けなくなっても、カートに乗せて外に散歩に出ることで、多くの刺激を受けられます。さらに、家の中で飼い主さんと一緒に簡単なゲームをすることでも、楽しくコミュニケーションでき、飼い主さんとの絆も深められます。

まとめ

笑顔の老犬

まだまだ元気なシニア期に入ったばかりのときから、愛犬の老化対策を考え、サポートの準備を始めましょう。

「もう歳だから」と甘やかすだけでは、老化スピードを早めてしまったり、寝たきりの生活を招いたりしてしまうことにつながります。

優しく配慮をしながらも、させるべきことはさせるといった考え方で、愛犬ができるだけ長く自力で歩き、楽しく暮らせるようにサポートしたいものです。

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