ドッグフードのパッケージに表示されていること
愛犬の健康を守るために毎日のご飯はとても重要なもの。近年では食物アレルギーを持つ犬も少なくないので、ドッグフードに表示されている原材料などをしっかりと確認している飼い主さんも多いはず。
ドッグフードのパッケージには、成分表や原材料以外にも表示が義務付けられているものがいくつかあります。
- ①名称
- ②原材料名
- ③原産国
- ④事業所及び住所
- ⑤賞味期限
- ⑥成分
- ⑦ドッグフードの目的
- ⑧内容量
- ⑨給与方法
これら9項目のうち①~⑤はペットフード安全法で、⑥~⑨は消費者庁及び公正取引委員会の認定を受けた「ペットフードに関する公正競争規約」により、パッケージの見やすいところにはっきりと表示することが規定されています。
「成分表」に関して
これらの中の「成分」に関しても「ペットフードに関する公正競争規約」により、5大栄養素となるタンパク質、脂質、粗繊維、水分、灰分が必須表示項目として表示されています。
お手持ちのドッグフードには栄養添加物、必須脂肪酸、カロリーが表示されているかもしれませんが、これらは自由表示項目となるため表示されていないドッグフードも販売されています。
5大栄養素の特徴
「成分表」は5大栄養素が必ず表示されています。それぞれの特徴をご紹介いたします。
1.タンパク質
犬が健康な体を作るためにもっとも重要な栄養素となるのがタンパク質。タンパク質は犬の体の全ての組織や細胞、筋肉、骨、爪、被毛や臓器の成長に大きくかかわってきます。
犬は肉食寄りの雑食になりますので、高タンパクなドッグフードは免疫力や自然治癒力を高めたり、様々な病気に負けない強い体づくりをサポートしてくれます。
タンパク質の多くは肉、魚、穀物に含まれていますので愛犬の健康状態や体質に合わせてフードを選んであげましょう。
また、どんなに重要な栄養素であったとしても多ければ多いほど良いというものでもありません。栄養バランスがとれている総合栄養食と書かれているドッグフードを与えてください。
2.脂質
脂質も犬にとって必要不可欠な栄養素のひとつ。生命を保つためのエネルギー源になるほか、体の組織を作る、脂肪となって臓器を守る、体温調節をするなどの役割があります。また、皮膚の健康を守るためにも一役買ってくれる栄養素。
脂質は動物性油脂、植物性油脂と記載されていることが多いのですが、原材料をしっかり見て確認しましょう。
3.繊維質
粗繊維とは、水に溶けない不溶性食物繊維になります。
粗繊維には腸内環境整える、消化器官の水分量を健康な状態に保ち善玉菌を増やす、糖尿病や腸の疾患、がん予防にも効果が期待できると言われています。しかし、犬の体質や食物繊維の量によってはお腹を壊す原因となる可能性もあります。
4.水分
犬も人も生きていくために絶対に必要な「水分」。市販のドライフードの場合はほとんどが10%以下になっています。半生タイプのもので25~35%程度。ウェットタイプのもので75%程度となっています。
水分含有量が13%以上では、カビが生えたりするのでドライフードは12%以下にする必要がありますが、安全性に配慮して10%以下の商品がほとんどです。水分量が25~35%程度の半生タイプのものは、品質保持のために添加物が加えられています。ウェットタイプのフードは水分量が多く傷みやすいので、冷蔵庫で保存するなどの管理が必要になります。
水分は血液や涙などの体液を作る、体温調節、老廃物の運搬や排出をするなどの働きがあります。
5.灰分
粗灰分とはカルシウム、鉄、マグネシウム、リン、カリウムなどのミネラルのこと。市販のドッグフードの粗灰分の適量は5~10%と言われています。
ミネラルはタンパク質や脂質、炭水化物の機能をサポートする役割があります。歯や骨など骨格を形成する、筋肉や神経を正常に働かせる、体内で作られる酵素を構成するなどの働きがあり犬の健康には欠かせないもの。
バランスよく体内に取り入れることが重要な栄養素となり、ひとつのミネラルを多くとると、ほかのミネラルが吸収されにくくなってしまう場合があります。また、過剰摂取は骨の形成不全や結石症など様々な病気の原因になりますので適量を守りましょう。
まとめ
ドッグフードを選ぶ時は原材料だけでなく成分表もしっかりチェックすると、愛犬に合ったフードを選びやすくなるかもしれません。犬は年齢や健康状態によりその時に最も必要とする栄養素が異なってくることもあります。
例えばタンパク質であれば子犬の場合、22.5%以上ですが成犬の場合は18%以上となります。年齢や犬種、体質によって必要とする栄養素の量は異なります。ライフステージにあったドッグフードを選びましょう。