犬の気持ちを考えて行動する大切さ
当たり前のことを言うようですが、犬と暮らし始めたら、まずはなにより犬の気持ちを考えて行動するようにしましょう。そのためには犬との接し方や関わり方、ボディランゲージを理解するなど、犬との生活において飼い主が学ぶべきことはたくさんあります。
たとえば、飼い主がでかけようとした際、犬がいつもと様子が違って困惑しているように見えたとしましょう。
直感的にその理由を理解して対応することができる人もいますが、多くの場合なんとなく不快なんだろうな、寂しいんだろうな、というのをわかっていても、適切に対処することができません。
また、急いで外出しなくてはいけない場合だったりすると「帰ってきたらお散歩いこうね~!」などと適当にあしらってしまうこともあるのではないでしょうか。
実はこのような犬の気持ちを考えていない日々の積み重ねが、愛犬にストレスを与えてしまっている危険性も。そこから体調不良になってしまう場合も考えられますので、常に「ドッグファースト」で犬の心情の変化に気付いてあげられるように注意しましょう。
犬が不快感を示しているのを楽しまない
犬の気持ちを考えることはできても、犬が不快感を示していることに対しては正しく対応できていますでしょうか。
水が飲みたいのに水がない、リードが足に絡まってしまった等、一緒に暮らしていれば犬がふと困ってしまうようなシーンは頻繁に目にするかと思います。
そのようなとき、飼い主として「何をどう助ければいいのかわからない」のではなく、「犬が困っている姿が可愛い」という理由でその状況を楽しんでしまう人がいます。
これは犬とともに暮らしていく中で、実は大きな問題になる接し方です。
困っている犬をどのように助けたらいいのかわからないという場合であれば、その対応方法を学び、実践してほしいと思います。
しかし、困っている姿を見て楽しんでいるとなると、助けようという気持ちが後回しになっていますよね。これは正直、犬からしてみたら「いじめられているような状態」なのです。犬と信頼関係を築くどころか、犬にとってあなたは警戒すべき対象になってしまい、とても信頼できない仲になってしまいます。
「犬との関係を良好に築く」ということは、生活を共にするうえでさまざまな面で大きな影響を及ぼすため、決して軽んじることのないよう注意が必要です。犬が不快感を示しているのを目にしたら、できるだけ速やかに解消してあげましょう。
犬は赤ちゃんや幼児と同じ
犬との暮らしで難しいことはわからないというのもあって当然ですし、そのためにドッグトレーナーなどの犬の専門家が存在します。
しかし、そのような専門家に相談することはまだ躊躇していて、「まずは自分で対応できないか考えたい」というのであれば、ひとつおすすめの考え方があります。
それは、『犬は赤ちゃんと同じである』という考えです。
これは決して思い込みや暗示というものではなく、犬という生き物は人間の0〜3歳時と同じような反応を示します。夜寂しくて夜泣きをしたり、飼い主さんと一緒にいたくてついてきたり、嫌なことは嫌だけど楽しいことはとことん楽しみたいなど、本当に小さい子供そのままです。
もしあなたが赤ちゃんや幼児を相手にしようとしたとき、赤ちゃんを力任せにもみくちゃにしたり、泣いているのに対して甘やかしだといって放置したりしますか?
「一緒にいたい」「寂しい」「遊びたい」「嫌なことはしたくない」と言っている幼児を安心させたり何かを教えようとしたとき、舐められるからといって幼児と戦おうとしますか?
決してそのようなことはしないと思います。
しかしこれが犬となると、なぜか従わせようとしたり戦おうとする人が少なくありません。
そうではなく、犬が「一緒にいたい」「寂しい」「遊びたい」「嫌なことはしたくない」という気持ちを示しているのであれば、ぜひそれを叶えてあげてください。嫌だということはやらない、やらなければならないことは嫌を大丈夫に感じてもらえるよう練習する、夜泣きをするならそばにいてあげる、というように。
(それでは人間が大変だ…)と思うかもしれませんが、まずは犬の気持ちを満たしてあげることで、徐々に落ち着くようになることが多いです。
それに「命を扱う」ということには、大変さや苦労はつきものであり、その積み重ねの中でお互いに困らないようにするにはどうしたらいいか、というポイントを探しながら対処し共生していく必要があります。
これはまさに、人間の赤ちゃんや幼児を相手にするときと同じですよね。
まとめ
犬の気持ちを考えるということは、結果として信頼関係の構築に繋がり、犬の方も「伝えればわかってくれる」という安心感から積極的にコミュニケーションをとってくれるようになります。
正直大変な部分もたくさんありますが、それでも信頼を寄せてコミュニケーションをとってくれる犬との関係は本当にすばらしいものです。
犬に心からの信頼され、お互いを理解しあえるような関係を構築するためにも、決して犬が嫌がっていることを楽しんだり無視したりせず、安心できるような関わり方をして、ゆるぎない信頼関係を構築していきましょう。