ご飯を食べる時だけ一時的に外すのもあり
犬の「エリザベスカラー」は、基本的には一度装着したらそのままにしておくべきもの。エリザベスカラーが汚れた場合など、どうしても外さなければいけないような場合以外は、着脱を繰り返すということはしません。
ですが、なかにはエリザベスカラーが強いストレスとなり、そのせいで食事をしないという犬もいるため、その場合は一時的にエリザベスカラーを外して食事をしてもらうというのも選択のひとつです。
ただし、基本的にはエリザベスカラーの着脱を必要以上に繰り返すものではありません。
「ストレスになって可哀そう」という飼い主さんの気持ちもよくわかるのですが、そもそもエリザベスカラーを装着することで傷口を守り、犬の負担や思わぬ事故を防いでいるのです。
また、可哀そうだからと着脱を繰り返していると、犬はエリザベスカラーを装着している状態に一向に慣れることができないため、そのような不安な状態を継続させていること自体が犬にとってストレスであり、可哀そうなのです。
そのため、どうしても食事をしてくれないというのであれば、一時的に食事のときだけエリザベスカラーを外し、食事が終わったら速やかに装着して維持するようにしてください。
また、食事中に患部を気にし過ぎてしまっていないかを観察し、もし傷口を舐めたり触ったりといった様子が見られたらすぐにエリザベスカラーを装着しましょう。
フードの与え方や内容を工夫する
前章で書きましたように、一時的にエリザベスカラーを取り外し食事を済ませてまた装着するというのは、あくまでも食事のときは患部を気にせず食べてくれる場合のみに適用できる方法です。もし食事よりも患部を気にしてしまう場合は、更なる患部の悪化を防ぐためにも速やかな装着が必要です。
「でもやはりエリザベスカラーをつけていると食べない…」という場合に、ぜひ試してほしい方法があります。
これはできれば、エリザベスカラーを外す前に挑戦してほしい方法なのですが、『手でフードを犬の口元に持っていってあげる』という方法です。
エリザベスカラー装着時の食事方法では、犬が食べやすいように食器の位置を高く上げる、という工夫をするかと思います。しかしその方法でも食べてはくれず、かといってエリザベスカラーを外すと食事よりも患部が気になってしまう…という場合は、手で直接口元に持っていってみます。
もしそれでも食べてくれない場合は、食事の内容を見直せるようであれば見直してみましょう。
特別な疾患があり決まった療法食でなければならない犬であれば、フードを温めてみたりふやかしてみたり、同じ療法食の缶詰などがあればそれを使ってみるのもいいでしょう。
また、このような特別な療法食でなく、なんでも食べて大丈夫な犬であれば、嗜好性や香りの高いものを混ぜたり選択して与えてみるのもおすすめです。
なお、いつも食べているフードになにか別の味を混ぜる際はたくさんの量を混ぜる必要はありません。少し香りが強くなる程度のスプーン1杯程度の量でも、犬にとっては大きな変化となりそれだけでしっかり食べてくれたりもしますので、ぜひ試してみてください。
まとめ
犬がエリザベスカラーをつけていることでご飯をたべてくれないのであれば、ひとまずいろいろ試してみてから外すという選択をしてほしいと思います。
しかし、それでもどうしても食べてくれないという場合は、食事の時だけエリザベスカラーを外して食べてもらうという方法も一つの手です。
ただし、その際は目を離さず患部をいじってしまわないか、よく注意しておいてください。