難易度は低く設定しよう
ノーズワークを成功させるポイントは、『難易度を低く設定する』こと。
これはすごく大事なことなのですが、ついノーズワークマットやそれ専用のおもちゃを使ってほしい気持ちが先行してしまい、その結果、犬にとって「楽しい」よりも「難しい」が勝ってしまうことがあるのです。
私たち人間もそうですが、同じゲームでも最初は難易度が低いところからスタートして、徐々にその難易度が上がっていくというプロセスを踏みますよね。最初は簡単にクリアできることが楽しいけれども徐々に難しくなっていき、最終的にはなかなかクリアできないけどそれで逆に夢中になり、クリアできればその達成感を満喫します。
最初から難しいゲームでは、ゲームへのやる気があっという間に失せてしまい、投げ出してしまうのではないでしょうか。犬のノーズワークもそれと同じで、最初から難易度をあげて取り組ませてはいけません。
最初は床にばら撒くだけ
では、どのくらいの難易度からスタートしたらよいのでしょうか。
実は拍子抜けするくらい簡単なところからスタートするのがおすすめ。その方法は、道具なんて必要とせず、ただ床にフードをばら撒くだけです。
ここで大事なのは、まとめて一箇所に置くのではなく、思い切って床にばら撒いてあげてください。
犬は四方八方に広がったフードを、視覚と嗅覚を使って探しながら食べます。
犬は嗅覚をあまり使わない生活をしていると、視覚だけに頼って嗅覚を使わない犬になってしまいます。もしそうなっている場合、視覚で確認できるフードは食べますが、ちょっとそこから外れたフードは探そうとはせず気付きもせず食べない…ということに。
しかし、それもノーズワークを重ねることで、徐々に嗅覚をしっかりつかって取り組むようになるため、床へのばら撒きからぜひスタートしてみてください。
難易度少しずつをあげていこう
床のばら撒きノーズワークがスムーズにできるようになり、視覚から外れたフードも嗅覚を使って探し食べるようになったら、ぜひ次のステップに進んでみましょう。
とはいってもやり方はさまざまで、その犬にとって難しくないレベルを探して取り組んでみます。そのためには「これくらい簡単すぎるかな?」と感じるくらいの内容がちょうど良いです。難しくて「もういいや、諦めた…」となるよりも「お!これくらい簡単だ!ほらできた!」となる方が楽しく取り組めますし、それによって次のステップにも進みやすくなります。
おすすめの方法としては、以下のような方法があります。
- タオルを敷いてその下にフードを隠す
- 紙コップを重ねてその間にフードを隠す
- 紙をくしゃっとして、その隙間にフードを隠す方法
とにかくすぐに発見しやすい方法で、段階的に進んでいきます。そのうち本当にあっという間にフードを探して食べてしまうようになりますが、それでOKです。
徐々にフードを得るまでの難易度を上げていきますが、それでも一生懸命犬はフードを得るために前足や口をつかって破いたり、引っ張ったり、投げたりといういろんな行動を見せてくれます。
ときには飼い主さんの方を見て「手伝って?」と訴えかけてくることもあるので、そのときはぜひ手伝ってあげてください。そうすることで「なるほど、こうすれば出てくるのか!」と学習し、次は自分で最後までできるようになったりもします。
まとめ
ノーズワークはいきなりハイレベルのスタートではなく、まずはフードを床にばら撒いて探してもらう程度の難易度からスタートさせます。
特に嗅覚をフル活用するような生活をしていなかった犬にとっては、いきなりノーズワークマットやおもちゃを使った方法は難しい場合も少なくありません。それではせっかく楽しむためのノーズワークがつまらないものとなってしまいます。
それを避けるためにも、また一度チャレンジして断念してしまった場合でも、難易度を下げて嗅覚を鍛えながら取り組むことで楽しむことが可能です。
ぜひ、ノーズワークで愛犬の心を満たしながら、楽しいご飯を提供してあげてください。