犬が『ご飯を食べない』のはワガママなのか?

犬が『ご飯を食べない』のはワガママなのか?

犬がご飯を食べてくれなくて困っている飼い主さんは少なくありません。 そして、ほとんどの人が(これって犬のワガママ?)と考えてしまう傾向がありますが、本当にそうなのでしょうか? ワガママだと考えてしまう前に、「なぜ」犬が食べてくれないのかを考え、それに合った対処をする必要があります。

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犬が「ご飯を食べない」のはワガママではない

フードボウルの隣でフセをする犬

まず、「犬がご飯を食べないのは決してわがままではない」ということを知ってください。

そもそも「食べる」というのは生きるために必要な行為であり、どんな生き物でも食べないで生きていけるということは決してありません。

では、なぜそんなに大切なご飯を食べない犬がいるのでしょうか。

  • 病気等の体調不良
  • 病気ではないがなんとなく食べる気が湧かない
  • あまり好ましい味ではない
  • もっと美味しい味を知ってしまった

食べない原因として考えられる理由はさまざまですが、まず第一に体調不良ではないかを疑ってください。

一見元気そうに見えても食欲不振状態にあるケースは決して少なくなく、食欲不振を招いている原因を取り除くことで食欲が出る場合もあります。

もしそのような体調不良でなければ、味の好みや以前もっと味覚をそそられる食べ物を経験したことによる期待から、食べるという行動が後回しになっている可能性ももちろんあります。

しかしこれは決してわがままではなく、単純に「おいしいものを食べたい」という欲求、ただそれだけです。

人間も普段食べているものだけを食べていればそれがその人にとっての普通であり、それ以上美味しいものを知らなければ求めることもないですよね。犬もそれは同じで、普段食べていたものよりも嗜好性の高いものを味わうと、それをもっと食べたいと考えてしまうものなのです。

ただ、その気持ちにばかり応えてしまうと、いざというときに食事コントロールで困ってしまいかねません。そのため、味ではなく食事の方法による工夫で「食べる」という行為自体を楽しんでもらうことをおすすめします。

犬の本来の食事の仕方とは

鳥の模型を咥えて走ってくる犬

犬がご飯を食べない原因のひとつに「食べる気が湧かない」というものをあげましたが、多くの犬がこのケースに該当します。

「食べる気が湧かない」というのは、すなわちその犬にとって「食事がつまらない」ということ。

考えてみて欲しいのですが、犬に食事を提供するとき、人間はフードボウルによそって食べさせますよね。しかし、実はこれは犬の本来の食事のあり方ではないことをご存知でしょうか。

犬は本来どのようにして食事をすると思いますか。お上品にフードボウルに自分で食べ物を入れて食べるでしょうか。決してそんなことはありませんよね。

犬は本来狩猟によって獲物を獲得し、そのあと被毛・皮膚を口や前足をつかって取り去り、初めて肉にありつくことができます。また、骨の内側にある内蔵を食べるためには、その骨を砕き取り除いてからやっと食べることができますね。

このように、本来の犬の食事というのは、獲物を追いかけ獲得してから、さらに食べることができる部位に到達するまでにも労力をかけています。これはとても大変な作業なので、飼育環境においてはフードボウルで簡単に提供してあげることが愛情のようにも感じるかもしれません。

ですが、それは実は擬人化してしまっているだけで、犬にとってはただ退屈な食事に過ぎない可能性があるのです。

犬が楽しめる方法でご飯を提供する重要性

ノーズワークアイテムを使う犬

ただご飯が出てくるだけ、というのは、忙しい毎日を送っている人間にとってはとても楽で助かるかもしれません。しかし、犬の立場からしてみれば、ただご飯が出てくるというのはあまりにも単純でつまらない可能性があるのです。

もちろんご飯が大好きで、フードボウルからでも喜んでぺろりと平らげる犬もたくさんいますが、そのような犬は急ぎ食いをしたり、食後もどこかまだ満たされていないような様子を見せることが少なくありません。

よく食べる犬は食事が楽しみで仕方ないからよく食べるでしょう。しかし、食べない犬は単純でつまらないから食べる気がしないのです。それでも、食べなければ命に関わるので限界になったら仕方なく食べているのです。これでは、犬にとって非常に残念なご飯の与え方ですよね。

犬として本来あるべき生き方を尊重してその心を満たしてあげるためには、犬が楽しめる方法で食事を提供してあげることが非常に大切です。

具体的には、『知育トイ』や『ノーズワーク』といった単語で検索すると出てくるさまざまなアイテムを使うことで、愛犬にフードを獲得する楽しみを与えることが可能です。

また、そのようなアイテムをわざわざ購入しなくても、紙コップや紙にフードをくるんだり、タオルの下に隠したりなどしてすぐにフードにありつけない状態にすることができます。初めての場合は、フードをただ床にばらまいてみるだけでもいいですね。

いずれにしても、犬の五感を刺激した食事法を提供することで、食事のための行動を楽しむことができます。そしてそれによって、愛犬の「食べる」という行動を増やすことが可能できますので、「ご飯を食べない」とお悩みの場合はぜひ試してみることをおすすめします。

まとめ

ご飯を食べない犬

今回は、犬が『ご飯を食べない』のはワガママなのか?ということについて解説しました。

犬がご飯を食べないことは決してワガママではなく、「犬が今どのような状態にあるのか」「どのような気持ちなのか」ということの指標なのだと気づいていただきたいです。

体調が悪いのかもしれないし、そうでなければ困っていたり、求めているのかもしれません。

多くの場合は、ただ出てくるだけの食事に退屈さを感じているため、犬本来の行動によって楽しくご飯にありつけるよう工夫してみましょう。

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