犬に「呼び戻し」を教えるべき理由
呼び戻しとは、飼い主の「おいで」の掛け声で犬を飼い主の元に戻らせるしつけ方法です。犬がどこで何をしていても、どのような状況にあっても、すぐに飼い主の元に戻ることができなければなりません。
掛け声は「おいで」「来い」「戻れ」「Come」など、お好きなコマンドをひとつ決めます。常に統一して使い、家族間でも共有するようにします。
私は「おいで」の掛け声を最もおすすめします。その理由は、例えば災害が起きて飼い主とはぐれてしまった時、旅行先で迷子になってしまった時などに、犬に対して「おいで」と声をかける人がほとんどだからです。「おいで」に反応できるようにしておけば、いざという時に安心です。
1.散歩中にリードを手放してしまった時のために
散歩中の思わぬ出来事に遭遇してしまった時、愛犬の安全と命を守るため、呼び戻しを教えるべきです。
散歩中にリードを手放してしまった時、壊れて外れてしまった時、犬は飼い主よりも先を歩いて行ってしまいます。急にリードを引く力がなくなったことで、走り出してしまうこともあります。
さらに先へ行ってしまっては、車道に飛び出し、交通事故に遭ってしまうかもしれません。飼い主が愛犬を見失ってしまうかもしれません。
愛犬が迷子になり、探しても見つからなかった時、未だ帰ってこない時、事故死してしまった時、(呼び戻しができていたら…)と、必ず後悔します。
愛犬に引っ張り癖もないし、リードを手放すなんて、壊れて外れるなんて、そんなことは絶対にない、と誰もが思っています。それが、愛犬に呼び戻しのしつけをしていない理由です。
しかし、いつ必要になるか分からないからこそ、愛犬の安全と命を守るために、呼び戻しを教えるべきなのです。
2.愛犬が被害者にも加害者にもならないために
ドッグランでは、犬同士のトラブルが必ず起きます。これまで仲良く遊んでいた犬同士が、ほんの些細な出来事をきっかけに、喧嘩になってしまうことがあります。「一方的に咬みつかれた」は、よく聞く話です。
ドッグランでは、ほとんどの犬が飼い主から離れ、ノーリードで楽しんでいます。飼い主は愛犬の姿を終始見守っていますよね。(あ…あれはよくないな)という雰囲気を感じたことはありませんか?
トラブルが起きてしまう前に呼び戻しができれば、愛犬がトラブルの発端になることも、巻き込まれることもありません。愛犬にしつこく接してくる犬がいた時、愛犬を呼び戻すことができれば、それ以上の行為に発展することはありません。
飼い主のほとんどが(うちの子は大丈夫)と思っています。ノーリードで遊ばせるくらいですから、トラブルを起こすようなことはないと思っています。
しかし、いつ被害者になり、いつ加害者になるか分かりません。自分の身を守るため、相手に咬みつくことだってあります。防ぐためには、呼び戻しを教えるべきなのです。
犬に呼び戻しを教えるコツ
愛犬を呼び、愛犬が自分の元へやって来た時、必ず「嬉しいこと・楽しいこと」を経験させます。
おやつを与えるのもよいです。思いっきり撫でて褒めてあげるのもよいです。愛犬が要求すること(ボール遊び・散歩など)をしてあげるのもよいです。飼い主に呼ばれて行った時、嬉しいこと・楽しいことのみが起これば、犬はいつだって飼い主の元に戻ってきます。
おやつがもらえると思って行ったのにもらえなかった。呼ばれて行ったのに、呼んでないフリをされた。呼ばれて行ったら苦手なことをされた。呼ばれて嬉しくて抱っこされたら、そのままケージに入れられた。
普段からこのような経験が多い犬は、呼び戻しが上手くしつけられないことがあります。飼い主に呼ばれた時、愛犬が嫌な経験よりも、嬉しいこと・楽しいことの方が多く経験できるように過ごしてみましょう。
まとめ
犬に呼び戻しを教えるべき理由を2つ解説しました。
- 散歩中にリードを手放してしまった時のために
- 愛犬が被害者にも加害者にもならないために
日常生活の中で、呼び戻しの必要性を強く感じることって、ほとんどないですよね。一生に一度、必要になるか、ならないか。しかし、その一生にたった一度の出来事が、愛犬の命を奪ってしまうことがあります。
だからこそ、不安や心配事を取り除くためにも、呼び戻しを教えるべきなのです。