1.歯がかゆい
犬が飼い主さんの洋服を噛むときの理由のひとつが、歯のかゆみなど口内に違和感を感じているから、というものです。
犬は、生後半年を過ぎると少しずつ乳歯が抜けて、永久歯へと生え変わります。その際、歯が抜けかけているときに口の中に不快感を感じたり、新しい歯が出てくるときに歯ぐきにむずがゆさを感じたりするのです。
そのような不快感やかゆみを解消するために、身近にあるものを何でもかんでも噛んでしまうということは多くの犬で見られることです。たまたま飼い主さんがそばにいて洋服を噛んでしまうこともありますし、洋服を噛むことで不快感が軽減される場合もあるのだと思います。
乳歯から永久歯に生え変わっている時期の犬が、飼い主さんの洋服や家具など噛んではいけないものを噛んでいるときは、様々なタイプの犬用おもちゃを用意してあげてみてください。噛んでいて心地よさを感じるおもちゃの素材や硬さは、その犬によって違うため、色々なものを噛ませてあげて不快感の解消をサポートしてあげましょう。
2.かまって欲しい
飼い主さんの洋服を噛む犬の中には、「遊んで欲しい」「かまって欲しい」「甘えたい」という思いがあることも考えられます。家の中で退屈をしているときや、飼い主さんとのコミュニケーションを求めているときに、洋服を噛んで引っ張ることで「こっちを見て!」と合図をしているのでしょう。
甘えたい気持ちがあっても言葉で伝えることができない犬は、様々な行動・ボディランゲージで意思を伝えようとします。
静かに飼い主さんのことを見つめていてもなかなか気がついてもらえませんが、吠えて騒いだり飼い主さんの洋服を引っ張ったりすれば、大抵は自分に目を向けてもらえると犬は学習しています。洋服を噛んで怒られることもあるかもしれませんが、かまってもらえず寂しい思いをするよりはマシだと考える犬も少なくありません。
犬に洋服を引っ張られて困っている場合は、その行動が定着してしまわないように、できるだけ大きな反応は示さないようにしましょう。犬の目を見たり話しかけたりすると、犬はそれを「かまってもらえた=ごほうび」と捉えてしまうので、できるだけ無視をして立ち去るようにしてください。
その上で、愛犬が静かにしているときに、飼い主さんの方からスキンシップをしたり、おもちゃ遊びに誘ってあげたりしましょう。
3.引っ張りっこ遊びのつもり
愛犬に洋服を噛んで引っ張られたとき、大きな声で「こらー!」と騒いだり、洋服を引っ張り返したりすることはありませんか。飼い主さんにとっては大切な洋服なので、そのような反応は当然のものだと思いますが、それによって犬は洋服を噛むことが楽しくなってしまうことがあります。
犬は、狩猟本能が満たされる引っ張りっこ遊びが大好きです。「獲物」を捕らえて噛みつき、引っ張ったり噛み壊したりすることで、狩りをしていた動物としての本能が満たされるのです。
そのため、噛みついたものを引っ張られると、それを引っ張り返してしまう習性があります。犬から取り上げたいからといって、力任せに引っ張ってしまうのは逆効果です。
また、大きな声を出したり大げさな反応を示したりすると、犬は(飼い主さんも引っ張りっこ遊びを楽しんでいる♡)と勘違いしてしまうので注意しましょう。
まとめ
犬が洋服に噛みついたり引っ張ったりすることは、珍しいことではありません。犬にとっては噛み心地のよいおもちゃに感じることもありますし、引っ張ったときの飼い主さんの反応が楽しくてくり返してしまうこともあります。
愛犬に洋服を噛ませたくない場合は、しっかりとしつけをすることが大切です。愛犬が少しでも洋服に歯を当ててきたら、すぐにその場を離れて無視をしましょう。「洋服を噛んだら飼い主さんがかまってくれる」ということを誤って学習させないように気をつけてください。
その上で、噛んでいいおもちゃでたっぷり遊ばせて、愛犬の本能や欲求を満たしてあげるようにしてくださいね。