鼻ぺちゃ犬がかかりやすい病気とは
まずは、鼻ぺちゃ犬がかかりやすい病気について解説します。
1. 鼻腔狭窄(びくうきょうさく)
鼻腔狭窄は鼻ぺちゃ犬がかかりやすい病気であり、鼻の穴から奥に続く鼻腔と呼ばれる空間が極端に狭くなった状態のことを言います。
同じ犬種であっても個体差がありますので、同犬種の他の犬と比べて(うちの子って、鼻の穴が小さいかも…?)と感じられることがあります。
また他にも、以下のような症状が見られることがあります。
- 鼻からブーやグーと音が鳴る
- かるいお散歩でも呼吸が荒くなりやすい
- チアノーゼになりやすい
鼻腔狭窄は、鼻ぺちゃ犬の中でもパグ・ブルドッグ・フレンチブルドッグがかかりやすい病気とされています。ペキニーズやシーズーなどもかかりやすく、先天性の奇形が主な原因であるとされています。
予防することの難しい病気で、基本的には体重管理などで経過観察になりますが、狭窄の程度がひどい場合には外科療法を行うこともあります。そのため、愛犬の異変に早く気づくことが大事です。呼吸がおかしいかも…と感じたらすぐに病院へ行きましょう。
2. 熱中症
熱中症は鼻ぺちゃ犬がかかりやすい病気であり、飼い主の80%が犬に熱中症のリスクがあることを知っています。
しかし、実際には毎年のように熱中症で病院へ運ばれてくる犬がおり、命を落としてしまう犬も。すなわち、飼い主がリスクを知っていながらも十分な予防ができていない、または熱中症の初期症状だと気付くことが難しいということです。
鼻ぺちゃ犬はパンティングによる体温調節が苦手で、他の犬種と比べて熱中症にかかるリスクが高くなります。興奮しやすい犬はとくに注意が必要です。
犬が熱中症にかかった時の初期症状では、まず呼吸が荒くなります。激しいパンティングと共に大量のよだれが出るようになります。
中度ではフラフラと歩いたり、ぐったり寝転んだまま動かなくなったりします。重度では、嘔吐や下痢を繰り返したり、痙攣を起こしたり、失神してしまうことがあります。
熱中症の予防は、愛犬に適切な温度を知って管理することです。夏場の冷房だけではなく、冬場の暖房にも注意が必要です。
夏場のお散歩は、日差しのない気温の低い時間帯に行くようにし、車の中で犬をお留守番させることは絶対にいけません。ほんの数分の間にも熱中症にかかってしまいます。人が暑いと感じるよりも低い気温で犬は熱中症を起こしてしまうということも知っておきましょう。
3. 気管低形成
気管低形成は鼻ぺちゃ犬がかかりやすい病気であり、気管の太さが本来の太さに達していない状態のことを言います。
発育の過程で問題が起き、気管が細くなってしまうことがあります。また、遺伝的な要因でも気管が細くなり、気管低形成となってしまうことがあります。
気管が細いため、息を吸う時も吐く時も太さが変化せず、犬が口を開けたまま呼吸をしたり、ゼーゼーと音を出しながら呼吸をしたりなどし、息苦しい様子が分かります。
初期症状では、暑い時にはパンティングが激しくあり、お散歩や運動を嫌がるようになります。症状が進むと、お散歩や運動にも耐えることができなくなり、泡の混じったヨダレを垂らしたり、酸欠になったりすることがあります。
予防することが難しく、短頭腫気道症候群という病気と一緒に発症することがよくあります。早期発見と早期治療のため、定期的な健康診断を受けるようにしましょう。
まとめ
鼻ぺちゃ犬がかかりやすい病気を3つ解説しました。
- 鼻腔狭窄(びくうきょうさく)
- 熱中症
- 気管低形成
鼻ぺちゃであるがゆえに、マズルの長い犬とは構造が異なり、かかりやすい病気があります。先天的な病気が多く、年齢に関係なく発症します。
先天的な要因や遺伝を気にされる場合、子犬のうちに検査を受けてみるとよいと思います。
また、体重の増加や加齢が症状を悪化させることがあります。定期的な検査で病気の悪化を予防するようにしましょう。