愛犬がケガをしてしまう「NGスキンシップ」とは
では、愛犬がケガをしてしまうような「NGスキンシップ」について、具体的に解説しましょう。
1.急に抱き上げる
愛犬がかわいいからといって、犬がくつろいでいるときや他のことに気を取られているときなどに、急に頭に触れたり抱き上げたりするのはNGです。ついつい手を伸ばして、無意識に何気なく触れてしまっている人も多いのではないでしょうか。
窓の外で急にスズメが飛び立っただけで、大慌てで逃げ出す犬もいるほど、犬は予想外のことについて敏感です。
そしてこれは飼い主に触れられることについても同様で、甘えているときや遊んでいるときはよいのですが、犬自身が全く予期していないタイミングで触れられると非常に驚いて激しいリアクションをすることがあります。
例えば、窓の外をぼんやりと眺めている犬を後ろから急に抱き上げたりすれば、犬は驚いて体をよじり、落下してしまう危険があるでしょう。
うとうとしているときに頭に触れたり、何か別のことに没頭しているときに背中に触れたりすると、びっくりした犬は急に飛びのいて家具にぶつかったり床で転んだりする危険もあるのです。
愛犬をかわいがるときは、「急に」「不意に」という行動を控え、一言声をかけてから(犬に「触るよ」と合図をしてから)触れるようにすると良いかもしれません。
2.口への濃厚な接触
愛情表現の一環で、犬に対してキスをする方もいるかもしれません。また愛犬が甘えて飼い主の口元を舐めることがありますが、かわいいからと言ってこれをさせるがままにしてしまう人も多いのではないでしょうか。
犬は子犬のころの習性のなごりで、甘える際に相手の口元を舐めることがあります。そのため、人が犬に対して口元にキスをするようになると、犬は(飼い主が自分に甘えている)と勘違いしてしまうことがあるのです。
また犬の口腔内は、人とは異なる細菌が常在しています。犬にとってはなんということもない細菌でも、人の体内にたくさん侵入してしまった場合、その人の体力が落ちているときなどは感染症を発症する危険もあります。もちろん逆に、犬へ人の細菌を伝染させてしまうこともあるので注意が必要です。
更に、犬たちが口元を舐めているうちに興奮して跳ねまわったりすると、お互いの唇に歯が当たったりして危険です。
3.足元にとびかからせる
飼い主が帰宅すると、犬たちはうれしくて駆け回ったり足元でぴょんぴょんと跳ねたりします。歓迎されていると思うとかわいい仕草ですが、このふれあい方も注意しないと犬のケガにつながる場合があります。
ぴょんぴょん跳ねる仕草というのは、背の低い犬たちが飼い主の顔をよく見たくて顔を近づけたいのだという説もあります。しかし嬉しさのあまり興奮して跳ね回っていると、着地時に足を捻ったり滑って転んだりしてケガをする恐れもあります。
また興奮してくると後ろ足で立ちながらぴょんぴょんと飛びつく子もいるでしょう。これも顔を可能な限り近づけたい仕草だと思うと本当にかわいいのですが、犬にとって後ろ足だけで立つ姿勢は腰が反り返る不自然な姿勢です。
上半身を持ち上げて腰を強くそらすことで、腰椎のヘルニアを起こしたり骨盤への負荷が強くかかったりする危険があるので、犬たちにはなるべく後ろ足でジャンプし続けないようにさせてあげましょう。
まとめ
今回は、愛犬がケガをする『NGスキンシップ』について解説しました。
飼い主のみならず、犬の方ももちろん、飼い主さんとのスキンシップは大好きです。
大好きだからこそ、ケガや病気のリスクに注意して、脅かしたり落としたりする危険のないスキンシップを心がけたいものですね。