近所迷惑になるほどの大きな鳴き声の原因は?
人間の「しゃべる」と同じように、犬も感情をあらわしたり意思表示のために鳴き声を発します。では、近所迷惑になるほど大きな鳴き声を出すのはなぜなのでしょうか?
①警戒心から鳴く
自分にとってのテリトリーであるお家に知らない人が入ってきたり、インターホンの音に反応したり、散歩中に出会った犬や人に吠えるなどの場合、強い警戒心によって大きな声で鳴いていると考えられます。
これは番犬として働いていた昔の名残かもしれませんが、毎回のように大きな声で鳴くのであればしつけが必要です。
②要求から鳴く
「散歩に行きたい!」「オヤツがほしい!」「遊んで!」などの要求を飼い主さんに伝えるために、大きな声で鳴きます。おそらく過去に「吠えたら飼い主さんが欲求を満たしてくれた」という経験があるのでしょう。
③興奮から鳴く
嬉しいときや楽しいときにテンションが上がり、興奮状態で大きな声で鳴きます。とくに飼い主さんが帰宅したときによくみられる光景です。
④不安から鳴く
飼い主さんと常に一緒にいることが当たり前という生活を過ごす犬は、飼い主さんの姿が見えなくなると不安な気持ちになり、姿が見えるまで鳴き続けることがあります。
これは分離不安とよばれるもので、近所トラブルに発展するケースとして多く挙げられます。
飼い主さんがとるべき対策4つ
何分間も吠え続けていたり吠える頻度が明らかに多い場合は、「しつけができていない」「飼い主としての責任を果たせていない」と見なされてしまいます。ご近所の方とのトラブルに発展しないよう、飼い主さんはしっかりと対策をしましょう。
①犬にとって落ち着ける場所を作る
インターホンに警戒して鳴く場合は、クレートや寝床など犬にとって落ち着ける場所に誘導しましょう。
インターホンが鳴ったら「ハウス」と言ってクレートの中に入らせ、鳴くことを我慢できたらオヤツをあげます。これを繰り返すことで、インターホンへの警戒心も薄れていくでしょう。子犬のころからインターホンの音を聞かせて慣れておくこともオススメです。
②要求鳴きをしたら、気持ちを切り替える
オヤツがほしいなどの要求のために鳴く場合は、鳴いている間は無視をし続けましょう。鳴き止んだらオテやオスワリなどのコマンドを出し、褒めてオヤツをあげます。
欲求鳴きの場合は、犬の気持ちを切り替えることが大切です。これを繰り返すことで、「吠えても意味がない」と学習してくれます。
③外出時に声をかけない
外出するときに、愛犬に「行ってくるね」「いい子にしててね」などと声をかけたり頭を撫でたりすると、犬は「飼い主さんがいなくなる」「寂しい」「行かないで」という気持ちから、吠えるようになります。
飼い主さんの姿が見えなくなったあとも、ずっと吠え続けることも。飼い主さんが外出するたびにこのような状況では、ご近所へ迷惑がかかってしまいます。
外出するときは愛犬に声をかけず、頭を撫でたりなど構ったりせず、サッと出ていくようにしましょう。
少し寂しい気持ちもありますが、これを繰り返すことで「出て行っちゃったけど、ちゃんと帰ってくるから大丈夫」と信頼し、安心して一人で過ごしてくれます。
④帰宅時に声をかけない
③の外出時と同じですが、帰宅時に「ただいま!」「いい子にしてた?」などと声をかけるのもオススメしません。
声をかけたり大げさに喜ぶと、「やっと帰ってきた!」「帰ってくることは特別なこと」と認識し、分離不安がさらにエスカレートする恐れがあります。愛犬の姿が見えてもクールに対応し、少し落ち着いたあとに構ってあげましょう。
まとめ
愛犬の鳴き声はかわいいもの、愛しいものと感じる飼い主さんも多いでしょう。しかし他人から見れば、そのような心情は全く関係ありません。
愛犬の鳴き声によってご近所の方がストレスを感じたり、体調が悪くなったり、不眠が続くようになったなど迷惑をかけた場合、損害賠償を請求されることがあります。
自分の家族だけでなく、ご近所のみなさんも穏やかに過ごすことができるよう、しっかりと対策をしていきましょう。