犬がウンチをする前にクルクル回る…考えられる心理4つ
犬がウンチをする前にクルクル回る行動は、多くの飼い主さんが目撃しています。一体なぜ犬たちはこのような不思議な行動を見せるのでしょうか。
さまざまな説がありますが、ここでは犬がウンチをする前にクルクル回る理由として、考えられている心理を紹介します。
1.ウンチをする場所を決めている
ウンチをする前にクルクル回る理由として、ウンチをする場所はここでいいかどうか決めている最中、という心理が考えられます。
これは元々犬たちが野生動物として暮らしていた頃の名残と考えられており、「この場所でウンチをしても大丈夫かな?」「危険はないかな」「ウンチをする場所として最適かな」とクルクル回りながら考えているという説です。
自然界では絶対に安心できる場所は存在しません。自分の完全なるテリトリー外である屋外では、特にこのような行動が見られるという飼い主さんの声も多いです。
2.地面に危険なものがないか確認している
先にお話ししたように犬がウンチをする前にクルクル回る行為は、野生時代の名残であるという説が濃厚です。クルクル回る理由として考えられている心理には、地面に危険なものがないか確認しているという理由が挙げられます。
例えば、地面に危ない物(先端が尖ったものなど)が落ちていないか、また毒を持った虫がいないかなど、自分が安心して排泄できるかどうか確かめているのでしょう。
クルクル回る以外にも、念入りにその場所を嗅いだりじっと見つめたりといった謎行動を見せる犬がいますが、これも同じ理由だと考えられます。
3.排泄しやすいように場所を整えている
同じ場所でクルクル回る行為には、その場所を居心地が良くなるように整えるという意味があると考えられています。
自分が排泄する場所に草が生い茂っている場合、隠れることはできても草が体に刺さったりするため、排泄する最中に不快感を覚えてしまいます。このような草を踏み締めることで、排泄しやすいよう場所を整えているのです。
この理由はウンチをする前だけでなく、寝る前にも見られる行動です。寝る時のクルクル回る行為も、自分にとって寝心地が良くなるよう寝床を整えていると考えられています。
4.落ち着かない気持ちを紛らわそうとしている
排泄時、「ウンチがしたい」とソワソワと落ち着きがなくなる犬も多くいます。したがって、落ち着かない気持ちを紛らわすためにクルクル回っているという説も唱えられています。
犬は気持ちが落ち着かない時、同じ行動を繰り返すことで気持ちを落ち着かせたり紛らわせたりしようとします。『常同行動』と呼ばれる行為の1つに、同じ場所でクルクル回るという行動がよく見られます。
ウンチをする前にクルクル回っている犬の中には、ウンチが出るまで気持ちを落ち着かせようとクルクル回っている子もいるのかもしれません。
南北の軸に沿って体の向きを揃えているという説も
最近発表された研究結果の中に、「犬がウンチをするときは、南北の軸に沿って体勢を整えている」という驚きの結果が含まれていました。
犬は驚異的な方向感覚を持つ動物です。その理由の1つに、地球の磁場を感知する能力が備わっているのではないかという説が唱えられているのです。
2013年、チェコのチェコ生命科学大学とドイツのデュースブルク・エッセン大学の研究チームは、犬が排泄時に地球の磁場の南北の軸に沿って体の向きを揃えることを好んでいる、ということを発見しました。
これにより、犬がウンチをする前にクルクル回る行動には地球の磁場を感知し、南北に沿って体の向きを変えることで、自分が住んでいる元の場所へ帰る準備(帰巣本能)を整えてから排泄しているのではと考えられているのです。
まだ研究段階の説ではありますが、犬の不思議な行動パターンを研究することで、また新たに面白い事実が発覚するかもしれません。
まとめ
いかがでしたか。犬がウンチをする前にクルクル回る行動は、犬に受け継がれている野生時代の名残だと考えられています。新しい説も浮上しているため、今後、犬がなぜウンチする前にクルクル回るのか、という真実が次々に明らかになるかもしれません。