興奮しやすい犬は要注意
犬にもさまざまな性格があります。何があっても堂々と落ち着いている泰然自若なタイプ、好奇心旺盛で何でも知りたがって一喜一憂しやすいタイプ、ちょっとしたことにもすぐに動揺してしまう怖がりなど、犬も人も性格はあまり変わらないかもしれません。
興奮してしまった犬を落ち着かせるのは難しいですが、落ち着かせないと犬自身が怪我をしたり、人を怪我させたり、物を壊したり、異物を飲み込んだりと、犬自身にとっても周囲にとっても多くの危険が伴う可能性が高まります。
犬が興奮する原因の多くは、喜び、恐怖、欲求不満です。そして我慢強かったり、臆病だったり、好奇心旺盛でちょっとお調子者だったりする犬の場合、比較的興奮しやすい傾向があるといえるでしょう。
十分なしつけは、日常生活中でコントロールできないほど興奮させるような事態を防げます。特に興奮しやすい犬に対しては、「マテ」「フセ」「ハウス」といった落ち着かせるためのコマンドをしっかりと身に付けさせるようにすると良いでしょう。
万が一愛犬が興奮してしまった場合、対処法を間違えると飼い主さん自身が怪我をしてしまうこともあり得ますので注意が必要です。
犬が興奮している時にやってはいけないNG行為とは
興奮してしまった犬に対してやってはいけないNG行為とはどのようなものなのでしょうか。
1.叱りつける
愛犬が興奮している場合、愛犬の興奮を鎮めるためには興奮の原因を見極めることがとても重要になります。
もちろん、興奮している原因が取り除けるものなのであればそれを取り除くためでもありますが、愛犬を落ち着かせるための対処法にも関わってくるからです。
愛犬の興奮の原因が分かり、恐怖からパニックを起こすほど興奮してしまっているのだとわかった場合、決してやってはいけないのが「叱りつけること」です。なぜなら、叱りつけることで愛犬の恐怖心や不安な思いを増幅させてしまうからです。
「構って欲しい」という欲求が溜まると、ちょっとしたご家族の言動にも驚くほど喜び興奮してしまいます。そんなときも叱りつけてはいけません。構ってもらえたと勘違いしてますます興奮してしまいます。また、興奮すれば構ってもらえると誤った学習をしてしまいます。
2.要求に応える
欲求不満の原因は「構ってほしい」だけではありません。「おやつがほしい」「散歩に行きたい」など、なにか要求があるのになかなか叶わずにパニックを起こすほど興奮してしまうという場合もあります。
この場合、愛犬の要求に応えてはいけません。要求が叶えばおとなしくなるかもしれませんが、興奮して吠えたり唸ったり飛びついたりジャンプをしたりすることで、今後も要求が叶うと学習してしまいます。
3.触る
雷や花火、工事の騒音など、振動を伴うような大きな低音は、犬に対して恐怖心を引き起こす原因になります。また大震災のような恐怖体験を持つ犬は、そこまで大きくない地震にも過敏に反応し、パニックを起こしてしまうこともあります。
このような恐怖心からパニックに陥り興奮している場合は、愛犬を落ち着けようとしてむやみに触ってはいけません。緊張状態の犬の視界に手が入ると、犬の思いとは関係なく、反射的に噛み付いてしまうことがあるからです。
興奮した犬への対処法
ではここからは、犬が興奮している時の正しい対処法についてご紹介します。興奮しがちな犬の対処に困っている方はぜひ参考になさってくださいね。
無視する
愛犬が興奮した場合は、原因が何であれまず落ち着かせることを最優先しましょう。その際に真っ先にやることは、愛犬に対して「無視」することです。無視しながら、愛犬の興奮の原因を見極めましょう。
前述の通り、興奮している犬に対して叱りつけたり要求を叶えたり触ったりしてはいけません。また、そばにいるご家族自身も落ち着く必要があります。そのためにも、まずは興奮している愛犬に対して無視することで刺激を与えず、ご自身も落ち着く必要があります。
興奮している原因を取り除く
愛犬が興奮している原因がわかったら、無視を続けながら淡々と興奮の対象を取り除きましょう。もちろん取り除けない場合もあると思いますが、その場合はなるべく刺激が和らぐ方法を考えてください。
例えば、ご家族の帰宅に大喜びして興奮している場合、帰宅したご家族は、愛犬を無視したまま淡々と手を洗ったり着替えたりというような行動を続けましょう。
落ち着かせる
無視することで愛犬の興奮状態が多少落ち着き始め、ご家族のコマンドに対して聞く耳を持てるようになったら、「マテ」「フセ」「ハウス」といったコマンドで、愛犬を積極的に落ち着かせてください。
日頃から十分にしつけを行い、どんな状況でもしっかりとご家族の指示に従えるようになっている場合は、極度の興奮状態に陥らずにこれらのコマンドですぐに落ち着くことができるでしょう。
抱きしめる
興奮の原因が不安や恐怖心の場合、前述のような手順でまずは愛犬を落ち着かせてください。その後、ご家族が愛犬を抱きしめて安心させると良いでしょう。
ただし、興奮中の愛犬に触るのはとても危険です。愛犬の様子をしっかりと観察しながら、対処法を見極めましょう。
まとめ
愛犬が興奮すると、後肢で立ち上がった状態のままジャンプを繰り返したり、人に飛びついたり、むやみに走り回ったりします。ご家族の声も耳に入らず、「マテ」などのコマンドにも従えなくなることが多いです。
二足立ちでのジャンプは関節を痛める大きな原因になりますし、飛びつかれた方は怪我をするかもしれません。場所によっては交通事故に遭うことだってあり得ます。
万が一愛犬が興奮してしまった場合は、慌てずに落ち着いて対処してください。
また、日頃から十分なしつけを行うことで、興奮しにくい落ち着いた犬にすることも大切です。