犬はひとりで留守番ができるの?
数時間の留守番は、犬にとって特別問題にはなりません。最初から終日の留守番は難しいでしょう。しかし短時間から始めて少しずつ時間を延ばしていき、ご家族が必ず帰ってくるということが理解できれば、落ち着いて留守番できるようになるでしょう。
ただし、ひとりだけの留守番は、1日ないし1泊2日までと考えた方が良いでしょう。なぜなら、犬は目の前にある食物を一気に食べてしまうという習性を持っているからです。3日分のフードも初日に一気に食べてしまい、残りの2日間はひもじい思いをすることになりかねません。
それでは、出張や遠方での法事など、愛犬を同行できずに2日以上帰宅できない場合はどうすれば良いでしょうか。一般的には、愛犬を預けるか、自宅に様子を見に来てもらうかという選択肢になるでしょう。
様子を見に来て貰う場合、メリットもありますが見てもらえる時間が短いため、万が一を考えて預けるという選択肢を取ることが多いのではないでしょうか。
考えられる預け先には、友人、ペットホテル、動物病院などがありますが、今回は、普段から愛犬とも交流のある友人宅に預ける場合について考えてみたいと思います。
愛犬を友人に預ける時にすべきこと
では、愛犬を実際に友人に預ける場合、具体的にすべきこととは一体どのようなことなのでしょうか。
1.してほしいことを伝える
食事であれば、「フードの種類」「給仕回数」「1度に給仕する量」「与え方」などを、数字も交えて正確にわかりやすくまとめます。ドライフードであれば、予め1回分ずつの量を小分けにしておくのも良いでしょう。
常用している薬がある場合は、「薬ごとの投薬タイミング」「量」「投薬方法」を明記します。ただし、投薬が必要な場合は、かかりつけの動物病院で預かってもらう方が、愛犬にとっても良いかもしれません。
散歩のコースや時間、コース内のお気に入りの場所や苦手な人や犬等の情報も伝えましょう。また、飼い主さんの携帯番号や宿泊先、かかりつけの動物病院の名前、住所、電話番号とうような「関係先の情報」も必要です。「動物病院の診察券」も預けておきましょう。
2.してほしくないことを伝える
「してほしくないこと」もきちんと伝えましょう。「触ると嫌がる部位」や「されると嫌がること」、「気を付けた方が良い癖」「散歩中に出会う相性の悪い犬」というような、良くない情報こそしっかりと伝えることで、事故を防げるでしょう。
特に食物アレルギーがある場合や、何かに怯えて興奮してしまうといったような危険と直結する情報は、漏らさず正確に伝えてください。
3.必要なものを全て持参する
必要となるものは全て持参し、預けましょう。具体的な例を下記に挙げておきます。
- フード類、食器類
- ハーネス、首輪、リード
- お散歩バッグ一式
- トイレシート
- ティッシュ類
- タオル、布団、ブランケット等
- おもちゃ
- クレート、ケージ
預けている愛犬のストレスを軽減させるための秘訣
では、愛犬を預ける際の秘訣にはどのようなものがあるでしょうか。
持ち込む品は使い慣れたものを
愛犬は、ご家族がそばにいないことに不安を感じています。不在の理由や帰宅予定も分かりません。
そのため、一緒に預ける備品類は、愛犬やご家族の匂いが染み込んだ、普段使い慣れているものにしましょう。自分やご家族のニオイで緊張が和らぐはずです。
特別感を出さない
留守番の不安を軽減させるのは、ご家族への信頼です。必ず迎えに来てくれると信じられるように、普段から信頼関係を結びましょう。
さらに、長期不在の前に特別感を出さないことが肝心です。別れ際に特別感を出して、愛犬を不安にさせないようにしましょう。
愛犬を友人に預ける場合の注意点
日頃から愛犬とも交流のある友人ならば、ご家族も安心して愛犬を預けられるでしょう。愛犬もまた、全く知らない環境で知らない人からお世話をされるよりも、遊びに来たことのある環境でいつもかわいがってくれる人からお世話をされる方が、安心できるでしょう。
しかし、愛犬へのストレスが少ないというメリットだけで安易に友人に預けることを選択すると、思わぬ事故につながるかもしれません。友人は、動物を取り扱うプロではないからです。仕事としてではなく、友情から預かってくれていることへの理解も必要です。
このような観点から、愛犬を預ける友人に求めることや、預ける際の心構えをまとめました。
<愛犬を預ける友人に求める条件>
- 普段から愛犬と交流があり、愛犬も友人もお互いに慣れていること
- 犬と一緒に暮らした経験があること
- 現在犬と一緒に暮らしている場合は、その犬と愛犬の相性が良いこと
<友人に愛犬を預ける際の心構え>
- 伝えたいことはメモにすること
- 友人の生活を乱さない範囲でのお世話を期待し、完璧を求めないこと
また、預ける友人に対するマナーにも注意したいですね。友人だからといって、家族に預けるようにフランクに、というわけにはいきません。大事な命を預かって頂くのですし、先方にご迷惑をかけないように『親しき仲にも礼儀あり』の精神でしっかり準備をしておきましょう。
最低限のしつけ
そばにご家族がいなくても、むやみに吠えたり人に噛み付いたりしないといった最低限のしつけが必要です。
「制止(マテ)」や「呼び寄せる(コイ)」という指示も身に付けさせておきましょう。
また、ケージやクレートで落ち着いて過ごせるようなトレーニングも必要です。
お礼
お礼の気持ちをきちんと示しましょう。友人の長期不在時に友人の愛犬を預かるというのも良いでしょうし、謝礼やお土産といった形でも構いません。
事前に双方で話し合い、お互いが納得の行く形で預かってもらえるようにしておくことをおすすめします。
まとめ
よく知らないペットホテルやペットシッターよりも、普段から親しくしている友人の方が安心できるかもしれません。
しかし、友人はあくまでも「友人」でしかなく、動物を取り扱う専門家ではありません。
愛犬に持病がある、人に慣れていない、神経質である、というような心配な要素がある場合は、かかりつけの動物病院やペットホテルの利用も検討しましょう。