大晦日の花火を前に調査への参加者を募集
華やかな打ち上げ花火は人間にとっては楽しいイベントですが、突然の大きな音は犬にとっては恐怖とストレスをもたらすこともあります。
夏の風物詩という印象のある花火ですが、日本でも大晦日のカウントダウンと共に花火が打ち上げられる機会も増えてきました。欧米ではニューイヤーズ・イブと花火はセットになっているところも多く、年末が近づいてくると犬の飼い主さんたちへの注意が呼びかけられます。
イギリスではこのたびサルフォード大学と英国最大の犬保護団体ドッグズ・トラストが、花火の大きな音が犬に与える影響を研究するため、同団体のウェブサイトを通じて犬の飼い主を含む一般の人にアンケート調査への参加を呼びかけています。
音響学と犬の行動の専門家のコラボレーション
花火の音と犬の行動についてのアンケート調査は、イギリス各地で花火が打ち上げられる2022年12月31日から2023年の1月8日までの期間に実施されます。
この研究は、サルフォード大学音響研究センターの音響学の専門家とドッグズ・トラスト研究部門の犬の行動学の専門家によって主導されます。
犬が花火の音によって強いストレスを感じたり、脱走の引き金となって犬の福祉を大きく損なうことはよく知られているにも関わらず、花火と犬についての研究は非常に少ないため、この研究には大きな期待が寄せられています。
アンケート調査においては、参加者である犬の飼い主に自宅で聞こえた花火の音の録音を依頼し、その時の愛犬の様子を報告してもらうことも予定しています。
この音を音響学的に分析することで花火の音の違いが犬にどのような影響を与えたかを考察することができます。
犬の花火対策に科学的な根拠が加わる可能性
この研究に音響学の専門家が携わっていることは従来の「犬への大きな音対策」とは違う成果が期待されています。
犬は人間には聞こえない音にも敏感に反応するため、単純に音の大きさだけなく他の音響特性と犬の反応の関連を調べることで、より効果的な対策が立てられる可能性があるからです。
犬の飼い主への花火対策の指導に役立つことの他に、科学的な根拠を示すことで花火の使用についての改善提案にも活用される予定とのことです。
アンケートの回答が分析された後には、その結果が発表される予定です。日本でも夏の花火の前に研究結果や効果的な対策を知ることができるかもしれませんね。
まとめ
イギリスの音響学と犬の行動学の専門家が、大晦日の夜に打ち上げられる花火への犬の反応についてのアンケート調査を実施するため参加者を募集しているという話題をご紹介しました。
犬への影響の大きさにも関わらず今まであまり研究されていなかった花火の音について、この調査研究は重要なものになると考えられています。犬のためにも飼い主さんのためにも、新しい発見や効果的な対策が期待されます。
《参考URL》
https://www.dogstrust.org.uk/about-us/news/fireworks-study-calls-for-volunteers
https://www.bbc.co.uk/news/uk-england-manchester-63960673.ampn