犬が「飼い主を噛んだ後に舐める」理由4つ
犬が飼い主の手を噛んだ後、なぜかペロペロとその場所を舐めてくることはありませんか。「心配してくれているのかな?」「反省しているのかな?」と思ってしまいがちなこの行動、実は別の意味が含まれているのかもしれません。
ここでは、犬が「飼い主を噛んだ後に舐める」行為に隠された理由を解説します。正しく対処しなければ、噛み癖がついてしまう恐れもあるので要注意です。
1.自分や相手の気持ちを落ち着かせようとしている
つい飼い主のことを噛んでしまった後、自分の興奮した気持ちを宥めるため、あるいは飼い主に怒られないように飼い主の気持ちを落ち着かせるために舐めている犬は多くいます。
元々犬が相手のことを舐める行為には、「落ち着いて」「怒らないで」という意味が強く含まれています。
反省という概念は犬にないため、「怒られたくない」「怖い思いをしたくない」という気持ちから舐めることで気持ちを宥めようとしているのでしょう。
2.誤って噛んでしまったことに罪悪感を抱いている
遊びに夢中になっていた時や飼い主が食事の邪魔をしようとした時など、つい誤って噛んでしまったり歯が当たってしまった時は、その直後に「やってしまった!」と犬自身も動揺することがあります。
その「やってしまった!」という罪悪感から、とりあえず飼い主に傷をつけてしまった部分を舐めることでその場を回避しようとしているのです。
先ほど言った通り、犬には反省という概念がありません。「ごめんね」「もうしません」という気持ちではなく、「怒らないで」「とりあえずこの場を切り抜けよう」という気持ちが強いでしょう。
3.「自分に逆らうとこうなるよ」と警告している
犬は飼い主に対してマウントを取らない、と近年の研究により情報が改善されています。しかし信頼関係が構築されていない場合、警戒心の強い犬は飼い主を仲間として認識していない可能性もあります。
すると、飼い主が自分にとって不利な行為をしてきた時、イラッと気持ちが昂ってしまい、噛むことで警告の意味を伝えることも多いです。
そして、噛んだ後にその場所を舐めることで「今、ここが痛かったよね?」と相手に確認させ、「自分に逆らったり嫌なことをしたりすると、こうなるよ」と警告の意味を強めているのです。
4.飼い主の雰囲気から空気を読んで舐めている
噛まれたことで飼い主が驚いたり、不機嫌になったりしている空気を察する犬も多くいます。その飼い主の雰囲気から空気を読んで、「とりあえず舐めておこう」と意味もなく舐めている犬も多いです。
以前、同じようなことがあった場合、飼い主がこうすることで雰囲気が和らいだという経験を持っている犬ならば、その経験則から「舐めると許してもらえる」「空気がやさしくなる」と学習している可能性もあります。
愛犬に噛まれた後に舐められた…どのように対応するべき?
もしも愛犬に噛まれた後、舐められたらどのように対応するべきなのでしょう。そのまま許してしまうと今後も噛み癖は直らず、成長してから問題行動にエスカレートする可能性があります。
また、怒鳴ったり体罰を加えたりしてしまうと、より恐怖から攻撃性が高まってしまったり、飼い主との信頼関係が崩れてしまう恐れがあります。
まず愛犬に噛まれた後は、基本的にケージなどに入れて落ち着くまで遠くで様子を見ましょう。その間はかまったり声をかけたりせず、反応しないことを決め込んでください。
そうすることで噛んでもかまってもらえない、噛んだらケージに入れられてしまうと学習し、噛むことが自分にとって不利益になると学習させることにつながります。
すると、自然と少しずつ噛み癖が改善されていくので、なるべく早い段階でこのようなトレーニングを積んでおきましょう。
まとめ
いかがでしたか。犬が飼い主を噛んだ後に舐める行為には、反省ではなく別の意味が含まれていることが大半です。中には警戒の意味を込めている犬もいるため、誤った解釈をしないよう注意し、正しく対応して噛み癖を改善させましょう。