愛犬がカメラを嫌がる理由とは
愛犬がカメラを嫌がる理由は、単純に『カメラのレンズが怖いから』です。
もしかしたら他にも理由はあるかもしれませんが、多くの場合はカメラのレンズが大きな目に見え、しかもそれが自分を直視してるように感じるため不快を感じているのです。
どんなに愛犬を振り向かせたくて名前を呼んでみたり音を出してみたりしても、カメラを怖いと思ってしまった犬は、一瞬反応はするもののすぐに目や顔をそらしてしまいます。
しかし、それは決してあなたの愛犬が特別臆病なわけでも、ましてやあなたのことを嫌いなわけでもありません。単純にカメラという眼に凝視されていることが怖かったり、不安に感じているだけなのです。
愛犬のストレスサインを無視しない
この愛犬が顔や目を背けるという行動は、犬のボディランゲージのひとつで、「ストレスサイン」や「カーミングシグナル」と呼ばれるものです。犬は人間と違って、言葉でコミュニケーションを取ることはできませんので、仕草や行動等のサインを出して意思表示をするのです。
しかしこのとき人間がついやりがちなのは、そのような犬のサインを無視して、自分が望む行動をさせようとすることです。
これは、愛犬がストレスサインを示しているのにそれを無視して、その子自身をないがしろにしているのと同じこと。もしあなたが同じように「やめてほしい」「いやだ」と伝えているのに、それを無視して自分が楽しみたいから、と無理やり付き合わせるようなことをされたらどうでしょう?
恐らくほとんどの人は、そのような身勝手な行動に対して快い気分になることはないと思います。また、それが一度ならず、何度も何度も繰り返されていれば、その相手に対して「不快な対象」「苦手な対象」というようにネガティブな印象をもつのではないでしょうか。
一旦そうなってしまうと、すでにそこには信頼関係というものは存在せず、たとえその後一緒に時間を共にするとしても、愛犬はなにかある度にその相手を疑いながら様子を伺うようになってしまうと思います。
愛犬のストレスサインを無視するということは、愛犬が望んでいない状況を愛犬に強いているということだと理解する必要があります。愛犬にカメラを向ける時にはそのような状況になってしまう可能性を常に頭に入れつつ、ストレスサインを目にしたらすみやかに対応できるように配慮しましょう。
愛犬とカメラ撮影を楽しむ練習をしよう
とはいえ、やはり愛犬とカメラでの撮影をして、愛犬と思い出を残したり楽しみたいという気持ちもあるかと思います。
そういう方には、「まずは愛犬とカメラ撮影の練習をしましょう!」と提案したいと思います。
カメラやスマートフォンは一般的なものですので、犬の多くはカメラを持っているだけであればそれに対して否定的な様子は示さないはずです。
もちろん、カメラの存在が目視できるだけで落ち着きがなくなる犬もいますので一概には言えませんが、どちらにしてもまずはカメラという存在を愛犬が受け入れられる練習をします。
そして愛犬がカメラに興味を示したら、そこでトリーツなどを使って「カメラがあると楽しい♪」という状況に進化させましょう。
カメラに近づいてきた、カメラの匂いを嗅いだ、というように、カメラに対して自発的に否定的な反応を示さなければ、その楽しい状況をどんどん強化していきます。
そうしていくと、少なくともカメラという存在に対して愛犬の中で受け入れられる準備ができてきます。それが出来れば、次に「レンズを向けられる」ことに対してメリットがあると思える状況にしていきましょう。
- カメラを手に持ってカメラに目線を向ける
- カメラを持ち上げてみて目線を向ける
- カメラを顔に構えて撮影の姿勢をしても目線を向けさせる
というように、少しずつステップアップしていく流れです。決して焦ってはいけません。
まとめ
愛犬がカメラを向けると、眼や顔をそむけて残念がる飼い主さんは少なくないと思います。
しかし、愛犬は愛犬でカメラのレンズが大きな目に凝視されているようで怖いと感じていることが多く、それを避けるために目線や顔を背けるという行動をとっているだけに過ぎません。
きちんと順序だててカメラに対して小さな積み重ねを練習することで「なんだ、なんでもないんだな」「これが出てくると良いことがある♪」というように愛犬の気持ちも変化していきますので、諦めずにぜひ一緒に練習をしてみてくださいね。